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WordPress歴15年の私が思うこと

今回は、WordPressについてです。

まず、WordPressについてまとめておくと、現在WEBサイトの構築で最も多く利用されているCMSツールです。

W3Techsが公開している情報によると、現在(22024.06.16)、全WEBサイトの中で43.3%がWordPressを使って公開されています。
また、CMSだけに絞ってみると、62.7%をWordPressが占めています。

出典:W3Techs

この数字だけを見ると、現在のWEBの世界においてWordPressはもはやインフラと言えそうですね。

WordPressのすごいところは、様々なWEBサイトで使用できるところです。
例えば、ブログ、メディアサイト、会社サイト、商品・サービスサイト、ECサイト、ニュースサイト、教育機関の公式サイト、有名人の公式サイト、政治家の公式サイトなどなど、本当に様々な場面で採用されています。

さらに、WordPress自体は誰でも無料で利用することができます。
この点も、WordPressが大きく普及した理由の一つで、個人的にはWordPressのすごいところだと思っています。
もちろん、レンタルサーバーやドメインの費用は掛かりますが・・・


私の本業はWEB制作で、この業界に入ったころ、日本のWEB制作の現場ではMTというツールが大人気でした。

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MTとはMovable Type(ムーバブル・タイプ)の略で、有料のCMSです。
個人で購入するにはそこそこ高いライセンス料ですが、WordPressとは違って静的ページでの公開になるのが特徴です。
静的ページとはHTMLとCSSのみのページで、ユーザーがアクセスするたびにデータベースへアクセスする必要もなく、またPHPなどのプログラムを実行する必要もないので、非常に表示速度の速いWEBサイトの構築が可能です。
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もしくは、CMSを使わないオリジナルでのWEB制作の方が圧倒的に多かったです。
今では30~50万円程度のホームページ制作でも、当時は100万円くらいは貰えていた時代です。
それを考えると、ホームページ制作の単価はかなり下がりましたが・・・

で、そのころ、ちらほらとWordPressの名前を聞くことはあったのですが、まだまだ日本だと「WordPressって何?それ美味しいの?」くらいの認識だったと思います。
バージョンも2.2と2.3だったと思います(この辺の記憶は曖昧です・・・)。

しかも、今のようなCMSツールではなく、あくまで「WordPress=ブログツール」でした。
カスタムフィールドやタクソノミーなどの機能もなかったですし、アイキャッチ機能もまだ追加されていなかったように思います。

しばらくそんな状態でしたが、徐々に「WordPressってめっちゃいいらしいよ」みたいな空気がWEB業界でも流れ始め、その当時いた会社でもWordPressを取り入れていくことに。
その当時で、バージョンは2.5だったと思います。

取り合えず、私も渋谷の啓文堂という書店でWordPressの本を一冊買ってきて、とある土曜日の朝から晩まで1日かけて学習することに。

まずは、個人で借りているレンタルサーバーにWordPressをインストール。
当時はWordPress簡単インストール機能はどこのレンタルサーバーも搭載していなかったので、手動でのインストールです。

その後、適当にHTMLとCSSを用意して、そこにWordPress管理画面上から投稿した記事を呼び出して一覧表示、さらに記事ページやカテゴリページ、アーカイブページも作成・・・こんなことを1日中やっていました。

で、正直、MTでの開発経験が役に立ったのか、1日で普通に使いこなせるように。初めてMTを触った時、習得するのに1週間ほどかかったので、それを考えるとかなりの成長ですね!
WordPressとMTは全く違うツールではありましたが、カスタマイズ方法に関しては、なんだかんだで基本的にはよく似ていましたし。

で、翌週、会社に行って成果物を見せて、「これからはWordPressを使っていきましょう!」みたいな話しをしたのも覚えています。


その後、バージョンは覚えていないのですが、カスタムフィールドやタクソノミーなどの機能も登場し、いよいよCMSとしてのWordPressが誕生です。

それからは、頂くお仕事の大半でWordPressを導入して、お客さん自身でも情報を更新できるようにしていきました。

それまでは、ホームページ上のちょっとした情報修正(例えば住所変更や写真変更)でも、お客さんはWEB制作会社に依頼する必要がありました。
それだけでも毎回お金が掛かるので、WordPressのCMSとしての生まれ変わりはかなり大きな革命史でしたね!


