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経験その1

ガシヤマゾネスと申します。


今回は、私が教員として働く前に通っていた教職大学院時代で起きた出来事についてひとつお話をしたいと思います。


教職大学院というのは、わかりやすく言えば(逆に言えば法律や施行規則からの根拠を理解していないのですが)、教職について勉強する場所です。

現役の先生が専門性や理論的なことを学ぶためにやってくるケースも当然あれば、大卒で教職大学院に入る方もいます。僕もその1人でした。


そしてその大学院の実習として、2年間公立学校に実習生として入るプログラムがありました。私もとある学校に実習しに行きました。

そこの校長先生や先生方には厳しく指導されることもありましたし、わかるくらいの声で怒鳴られたこともありました。通わせて頂いていた初期のころの僕は、社会の「し」の字も知らない大バカ者だったなと今でも思っています。しかしそういったご指導がなければ、今の自分はないと思っています。その時お世話になった先生方には、感謝しかありません。実際の現場に入らせて頂くことでしか感じられないこと、体験できないことも当然ありました。教職大学院の2年間で最も勉強になった時間というのは、その学校での時間だなと、教職を辞めても思います。

子どもたちとの触れ合いもいい思い出です。まあ当時の僕のことを覚えている人はいないと思いますが、、、

私の実習先の学校では、私の実習の担当の先生がいらっしゃいました。とても優秀な先生でしたし、見習うべきだったところは多くありました。


しかし、事が大きく変わったのは実習2年目の6月下旬でした。私の実習担当の先生が1年間休職することになったのです。学校としても大きな打撃だったと思いますが、その先生が担っていた授業の一部分を、私が請け負うことになりました。

そのことを打診された時の校長室の空気は忘れられません。もうやるしかないという選択肢しかない空気を感じていました。考えるまでもなく、私は了解しました。私は教員免許状は大学卒業の時点で有していたので、教えること自体に問題はありませんでした。

もし断っていたらどうなったか、、、

たまに考える時もあります。それはその後の未来が考えさせられました。


校長室での打診の翌日から授業があったので、その日から深夜まで、夏休みまでの約1か月間、授業のために必死に生きました。どんなことを考えていたのか、感じていたのか、そんなことを思い出そうとしても思い出せません。

ただ私と同じように大卒から入った同級生たちは、7月末の採用試験に向けて十二分に準備をしていました。同級生たちは週一回の実習だったので、ほぼ毎日行っている私とは違い、採用試験に費やせる時間に差があったことは事実です。

なんとか授業を終えた私は、息つく暇もなく採用試験に臨みましたが、やはり対策不足だったのか、結果的には落選してしまいました。準備不足だったのかもしれませんでしたが、院にいらっしゃる先生に報告した帰り道、一人公園で声を出して泣きました。その涙は、どんな感情から出た涙だったのでしょうか。

まあ、シンプルに私の力不足なので、言い訳にすぎませんが。

そして、授業を先生の代わりにやったので、お金がいくらか出るだろうと思っていました。そして2学期ごろに校長先生に、もらえるものとして確認したところ、言葉を失う返事が返ってきました。

「あ、あれは実習だから」

未来のためにいい経験が積めた機会だったといえば、聞こえはいいかもしれません。しかし、労働とみなされず、院生の実習として処理されてしまったことに、教職大学院生という立場のグレーさを痛感しました。

そして初めて、教員のブラックさを感じた出来事でした。

「俺いいように使われたんだな」

管理する側からしてみれば、免許状を持っている使い勝手のいい奴だったのかもしれません。今となって思うことですが。


教員人生を振り返った時、この落選したタイミングが、教員を諦めるタイミングだったのかもしれません。

でも諦めきれませんでした。2年間の積み重ねを否定したくないというプライドもあったことでしょう。周辺自治体の臨時教員に登録し、声をかけて頂いた自治体の方へ翌年度行くことになりました。それは当然だと当時は思っていました。働き方改革なんてへったくれもない頃です。

翌年から、誰も知らない環境で何もわからないところで働くことになります。

今回はここまでかな。


2022.1.31の朝日新聞に教員を欠員を補えないケースが相次いでいるという記事がありました。

何も驚きはありませんでした。

働き方改革なんてしても、国の制度上、働き方改革はできないと僕は思っています。そう思うのは、以上の経験があったことも一つの要因なのかもしれません。


以上に挙げさせてもらったケースは、あまり事例がないのではないかなと思います。なぜかというと、実習している同級生でもそんなに授業をやっていたというのは聞いたことがないからです。

とても長く、元教員らしくなくまとまりのない文章で恐縮ですが、ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。


自分の経験も書いていきたいですが、教員の働き方についての考えなんてものも、書いてみると面白いかなと思いました。

次回もまた、どうぞよろしくお願いいたします。

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