Umschulungに出たときの話

職業関連ドイツ語教室など通って就職を考え始めた頃、ドイツって日本以上にきっちりとした資格・証明書重視の国だなぁって辟易とした。そこで一つの解決策として、Umschulung(職業転換訓練)の学校に通ったんだよねぇ。その話を。

Umschulungって何?

職業転換訓練、っていうちょっと無理くりな訳語の通り、新しい職業資格を取りたい人、これまでの仕事を体を壊してやめざるをえず、他の職業に就きたい人、当時はArbeits Argentur(ハローワークみたいなところ)から送られてきている求職者、専業主婦から仕事に就きたいって思ってる人、資格・教育を受けなおしたい人が各専門コース、介護事務、総合職、専門職、不動産仲介業、英語、簿記、就職活動ノウハウなど(って私の行ったところはそんな感じ)を学ぶ。

対象は成人。

ハローワークみたいなところから送られてきた場合、無料。そのからくりは、政府はこういった学校に行ってる人を、失業カウントしないので、失業率をごまかせる、という訳。

期間は、途中2回(3か月と半年)の実地研修もあり3年間。卒業試験も一応ある。(試験結果は、就職活動の際効力なし。なのにクラスメートはカンニングの嵐だった。)

その後公的な資格試験を受けるか受けないかは自由。

クラスメートはどんな人たち?

先にも書いたけど、ドイツは学歴社会、資格社会なんですわ。何かを初めて、終了していないとかなり苦労するのです。私は早くに家族を持ったので、日本の有名大学に入ったものの、出ていないのでドイツではダメダメ。

上記で述べたコースの人がミックスになって午前中コースと一日フルコース、それぞれ一つのクラスを編成してた。スタートした時期によって、1年生、2年生、3年生、って感じかな。間に2回実地研修に出ちゃうので、常時いるのは2学年のみ。専門の授業だけは2学年一緒に授業を受ける。

クラスメートには、ギムナジウム出身は見事に一人もいなかった。
きれいに元Realschuler, Hauptschulerの皆さん。
ラインで働いてたけど、椎間板ヘルニアやってこれまで通りに立ち働きはできないという男性たち。高校以下の学校を中途で終わらせてしまって今に至りなんとかしたい人。後は私のような外国人。

最も役に立ったこと

1.簿記だな。面白かった。ここでは決算書のまとめ方、給与明細の作り方などやったんだけどさ。その考え方とか言葉とか、その後の仕事で理解するのに大変役に立った。

2.私にとって、初めてのドイツ語の社会だった。
クラスメートと話すのはいいんだけど、授業中の発言がなかなかできない。クラスメートにも、Garrrはこうやって話すのは普通なのに、なんで授業になるとって不思議がられた。

クラスにはロシア人で、堂々と単語並べるドイツ語を話すやつがいて、内心このレベルのドイツ語で?って思った。ドイツ人は方言の人がほとんどだったので、ドイツ語も聞き取るのが難しかった。

結果、この集団の中で、Artikel(冠詞)なんて大事じゃないんだ!って学んだ。外国人ドイツ語でも問題ないじゃん、(私外国人だし)って少し割り切れたかな。

3.研修先は自分で探すので、とにかく度胸がついたと思う。応募して応募して応募して・・・。面接受けまくって・・・。落ちまくって(;'∀')

今への影響

あの時に習った事で今直接役に立っていることは特にないけど、公的資格試験を受けたので、資格だけは履歴にかけるので確実に役に立っている。あとは培った度胸?度胸はあの時から積み立てて来たと思う。

あの時間の過ごし方から、少しずつ社会に慣れていったのだと今は思う。
買ったばかりのGuessのコートをハサミで切られたこともあった。そんなことされたの初めて。学校への道筋で落とした車のカギが学校のオフィスに届いていたこともあった。(誰が届けてくれたんだろう??)クラスメートの女性同士が、風邪をうつした、うつしてないって事で「デュエルだ!外に出ろ!」ってなったということもあった。ドイツの人たちはグループで勉強するのを見て、あれで覚えられるのかな?って思った。口で言うほどみんなできる・すごい訳じゃないんだな、って思った。

とにかく、面白かった。