それで、今の時代、WordPressは非常に使いやすくなりましたね。
本当に驚くほど使いやすくなりました。

WordPressを初めて触った当時、まさかアフィリエイトでも当たり前に利用される時代が来るとは思っていませんでした。

というか、誰でもこんな簡単にWordPressを始められる時代が来るとは思ってもいませんでした。


その理由としてこんなところです。

  • レンタルサーバー各社がWordPress簡単インストール機能を実装した

  • 国産の有料WordPressテーマの数が大幅に増えた

  • Cocoon(コクーン)という多機能な無料テーマも登場した

  • インターネット上にWordPressの情報量が大幅に増えた

  • レンタルサーバー自体のスペックや性能、機能が大幅に進化した

一番大きな理由としては、やはりレンタルサーバーのコントロールパネル上で誰でも簡単にWordPressをインストールできるようになったことです。
今の時代、どこのレンタルサーバーも必須の機能となりましたね。

以前は手動でデータベースを作成して、ファイルをサーバー上にアップしてインストールを行っていました。
それを考えると、本当にインストールが簡単になりました。

他にも、国産の素晴らしいテーマが増えたことや情報量が大幅に増えたことも大きいです。


因みに、昔のレンタルサーバーの性能・スペックだと、今のWordPressを実行させるのはかなり難しかったと思います。

当時でも、某レンタルサーバーなんかだとWordPressの動作が遅すぎて、使い物にならないこともありました。

実際、WordPressを設置したら遅すぎて、営業の人間がお客さんから電話でめっちゃ怒られた経験もありました。
営業が起こられているのを横目に「すみません・・・」と思いながら、別の案件をこなしていたのは、今となってはいい思い出ですが。

で、その案件に関しては、最終的には、ラピッドサイトというGMO系列のレンタルサーバーに移行することで解決しましたが。


初めてWordPressを触った当時、こんなにも普及するとは思っていませんでした。
流行り廃りの早い業界なので、数年もするとまた新しいツールにとって代わられると思っていました。

ですが、WordPressは、15年経っても当たり前のように誰もが使っているツールです。

WordPressはバージョンアップも早く、さらに進化も早いです。
さらに有志も多く、無料のプラグインやテーマも無数に公開されています。

それが、今のWordPressを支えているのだと思います。


正直、WordPressにもデメリットはあります。

例えば、動的システムということもあり、「WordPressは動作が遅い」という方もいます。

ですが、今はレンタルサーバーのスペックも大幅に上がり、格安サーバーでもそこそこの表示速度を期待できます。
さらに、人気のエックスサーバーやConoHa WINGだと、WordPressもサクサク動作しています。

また、キャッシュの利用などで、表示速度の大幅な改善も可能です。

動作が遅いという声はあまり気にしなくても大丈夫だと思います。


さらに、「WordPressはセキュリティ面で危険」という声もたくさんあります。

ですが、WordPressに限らず、どんなシステムでも脆弱性はたくさん含んでいます。
それに、しっかりと対策を取って、さらにバックアップだけ取っておけば、問題はないです。

例えば、こういった対策を行うだけでもかなりセキュリティ強度は上がります。

  1. ログインパスワードを複雑にする

  2. WordPress本体、テーマ、プラグインのバージョンを最新に保っておく

  3. SSL通信を行う

  4. セキュリティプラグインを利用して脆弱性対策を行う

  5. WAFを搭載しているレンタルサーバーを利用する


WordPressは人気ツールというだけあって、いろいろ言われる方もいます。
さらに、大手だとWordPressの利用を禁止しているなんて企業も未だにあります。

ですが、そんな声は無視していいくらいにWordPressは素晴らしいツールです。


ただ、WordPressも万能ではないということも覚えておきましょう。

例えば、WordPressを使ってECサイトを組まれている方もいます。
ですが、WordPressでの決済システムの実装は大変なので、基本的にECサイトの場合にはShopifyを利用した方がいいです。

また、検索項目の多いWEBサイトを作成することもあります。
WordPressでも可能ですが、やはり速度などを考えると不向きです。

というか検索項目の多い複雑な検索システムの場合には、オリジナルで開発した方が絶対に良いです。


で、何が言いたいかというと、WordPressにもデメリットはありますし、問題点もあります。
ですが、それらを考慮しても、現在では唯一無二の存在です。

いずれ、別のCMSに今のポジションを奪われる可能性だってもちろんあります。
ですが、それはまだまだ先の話です。

今のように様々なところにがっつりと入り込んでいる以上、そんな簡単にWordPressが廃れるということありません。

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