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新人看護師とクエチアピン(彼氏)

皆さんはクエチアピンという薬をご存じですか?
ひたすら叫び続ける患者を一晩中看護する地獄に身を投じている方なら、ご存じかもしれませんね。
クエチアピンとは抗精神病薬であり、統合失調症の治療などに使用される薬剤です。
初めまして。酒井 なおと申します。病棟看護師をしています。やめたいです。

叫び続ける患者たち


私の働く場所は急性期と名の付く病院なわけですが、実態はほぼ老人ホーム。日々ご老人たちの叫び声が聞こえる地獄が広がっています。
暴れて転んで怪我をして、抑制された男は叫び、自立の患者が怒鳴りつけに来る。
それを必死に止める私たち看護師。手に負えない。
叫び続ける患者の感情の爆発を抑えるべく、満を持して処方されたのがクエチアピンという薬だったのです。

気づけば私も……

日々認知症や精神疾患、せん妄と格闘し続けるうち、
気づいた頃には、数少ない憩いであったデートの度に、辞めたいと叫び号泣していました。
元々情緒不安定な私を、看護学生時代よりもっと前から支えてくれている彼氏も、その異常さに困惑するほど。
それでもめげずに私のメンタルを看護師続けた彼氏!
なんとか1年目を乗り切った私は振り返り、私の精神安定剤となっていた彼のことをクエチアピンと名付けこのnoteに登場させることにしたのです。

切っても切れない存在だから。

そもそも私の人生を語ろうという上で、クエチアピン(彼氏:以後クエ君)の存在は外せません。
これまでの話でも、これからの話でも登場しないことの方が少ないはず。
初めのnoteは彼のことを話そうと決めていました。
こんなところで自己紹介代わりの初noteとさせてください。

毎日辞めたい。そんな仲間へ。

辞めたい。辞めたいよね。新人のみんな。
再来月にはもう新人看護師の座を後輩に明け渡すんだよ?
信じられる?無理だろ。
愚痴ろうよせめて。
ナイチンゲールじゃないんよ我々は。
支えてくれる人でもいないとさ、やってらんないでしょって話しよ。
生きようぜ強く。時には逃げつつさ。
それじゃ、明日も日勤なんで。おやすみなさい

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