脚本・音楽・俳優たちの演技、そして若き日のチョウ・ユンファに痺れろ!(TVドラマ『上海灘』)

気付いたら年が明けて、2月も半分近く過ぎてるこの頃。その間に映画を結構見に行って、色々書きたいなぁと思いつつ、気が多い私は他の事に現を抜かしておりました。
そんな中、先月都内某所で上映された香港映画特集で、全盛期の香港映画の数々に触れたせいか、頭の中が香港映画で埋め尽くされてきてる状態です(←ただのヤバい奴とも言える)。
思い返すと、以前DVDで見た『男たちの挽歌』をスクリーンで見てから、ずっとそんな状態にハマってるかも。今回改めて見てチョウ・ユンファやティ・ロンの魅力に気付き(もちろんレスリー・チャンも素敵ですよ!)、特にチョウ・ユンファの演技力の高さにハッとさせられ、「彼の他の作品ももっと見たい!」となった訳ですが・・・彼の出演作が映画館でかかりそうな気配は当分ない。「じゃあDVD借りて見るか!(机をバーンッ!)」となり、ネットレンタルしてる日々です。

そんな中でTVドラマ『上海灘』(全8枚・25話)のDVDも見つけて、三枚目(9話まで)を見終わったとこですが、これがとっても良い。1980年に香港で放送されたTVドラマで、高視聴率を記録するとともに、チョウ・ユンファの出世作ともなった作品と言う事だけど、人気があったのも頷ける。1920年代の上海を舞台に、彼が演じる主人公・許文強(ホイ・マッキョン)と相方の丁力(ティ・リッ)が、上海の裏社会で揉まれながら駆け上る様子が繰り広げられるんだが、新参者の二人が失敗や屈辱すらも味わいながら、自らの命を張って生きる様がカッコよくて応援したくなる。
人物造形や人間模様の描き方も抜群である。文強の落ち着いた性格と冷静な判断力の裏にある暗い過去(北京大学時代に五四運動に関わり3年間投獄された)や、力の人の良さ(腕っぷしが強いのと短気なのがキズ?)、文強に恋し積極的にアプローチする程程(チンチン)と、その父親で上海の外国人勢力とも渡り合う裏社会のボス・馮敬堯(読み方忘れちまった…名字はフォンだった)と、もうこれだけでもグイグイ引っ張られる要素がいっぱい。
そして出演者の方々の演技が何と言っても素晴らしい。年配の俳優陣はもちろん、やはり主演のチョウ・ユンファの存在感は見逃せない。理想に燃えながらも破れた辛い過去を経て、魔都・上海で裏社会をのし上がろうとしながらも、どこかに良心や激しいものを秘めている文強に見事になり切っている。彼の体格の良さもあり(『男たちの挽歌』の時は気付かなかったけど、上背がある上に肩幅が広い!)、落ち着きながらも堂々たる風格を放つ彼は必見。香港映画、特にノワール系の作品やチョウ・ユンファが好きな方にはオススメです。

元々そんなにドラマを見ないけど、それでも次の話が気になるなんて、本当に久しぶりの事だな。(細かいとこはいくつか気になるけど!決して古くはない!)そんな素晴らしいドラマの続きを早く見たい!
※英語読めてネタバレOKな方は、英語版のWikipediaに結構詳しい話が乗ってるんでどうぞ↓
音楽担当は『ドラゴンへの道』『男たちの挽歌』の音楽を手掛けたジョセフ・クー!彼が手掛けた主題歌も胸に沁みるものがある…

(※2023.03.26追記 ネタバレ注意)
『上海灘』シリーズを見てから半年くらい経った後、『ボルサリーノ』というフランス映画を見た。
1970年に公開されたフランス映画で、当時の大スターだったアラン・ドロン(制作も担当)とジャン・ポール・ベルモンドの共演で話題を呼び、大ヒットしたギャング物の作品だ。派手な銃撃戦と男たちの友情(そしてビシッと決まったスーツ姿に帽子)という、この手の作品に欠かせない要素が詰まってて面白いんだが、結末を見てビックリした。
若さと野心に溢れたドロンとベルモンドのコンビは、旧勢力との争いの結果、町で一番の顔役になるんだが、ベルモンドはいづれ相棒と殺し合いになる前にと、ドロンに別れを告げる。ベルモンドがその場を去ってすぐ外で銃声がし、ドロンが外へ出ると、銃撃を受けたベルモンドが倒れており、駆けつけたドロンの腕の中で絶命する。
『上海灘』をご覧になった方はもうお気づきだろう。このシリーズを手掛けたスタッフで、『ボルサリーノ』を見た人が絶対いたはずだ、と。
近年上映されているベルモンドの映画特集で、発起人の方が「ベルモンドはジャッキー・チェンやチョウ・ユンファたちにも影響を与えた」と書いてたが、まさかこんな形で見る事になろうとは!国境を越える映画やドラマの影響力の強さを、改めて感じた一場面だった。

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