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現場でデキる、マルチカメラ撮影のかんたん同期合わせ!

いまや、世間では「GoPro」などを複数台用いて撮影することも多くなってきました。ウェアラブル全版のシェアはトップ独走と言っても過言ではないでしょう。

さて、GoProでもそうでなくても、マルチカメラ撮影ではそれぞれをパラ撮りした後に 「映像クリップを同期させる」という編集をしなくてはいけない。そういった際に便利な同期合わせの方法を紹介しようかと思います。  


全てのカメラを自分に向けて撮影をスタートさせる

例えばカメラ(この章では小型カメラを前提とします)を10台使うとします。

10台とも自分自身(他に人がいればその人でもOK)が映るように調整します。そして録画をスタートさせる。全てのカメラには「自分が映っています」。

そして「手をすばやく1回叩く」これでOKです。

何回も叩いてはいけません。各カメラを編集タイムライン上のトラックに並べたときに 「手が重なった瞬間」で合わせるためです。

そして、手が合わさった位置でカットします。ここの位置をクリップのIN点。

後はそれぞれのカメラも同じようにカットしていき、10本分のクリップの先頭を垂直に揃えてあげる。これで同期の完成。

一つ気をつけなければいけないことは、手を叩いた時の音声波形(Waveform)で合わしたりすると、うまく合わない場合があります。 カメラ位置によって音の収録に差が出るからです。

音声を使用する場合は被写体に一番近いカメラ音声を使いましょう。

他にも「カチンコ」や「デジカメのフラッシュ」でも代用できますが、手っ取り早いのは手を叩くこと。他に道具を必要とせず一番簡単です。

 

マルチカメラの基本は撮りっ放し

撮りっ放しとは撮影したまま一切カットしないといこと。カットをしてしまうとクリップの長さが変わってしまい、録画開始から録画停止まで同期できなくなってしまう。

今のメモリーカードは設定次第で何時間も撮影できるので、心配せず撮りっ放しにしておこう。

 

スイッチャー使用時の同期合わせ

スイッチャー自体はデジタルフレームシンクロナイザーなるものが実装されてるので複数台のカメラを入力しても自動で同期がとれて、マスターに合成した映像を記録できます。 問題はそのマスターを修正する場合です。

例えば吹奏楽の撮影で2人のソロが演奏しています。スイッチャーは間違えて1人だけをマスターに入れてしまった(もう一人演奏しているのに)。 そこでカメラマンがパラ撮りしていたもう一人のソロ演奏をマスターにインサートしたい。

こういった時にマスターとパラ撮りした映像の同期をとるわけです。 その、簡単な方法は「マスターにパラ撮りカメラのカラーバーを入れてあげる」です。

マスターも各カメラのパラ撮りも録画開始します。4台カメラがあるとします。

● マスターで1カメを選択(テイクされてるのは1カメの映像)
● 1カメのカメラマンはカラーバーを出力する。そしてカラーバーをオフ
● あとは、2,3,4カメとも同じことを繰り返すだけ

こうすることでマスター収録されている1カメのカラーバー切り替えとパラ撮りのカラーバー切り替えを目印として、クリップ同士のIN点を容易に設定することができます。

後は、お互い撮りっ放し撮影なので、マスターの任意の場所を探し、パラ撮りカメラの映像をインサートするだけ。

もし、カラーバー出力が無い場合は画面に手を出して、すばやく引っ込める・・というのも分かりやすいです。

しかし、2時間以上も撮りっ放しで、且つ、メーカーや記録フォーマットが違うカメラなどは注意が必要です。カメラの内部タイミングがあるからです。

同機種以外で2時間以上回し、最初と最後が1フレーム以上誤差があるのはあたりまえ。

正確に1フレーム単位で同期をするなら、同メーカー・同機種でのマルチカメラ撮影をおすすめします。

ここで注意点。 前記にもありましたが、クリップの音声(波形表示)で同期をとるのはオススメできません。

マスター音声とパラ撮りマイクではマイク位置が違うからです。

会館の吊マイクをマスター音声にする場合、発生音とマイクまでの距離が短い。

一方、1カメが後方座席だと発生音とパラ撮りマイクまでの距離が長くなり、マスターとパラ撮りマイクに誤差が出てしまう。「音速」ってヤツです。  


編集ソフトの同期機能は信用するな

編集ソフトの同期機能の多くはタイムコードや音声波形で行うのがほとんど。これだと正確にGENROCKされていない映像クリップや前記で書いた音ズレなどは無視されがちである。

あくまで目安としての同期機能だということを知ってほしいです。人間の目が一番信用できる。

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