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2024年1月に読んだ本

 こんにちは。

 もう2月が終わろうとしているんですがタイトルに偽りはありません。

 ということで2024年1月の読書記録です。


1. 怖くて眠れなくなる植物学

 以前紹介した面白くて眠れなくなる植物学の著者による著作で、植物の「怖い」側面にスポットを当てて紹介する一冊。
 「怖い」という言葉には様々な意味・側面が含まれるかと思いますが、今作は植物のそういった色々な意味での「怖い」側面を浮き彫りにしていくような内容でした。
 一部の内容が面白くて眠れなくなる植物学と被っていたりもしたのですが、純粋に恐怖感を覚えるものから、解説を見て恐ろしさに気づくもの等、「怖い」に絞りながらもバラエティに富んだ内容で飽きが来ないのが良かったと思います。
 ただ、電子書籍(Kindle)版だとレイアウト崩れが結構激しく、一部読みにくかったり挿絵の位置がおかしくなっていたりするのがちょっと残念ではありました。 

2. 新版 ウイルスと人間

 ウイルスとはどういった生命体なのか、動植物との関りはどうなっているのか、人間はそのウイルスとどのような関係性をもってきたのかといった、ウイルスに関する幅広い内容を分かりやすく解説した一冊。
 ウイルスにもいくつかの種類がある、様々な生存戦略を持っていて宿主と敵対するものから共存を選ぶものまで幅広い種類がいる、などの知っているようで知らなかったウイルスの実態を知ることができて見識が広がる内容であったと思います。
 細菌学からウイルス学へとどのように研究が発展してきたかや、かつて研究者たちがどのようにウイルスを発見し対策を講じてきたかなどは非常に興味深く感じました。
 COVID-19の流行を受けて加筆された部分もありましたので、今一度ウイルスというものを学ぶためにも良いのではないかと思いました。

3. ニワトリ 愛を独り占めにした鳥

 タイトルに惹かれてライブラリ入り。
 進化生物学の観点からニワトリの歴史を辿っていくという内容が主軸の本、なのですが途中途中で解剖学的な見地からの解説が入っていたり、現代の食肉・鶏卵品種の改良にかかる歴史を顧みたり、民俗学・風土的な視点からニワトリとの関係性を考察してみたりと特定の分野からの視点に限られないニワトリの総合商社みたいな内容でした。
 印象的だったのは「心のエネルギー」という概念。ニワトリと人間との関係性は必ずしも(自然科学的・人間経済的な)合理性のみに支えられたものではなく、当時その場の人々が何を拠り所としてニワトリにそれを求めたか、という観点からの推察・考察は著者の見識の深さを垣間見られる一節であるかと思いました。
 惜しむらくは本筋とは関係ありそうで関係ない、現在の研究環境や行政に対しての意見を表明されている箇所がいくつかあったところ。そこそこ率直な内容となっているので賛否呼びそうだなと感じてしまいました。ただ個人的には著者の研究者としての矜持のようなものが感じられるので結構好きだったりします。

終わりに

 そういえば2024年に入って初更新だったのですが今年もこんな感じのペースでやっていければと思います。

 それではまた。


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