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元市役所職員が各党の強み弱みを市民視点で具体的にご案内【衆議院議員選挙のご参考に】

 みなさん、こんにちは。「公務員のための新しい広報の教科書」「中小企業・個人事業主のための新しい広報の教科書」著者です。

 第49回衆議院議員総選挙が平成29年以来4年ぶりに実施され、すでに期日前投票をされた方もいらっしゃれば、10月31日の投票日に向けて色々と情報収集されている方もいるでしょう。今回は、元市役所職員だった立場から、国会議員の役割を再確認し、国民であるとともに各市区町村の住民である一人ひとりがメリットを享受できる意思決定のために、主要各党の強みと弱みを独断と偏見でお知らせしたいと思います。

国会議員の役割とは

 参議院のホームページに、「議員の主な仕事」と題してその役割がわかりやすくまとめられていました。

国会議員は、国民の直接選挙によって選ばれる国民すべての代表です。そして、国民の代表として、主に次のような仕事を行っています。
法律案を国会に提出し、立法に主体的にかかわる。
②会議での質疑や文書による質問、国政調査などを通じて、行政を監視し、コントロールする。
法律の制定、予算の議決、条約の承認、内閣総理大臣の指名など、国政の重要事項に関する国会の意思決定に参加する。
選挙や国民からの請願・陳情などを通じて国民の意思をくみ取り、国政に反映させる。
外国の政治経済情勢を調査し、国政に反映させる。

いずれも選出された選挙区での考えが反映されて行われるべき仕事ではあるものの、①から③については所属する党の戦略などに基づくところが大きく、実際には「里帰り」などで地域住民と対話する機会において④の役割を負うイメージが強いことでしょう。

 ④について元行政職員の立場から深堀りすると、国会議員には、その地域の首長や幹部職員と中央省庁の橋渡しをする役割もとても重要と言えます。各地域で政策を成し遂げるにも、予算や規制緩和をはじめとした国の支援が不可欠となります。このコミュニケーションを円滑に進める仲介的存在として、国会議員の存在そして職能は大事なのです。なお、以下の強み・弱みは国政政党としてのものであり、地方政党(支部)とは異なるイメージもあります。

自由民主党(現議席数276)

 上記ポイントを重視すると、
強み
・長年与党で総理大臣をはじめ各省庁のトップたる大臣が同じ党所属であり、要人に会いやすい
・同様に長年国の中枢にもっとも近いところで情報を得ることができ、危機管理・有事においては行政を動かしやすい
弱み
・党利党略が優先される場面があり、国民が大きな改革を求めても反映されにくい

立憲民主党(現110議席)

 野党の急先鋒であり虎視眈々と政権交代を目論む同党を考えると、
強み
・自民党にできない改革や枠組みの変更を実施できる期待感がある
・比較的年齢が若く、若年層の思いを汲みやすくなる
弱み
・与党としての経験に乏しく、行政職員との関係性は弱い傾向
・他党への批判が目立ち、前回政権獲得時の検証、反省が可視化されていない

公明党(現29議席)

 直近では2012年から現在まで自民党と連立政権を組んでいる同党は、
強み
・国会議員と地方議員の連携が強く、住民の意見を汲み取りやすい・長らく国土交通大臣の職務を担い、危機管理・有事対応・インフラ整備に精通している
・福祉を重視しさらなる拡充を追い求めている
弱み

・一定分野に強みが偏り、プレゼンスが弱い分野も存在する
・政教一致の組織に映り(党はこれを否定)、浮動層の思いを反映できるか未知数

共産党(現12議席)

 1922年に結党した歴史ある同党は、
強み
・一貫した与党批判で課題を可視化する能力が高い
・福祉を重視し続け、国内で困っている人の思いを伝達する役割を負っている
弱み
・与党になる主体性は見られず、改革を実行するほどの組織とは言えない

日本維新の会(現10議席)

 現在の形は2016年からと非常に若いこの会派は、
強み
・大阪を中心に歳出を削減する取組みに尽力し、実行力を示す
弱み
・関西での自治では実績が多いものの、住民の意思を国政に反映するほどの結果は乏しい

完璧な党は存在しない、だから一票が大事

 いかがでしたか。どの党・会派にも一定の強み・弱みが存在し、完璧な組織はありません。だからこそ、国政にも地方行政にもまだまだ課題が山積している現実があります。一方で、前回衆院選投票率が53.68%と低水準だったことが示すように、半分近くの人は投票に行かなくても良いと考えるほど快適に暮らせている国なのかもしれません。最近では「投票マッチングサービス」と言って、アンケートに回答するとその考えに近い政党を勧められるというものもありますが、そうしたサービスだけに頼らず、さまざまな情報源に触れ、誰に政治を任せれば自分の地域は幸せになるのか、考えてみるのはいかがでしょうか。

 今回もお読みいただき、ありがとうございました。

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