今時新規開店の居酒屋に行く→ペットボトルのキャップがちいせぇ。

友人が居酒屋を開店したということで、祝いもかねて神田で一杯やってきた。

岩手産直系海鮮居酒屋で、刺身が旨かった。日本酒の十四代も久しぶりに飲んだ。フルーティーでともするとライトなシャンパンのような発泡感。飲んだ後も鼻腔をくすぐる甘い香りが立つ。

昔、東京駅一番街のラーメンストリートの向いに「けやき」という寿司屋があって、打ち合わせでよく使っていた。そこでよく十四代を飲んだこと思い出す。あれは10年以上前のことだろうか。

十四代は当時もなかなかお目にかかれない酒で、その店ではコカ・コーラだかの冷蔵ケースに無造作に入っているのを見つけて嬉々として飲んだ。今思えばうまいというよりもミーハーな気持ちで飲んでいたように思う。かの薫りと甘みは酒飲みのつまみに合わないからだ。

個人的に日本酒と言えば、剣菱、菊正宗などの辛口が普段使いにちょうどよい。煮込みなどの味の濃いものにも合う。

菊正は樽酒というほんのり升の香りがする酒が今はスーパーやコンビニでも置いてある。冷やして飲むと特段にうまいし、どんなつまみにも合う。

魚介に合うのは純米系で甘ったるくないものがいい。加茂鶴なんかが理想だが、値段的には亀の海がいい。海鞘なんかで一杯やると最高だ。

加茂鶴で思い出したのだが、近所にある個人経営の居酒屋で、「五大天」というまあこれも薫高な酒があった。加茂鶴酒造で作っているブランドで、その名の通り「空」「地」「天」など精米度が違う5つのシリーズを作っていた。酒自体があまりにうまく、店に行っても刺身とおしんこと五大天しか頼まなかった。東京ではこの店でしかお目にかかったことがない。

さらに大昔であるが、六本木ヒルズができてすぐ、お高い日本料理屋に呼ばれ飲みに行った。そこで飲んだ「黒龍 火入らず」がうまかった。4合瓶で1万円以上したのではなかったろうか。ウェイターがラベルを転写してパウチしたものを後日自宅まで郵送してきた。よほどレアなものだったようだ。

こんな独自な日本酒道を進んできたのだが、今では自分から日本酒を飲むことはまずない。酒通気取りの半可通にロクな奴はいない、などという話ではない。

氷彩サワーの方が単純にうまいのだ。

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