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アンチヒーローの極北のような映画「エスケープ・フロム・LA」

コロナがまたまた大流行しそうな予感が漂ってきた現在、皆様いかがお過ごしでしょうか。

Steamで買った「RPGツクール」にはまってしまい、SNS断ちをしておりました…ヌフフ!(結果ゲームは完成しておりません・・・)

実はアウトサイダー一色な性格で、おまけにアンチヒーローものが大好きな自分であるが実は王道主人公が大好きな自分はその作品の中では王道主人公を追及して作っていた。

だが、そんなときふとおもった。

では、「アンチヒーロー」とはなんなんだろう。

ヒーローらしくない主人公を「アンチヒーロー」というそうである。

そんな中自分はふと思い出した。

そう…。

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あのスネーク・プリスキンだ。


知らない人も多くなったであろう彼について語っておこう。

スネーク・プリスキンとは1980年代に大流行した映画「ニューヨーク1997」に出てくる片目のアウトローである。

それまでヒーローといえばボンドのような女たらしか、スーパーマンのような聖人君子しかいなかった銀幕の世界にふてぶてしく権力を嫌い人を嫌うという新しいヒーロー像を定着させることに成功をした。

後に本作のフォロワーとして誕生したドゥームズデイの主人公やメタルギアのスネークは人間くさいところがあるが、本作のスネークはそういうところが徹底して、ない。

目の前で人が死んでもケロッとしている。

「死にたいなら、死ねばいい。俺は生きるけどな」という徹底した冷たさがなんともカッコイイ。

さらにそこら辺のアンチヒーローと違うところは

目の前で女性がレイプされていても助けようとはしない。

これがくっさいヒーロー気取りの話なら主人公が大立ち回りをするというような使い古された展開をみせるが…そんなことはない。


正義を振りかざさないし押し付けないのだ。

そして、普通のアンチヒーローにありがちな「最強系(笑)」の要素はまるでない。

周囲のキャラから「お前チビだな」とバカにされ、あっさり捕まり、同じ失敗を繰り返す、ぶっちゃけタイマン勝負はそんなに強くない…そんなこりない頭の足りないおバカさんなのである

だが、どんな状況であっても周囲に左右されないスネークはボロボロになっても表情一つ変えない。

そこがなんともカッコイイのである。

やがて、1997年

ニューヨーク1997の続編が作られた。


それが「エスケープフロムLA」である。


本作でスネークは徹底的に暴走していく、前作の舞台がニューヨークでマジソンスクエアガーデンでオックス・ベイカー相手にハードコアレスリングを展開したかと思いきや本作ではバスケを披露するというまさかの展開をみせる。

さらに本作…アメリカは完全に鎖国して独裁国家になり孤立した超大国・覇権国として君臨している。

その中では言論統制が行われている。

当時は親父のブッシュを揶揄する目的だったが、皮肉なことに今のアメリカはポリコレを振りかざし国際的に孤立していっている。

現実が創作を越えてしまったという典型例であろう。

しかしながら、監督のジョン・カーペンターは右翼もそうだが、左翼も信じていない。

アメリカと対立しているアウトローたちは徹底した悪として描かれており、本作のボス役であるクエボ・ジョーンズはジョン・ゲバラそっくりの存在なのだ。

しかもかなーりおちょくっている。


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↑バカ丸出しである↑


本作のあらすじも極めてシンプルである、↑のバカに洗脳された大統領のバカ娘はアメリカの秘密兵器を持って、収容所と化したロサンゼルスに降り立つと…当然バカ娘は兵器とそろって人質になってしまい、それを救うために政府に脅されたスネークが向かうという前作のまんまの話になっている。

そんな本作であるがそのラストがまあそのオチもびっくりである。

最終的に人工衛星を使い、反米国家の電気を奪う電磁パルス兵器を手にするスネーク、大統領のバカ娘がクエボに渡そうとしていたものはそれだった。

だが、スネークが大統領に渡されたのは偽物であった。


本物を持っていたのは…なんとスネークであった!


眼を見開き、スネークを見つめる大統領。

だが、スネークはアメリカ政府にも敵国にも渡す気はなかった。


「消すのさ、すべてを…」


なんとスネークは世界中の都市に向かって電磁パルスを発動、世界中の文明は全てストップしてしまうのであった。

絶望する大統領や政府関係者たち、そんな彼らを後目にスネークは一人消えていく。

吸うことが禁止されたタバコを吸いながら…そして一人つぶやく。


「やっと、人間に戻れたぜ。」



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なんと、アンチヒーローが行き過ぎたスネークは世界を滅ぼしてしまうのであった!


しかもその理由は追い詰められたからでも、正義があったからとか野望があったからではない‥。

自由にタバコが吸える世界、それが欲しかっただけなのだ。

ここまでくると彼以上のアンチヒーローを生み出せそうにはない。


究極のアンチヒーローであるスネーク・プリスキン、彼を越えるキャラを生み出せる気は俺にはない…。


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