「エヴァンゲリオンが好き」だけでは辿り着かないシン・エヴァンゲリオン劇場版:II

はじめに

本記事はネタバレも含まれています。またエヴァンゲリオンが好きでそればかりな人からしたら不愉快になる表現があるかもしれません。気に入らない場合はブラウザを閉じるか戻るをクリックして下さい。あるのは読むか読まないかの選択のみです。

投稿者の知識

TVシリーズ(2周)、劇場版Air/まごころを、君に、新劇場版序、破、Q視聴済み、貞本コミカライズ版全14巻読了済み。
TVシリーズも映画もリアルタイムでは観ていない。大学に入ってからエヴァンゲリオンが共通教養的な立ち位置だったので義務感で視聴。
リアルタイムで観てた方々とかTVシリーズ、映画を何周、漫画も何度も読んでる方々からすると圧倒的に熱量は足りない部類だろう。シン・エヴァも初日ではなく公開から6日目の土曜日に観に行った訳ですし。

シン・エヴァの簡単な内容と感想

「落とし前をつける話」「胸の大きい良い女をゲットして現実と向き合って生きよう」でした。
落とし前をつける話に関してはアスカが気持ちの整理をしたり、「破」の時に「行きなさい!」と命じたミサトさんが責任取ったり、シンジくんが大人になるために自分がやったことや父親と向き合ったりなど。
前作のQから8年待った甲斐もあり、きちんと完結してくれて良かった。
Q同様に賛否両論になりそうだが、俺はアレはあれで良かったと思っている。

副読本的な作品等

・庵野監督作品(不思議の海のナディア、トップをねらえ!)
・ガンダムシリーズ(宇宙世紀、アナザー系)
・島本和彦著 アオイホノオ(庵野監督の青年期、70〜80年代のサブカルチャー史(宇宙戦艦ヤマト、ガンダムブーム等)として)
上記三作に加えてガンダムシリーズの製作背景(主に富野監督作品)を知っておくと良いかもしれない。

ヒロインと主人公と

エヴァといえば人気を二分するヒロイン、綾波レイと惣流(式波)・アスカ・ラングレー。そして「破」から割って入ったが人気イマイチなコネ眼鏡こと真希波・マリ・イラストリアス(貞本コミカライズ版で正体が既に判明していましたが)。シン・エヴァでようやくマリの存在はこの為だったのかと判明した。また各キャラクターは下記が反映されていると思われる。
・シンジくん(庵野監督自身)
・綾波レイ(他者の作品のヒロイン:メーテルやナウシカ等)
・アスカ(庵野監督の作品のキャラ:ナディア、ユング)
・ゲンドウ(富野由悠季監督)
・マリ(安野モヨコ(庵野監督の奥さん))
新劇場版エヴァンゲリオンは庵野監督(シンジくん)が漫画やアニメのヒロイン(アスカ、レイ)にうつつを抜かすのをやめてモヨコ(マリ)と一緒に現実と向き合って歩んでいく。そういうラストなのだ。

汎用人型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオンとは

エヴァンゲリオンとはガンダムのメタファーである。
怪獣(使徒)とプロレスをするために(監督が好きな)ウルトラマンの要素を足した庵野監督の俺ガンダムだ。
エヴァンゲリオン初号機、零号機、2号機は庵野版RX-78(-1〜3)ガンダム(1stガンダム)
黒い3号機はティターンズカラーのガンダムMk-Ⅱ(Zガンダム=1stガンダムファンの首を絞めに来る)
北米で消失した4号機はガンダムZZ(庵野監督の中では無かったことにした)
仮設5号機はF91(仮設=完結していない)
8号機は(エヴァマーク〜を取り込むことから)ターンAガンダム
初号機に似た第13号機は逆襲のシャア(1stガンダムの完結編)
上記は富野監督が割と自由に製作したガンダム作品。
エヴァマーク〜シリーズはスポンサー都合で製作されたアナザー系ガンダム作品。
第13号機の活動を止めたマーク6はスポンサー都合で作られた富野監督のVガンダムを意図していると思われる(富野監督はVガンダム以降暫く作品の発表が無かった=活動停止)
第13号機は庵野監督も直接関わってることもあり特別扱い。「第」とか最後のナンバリング機となっていて、庵野監督の中では1stガンダム→逆襲のシャアでガンダムが完結しているのであろう。
第13号機が初号機に似ているのもその流れを汲んでいるのだろう。

最後に

エヴァ=ガンダムのメタファーと思った人はそこそこいるだろうし、エヴァ以外の作品に詳しく庵野監督への理解が深い方々が凄い記事を書いているはず。書いていない訳がない。
そしてエヴァンゲリオンだけ観てる人、好きな人はネット上の事細かな描写や作中の書き込み等の考察を読んだり、YouTubeで長時間の解説を観る方が楽しいと思われる。上記のようなエヴァ=ガンダムとかファースト、セカンドインパクトはヤマト、ガンダムブームのメタファーとか言われてもピンと来ないし、だから何って感じだろう。それはそれで良い。所詮は漫画、アニメ、空想なのだ。
劇場版エヴァンゲリオンは庵野監督なりのさようなら全てのガンダム(エヴァンゲリオン)だったと思う。とは言え庵野監督はガンダムと一旦さようならしようとも新しいガンダムが始まれば観るだろう。そしていずれ「帰ってきたエヴァンゲリオン」を企画するかもしれない。何故なら「さようなら」はまた会うためのおまじないなのだから。


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