JR北海道の消えた名技術第1回 DMV
JR北海道は、近年JRグループの中でも特に経営難となっており、観光列車縮小や一斉駅廃止、路線のバス転換の提案なども行われています。
そんな同社はつい最近まで全国屈指の技術を持っていました。このシリーズでははそんな消えたJR北海道の素晴らしい技術と今もある素晴らしい技術を解説します。
DMVとは?
・・・正式名称はデュアルモードビークルです。バスと電車を合わせたものです。車輪とタイヤを両方搭載し、格納をすることで道路と線路を両方走れます。地域公共交通の活性化及び再生に関する法律にてこの車両に関する規則が定められています。
どんなメリットがあるの?
・・・北海道は近年車社会になっており、鉄道は窮地に立たされています。そこで、バスとして駅から離れた集落や街を回りお客さんを集め、駅からは車輪を出して鉄道となり高速で安定して大都市へ向かう列車を作れば、大変便利になり危機も救えます。さらに地方の利便性向上による活性化も見込めます。実際に、2008年にグッドデザイン・サステナブルデザイン賞を受賞しています。サステナブルとは持続可能と言う意味です。
デメリットは?
・・・車両の重量が軽いため、雪の多く降る地域での走行には向いていません。そのため道内で運行できる地域は限られます。またバスですので当然定員は少ないです。
導入予定の路線はどこだった?
石北本線や釧網本線が有力でした。また、夕張市でも導入を検討していたようです。
その後2016年の台風で被災した日高本線では、この方式による復旧が検討されたそうです。
さらに、JR北海道による技術提供で、南阿蘇鉄道・天竜浜名湖鉄道・津軽鉄道・明知鉄道・岳南電車・阿佐海岸鉄道でも導入が検討されていました。
なぜ実現しなかったの?
・・・石勝線火災事故により、JR北海道は安全性への対策を強化することになり新型車両の開発どころではなくなってしまいました。2015年の実用化も計画していたようですが結局この計画は頓挫しました。
導入予定だった路線のうち、夕張線と日高線の被災区間は結局廃止されてしまいました。その他の路線でも厳しい状況が続きます。
その後四国の阿佐海岸鉄道がこちらの計画を引き続き、何度かの延期を得て2021年度中には開通するようです。
既に阿佐海岸鉄道の通常列車の運行が終了しており、現在は休止中です。YouTubeの情報によるとすでにアプローチ線建設も終了しており、車両も完成しているようです。開通が楽しみですね。
参考
Wikipedia
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%83%A5%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%93%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%AB
夕張市の資料
https://www.city.yubari.lg.jp/gyoseijoho/iinkaishingikai/koukyokoutsuukyogi/h24kotsu.files/02shiryo03.pdf
JR北海道の公式資料
https://www.hkk.or.jp/kouhou/file/no525_chiiki.pdf
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