理容室と美容室の違い→フキと山椒の佃煮くいたくない?
どうも気分が乗らない(二日酔い)ので、仕事を早めに切り上げて床屋に行ってきた。まあまたその後飲みに行ったのだが。
床屋。理容室。自分は断然こちら派である。
もちろん、高校時分に色気づいた時は美容室に行った。なんなら担当の美容師と付き合いかけたほどである。過去に戻ってやり直したい分岐点の一つだ。せつな。
結局のところ、美容室ではヒゲを当たってくれない。免許上できないと聞いた。美容師は直接皮膚に刃物を当ててはいけないとかなんとか。客からするとそれぐらいの違いしか感じない。
いや、
感じないほどに理容室が美容室に寄って来ている最近は。
読んで字のごとく、理容は「清」を目的とし、美容は「美」を目的としている。最近では理容に「癒」を取り入れてきている。メインの男性客にフェイシャルエステやヘッドスパを取り入れてきているのだ。ヘッドスパって美容室の範疇(だった)ですよね。
ちょっと面白い話。
8年前ぐらい。近所に新しい理容室ができた。30歳くらいのマスター(理容室は店主をマスターと呼ぶ)が一人でやる。早速行った。
新規オープンで気合満タンのマスター。トークにも気合がほとばしる。若い。実に若い。まだ施術の流れに戸惑いがあるほど若い。終わってみると、マスターと同じ髪型にされていた。
そんな馬鹿な。ツーブロックって言ったのに。角刈りじゃん。
面白いので1年ほど通ってみた。
最初は気合がありすぎて的外れ気味だったトークも上達。マスターと同じ髪型にされるのも3回に1回程度になってきた。先だっての「癒」オプションも豊富で、フェイシャルから発毛スパまで500円~で追加できる。ヒゲを当たる前にオプションメニューが書かれたボードを持ってきておススメしてくれるのだ。
と、ここまではよかった。
この2年後、マスターは完全にハゲた。若ハゲだ。
自分はこの頃、別の床屋(ここも面白床屋で、すぐ坊主にしたがる)に通いだしていた。でも日常的にマスターの店の前を通る。ガラス越しに自然とハゲていく姿が目に入る。目が合えば会釈もしあう。
久々に行ってみるか。
年下なのにすっかりハゲてしまったマスター。すっかり手慣れた流れるような施術を受け、例のオプションメニューが書かれたボードを運んできた。
「えー、おすすめは発毛促進スパです」
ば、ばかやろう!そんなもん効果ないのが一目瞭然だろうが!お、ま、え、が、た、め、せ徹底的に。ちょっと笑ってるじゃねーかお前も。
そんなマスターも嫁さんをつかまえ、今では夫婦二人三脚でお店を切り盛りしている。
めでたしめでたし。である。
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