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「ちょっと、ごめん」が言えなかった息子へ伝えたいこと


息子が歯みがきしないまま、学校へ行ってしまった。

ボクが洗面台の前で、うすくなってきた髪をドライヤーとハードスプレーで必死にセットしている姿を見て、邪魔をしたらいけないと思ったらしい。

息子よ、その優しさと気遣いはありがたいよ。

だけど、一言「ちょっと、ごめん  歯みがきさせて。」と、声をかけてほしかった。

いくら我が家のせまい洗面台でも、ちょっとボクが横にズレたら歯みがきをするスペースはつくれたはず。

べつに歯みがきしなかったことを、責めるつもりはないんだよ。

ただ、自分の気持ちを相手に伝えることが、苦手な大人にならないか心配になったんだ。

ボク自身が社会生活の中で自分の気持ちを伝えるのが苦手だから、こんな考えが頭に浮かんだのかもしれない。

小学生の頃から、周りの反応を気にする癖があり、成長するにつれその気質は強くなっていったと思う。

友だちと集まり話すときも「こんなこと言っても面白くないだろうな」とか、「みんなが理解できる共通の話しをしないといけない」と考え過ぎて、けっきょく何も話せず笑ってるだけだった。

自分が我慢をして、その場がやり過ごせたら、それでいいと思っていた。

「愛想笑いしかできないヤツ」というのが、旧友たちのボクに対するイメージだろう。


だから、息子も……と、勝手に想像してしまう。

いらない心配だということはわかってる。

でも、これだけは伝えたい。

自分の人生の責任は、自分でとるしかないよ

たまたま今日だけかもしれないし、ただ時間がなかっただけかもしれない。

一回ぐらい歯を磨かなくても、何も変わらないって思うだろう。

確かに、一回ぐらい歯を磨かなくても大きな問題にはならない。

でも、小さな今の積み重ねが、未来の大きな違いを生むんだ。

息子よ、君の優しさは素晴らしい。

その優しさを発揮するのも大切、時には自分に必要なことを主張するのも大切。

人生では、自分の気持ちや考えを伝えなければならない場面が必ずやってくる。

それは友達との関係だったり、将来の仕事場だったりするかもしれない。そういう時、自分の思いを言葉にして表現できる力は、とても重要になるんだ。

だから、今からその練習をしてほしい。家族の中で、安心して自分の気持ちを伝える練習をしてほしいんだ。

ボクも一緒に頑張るよ。自分の気持ちを伝えるのが苦手だけど、少しずつ変わっていくつもりだ。






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