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恣意(しい)
寡頭制のもとでは貧富の格差を背景に、無為徒食のならず者が生まれます。
金持ちが支配する寡頭制の後に民主制が来るとプラトンは言いました。
◇ ◇ ◇ ◇
同じ頃、「人間は万物の尺度である」で知られるプロタゴラスも活躍していました。
彼は、絶対的な真理は存在せず、価値は人間=個人によって異なるという相対主義の提唱者といったところでしょうか。
https://note.com/gashin_syoutan/n/n0710dac6ddd7
◇ ◇ ◇ ◇
恣意的(しいてき) : 気ままで自分勝手なさま。
論理的な必然性がなく、思うままにふるまうさま。 「恣」は、「ほしいまま(=したいようにする)」という意味をもつ漢字
日経新聞からの切り抜き。
――部下が上司を選ぶ選挙制度を導入した理由は何でしょうか。
「社内の派閥を作らないためだ。会社を成長させる際の最大の障害が派閥だ。派閥が会社を腐らせる。• • • 派閥の原因は全て人事権にある。人事権とは上司による評価と査定。権限を持つ人にすり寄る人が出てくる。それは動物の習性で仕方がない」
「そこで最初は人事権を社長の僕に集中させた• • • 数カ月後、僕の前では真面目一徹に見えたあるAMが、裏でほとんど働かず部下に横柄な態度をとっていることが分かった。1人では見切れないと痛感し、選挙という発想が生まれた」
――社員は最初から選挙制度を受け入れましたか。
「• • • 今は選挙でないと駄目となった。最大の理由は昇進のプロセス(過程)が透明になったことだ• • •
その人に決まったプロセスに納得していないことが問題だ。人間は納得がいかないとやる気をなくす。一方で不満だが納得できれば諦めて頑張れる」• • •
「社員から信頼を得ることだ。そのために必要なことは『俺を信用してくれ』と一生懸命話すことではない。
会社中のブラックボックス的な部分を全てこじ開けて透明にすること。人間性ではなく、制度や仕組みとして会社のことを信用してもらうことだ」
田中社長が恣意的に選挙制を取り入れたと考える人はいないはず。
同じ日の日経新聞から。
共産党の現役党員の松竹伸幸氏は
19日に都内で記者会見し、党員の直接投票による党首公選制の実現を訴えた。・・・・
党規約では・・・・代議員による選挙で中央委員を選出し・・・・•
赤旗は21日付に藤田健編集局次長の署名記事を掲載した。
松竹氏の言動に関して「『党の内部問題は、党内で解決する』という党の規約を踏み破るものだ」と批判した。
共産党は「民主集中制」を組織の原則に掲げる・・・・
党内に「派閥・分派はつくらない」と規約に明記する。
党首公選制は「この原則と相いれない」と指摘した。
・・・・
「ちょっと何言っているかわかんない」 by サンドイッチマン
だって、同じ規約には「選挙で委員を選出」と書いてあるんですよね(笑)。
明らかに恣意的ですよね。
◇ ◇ ◇ ◇
田中さんは、派閥を作らないために選挙をする。つまり、選挙は会社を職員に信用してもらうための制度や仕組みとの理解。
一方、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」は党員が党首公選制の導入を求めるのは、党内に「派閥・分派はつくらない」とする規約と綱領からの逸脱と。
ところで、委員長の志位(しい)さんはなんと言ってるかと言えば、
志位氏は23日・・・・ 「(赤旗の)論説に尽きている」と強調した。「赤旗にお任せして書いてもらった」とも言及した。
「しんぶん赤旗」の論評は「的確な内容だ」って、さすが、志位さんら しい発言ですね。
参考にしてください(笑)。
安倍政権の暴走は、そのすべてが国民多数の民意に背く暴走です。私たちは “民主主義を守れ、独裁政治を許すな、安倍政権打倒” という大きなスローガンを掲げて、たたかいを院内外で進めていきたい。
ちなみに、上述の共産党の松竹伸幸氏が、なんと言っているかと申しますと
志位氏は• • •20年以上にわたって(委員長として)在職しており
「国民の常識からかけ離れていると言わざるを得ない」と主張。
独裁政治ってあなた、詭弁を弄しているのは、志位さん、松竹さん、さあ、どっち?
◇ ◇ ◇ ◇
民主制においては、どのような仕事や生き方をしてきたかと無関係に、ただ大衆に「好意を持っている」と言いさえすれば人気者になれるのです。
ソフィストとは前5世紀頃、ポリス市民に弁論術や自然科学などを教えて報酬を受ける家庭教師のことで、本来「知恵ある者」を意味していました。ところが、真理の探究よりも、相手を論破することに力を注いだ結果、詭弁を弄することに。
ソフィストの代表が前述のプロタゴラスでした。
一方、対話によって絶対的な真理を目指そうとしたのがソクラテス。
そして、対話編でソクラテスの口からソフィスト批判を展開したのがプラトンだったのです。
プラトンは、船員が「航海術など存在しないと信じている無能者」=「操舵手を役立たずのスターゲイザー(星をただ見つめる者)として扱う愚か者」ばかりの船のように、デモクラティア(民主制)というものは無知で貧しい人々に迎合することで善良な統治を破壊する「見かけ倒しの発明」=「劇場支配制」と言いました。
うーん、納得。
だって、民主制とは、大衆が永久不変の政治法則に逆らってあらゆることに口を出す資格を得ることですからね。
もし、政治の舞台に詭弁を弄するソフィストが現れるとどうなるでしょう。
そうです、公共の利益を守るという美辞麗句で大衆をそそのかし、力のある者が無法者のように振る舞う統治=独裁が可能になりますよね。
誰にでも優しくほほ笑みかけて、自分が独裁者であることをひた隠しにしながら、持てる人々から財産を取り上げ、大部分を自分で着服しながら、残りを民衆に分配しつつ、民主制を廃止するのが独裁者。
次に、独裁者がやることと言えば、民衆が指導者を必要とする状態におくために絶えず戦争をしかけ、有能な人材を粛清すること。
プラトンにとって民主制とは、人民が支配しているように見えながら、実際には支配されている偽りの政治だったのです。
オイラ、民主制を否定しているのではありませんよ。むしろ、民主制の危険性を知った上で民主制と向き合うべきと言っているのですから、誤解のないように。
「トップが率先して派閥解消のために選挙制度を取り入れた会社」と「派閥を作らないためとして、規約に記載されている選挙を否定する人がトップの組織」、信用がおけるのは、さて、どっち?
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