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イヤイヤ期とプチ反抗期と、それに連なるあれこれと。

イヤイヤ期、という言葉がある。
2歳というと、大体挨拶代わりに「あー大変ですよね、イヤイヤ期」と言われる。
このイヤイヤ期、当たり前だが2歳の誕生日に始まって3歳の誕生日に終わるわけではない。
1歳半を過ぎたあたりから萌芽があり、2歳前後で花開き、ピークは人それぞれ、そのままプチ反抗期になだれ込み(魔の3歳とも言う)、そのうち何となくあれ? 最近ちょっと扱いやすくなった、かな? そうでもないかな? という感じで収まっていく。
ちなみに収まったところで天使の4歳(あるいは5歳)になるわけではなく、最近素直かな? と、おい最近扱いづらいな? が波のように続いていく。

さてこのイヤイヤ期、何に顕著に表れるかというと、写真。
それまでは天使の笑顔で写真に収まっていた我が子が、ある時期から笑顔を見せなくなる。
そっぽを向き、変顔し、ふくれっ面、カメラを睨みつける。
我がムスメも1歳半まではそりゃもう可愛くてたまらない、極上の笑顔を見せていたのに、1歳7か月で号泣&地面ローリングからの抱え上げられてビチビチ跳ねる(「獲ったどー!!」)見事なイヤイヤっぷりを披露してからというもの、笑顔の写真はついぞなくなり、4歳を目前にした最近まで戻ってこなかった。
子供の笑顔が撮れない期間、めっっっちゃ長いのである。

ながーいイヤイヤ期からのプチ反抗期、どの時期でもしんどいのには変わりないのだけれど(私は毎度ストレスで太る)、ざっくり分けると2歳頃のイヤイヤと3歳頃のイヤイヤがあるように思う。

2歳頃は、世界はなぜ俺に私に屈服しないのかという、「世界vs俺もしくは私」の無理ゲーイヤイヤ。
もう説得しても伝わんないし子の言ってることもよう分からんし、大声出され泣き喚かれ暴れられ、「お母さんだってやだーーー!!」って泣きたくなる。そりゃ泣く。泣いていい。私が許す。

それが3歳頃になると、まあ世界が屈服しないのは分かってきたんだけど、まだ自分とあれこれすり合わせるのは無理っす分がんねっすママパパなんとかしてくれっすうぎゃああ、みたいな、ちょっと人間味出てくる。
人間味出てくるんだけど、まあどこで地雷踏むか分かんないから「靴は履かせていいの? 自分で履くの?」「リュックは自分で持つの? お母さん持つの?」「上着は……ああー自分でチャック締めたかったのね、ああはいはい、じゃあもう1回脱いではいもう1回着るとこからやればいいでしょああもう!!」みたいな、もう全部お伺い立ててね、ママ友は「奴隷だ」っつってたよね。
この頃には子供と世界というか、世間とのすり合わせもしないとならなくなってきて、しつけとかマナーとかそういう諸々、それにも心を砕かねばならない。

で、この3歳前後の時期、多くの子に訪れるのが「就園」。
幼稚園に入る、あるいは保育園で乳児から幼児に進級する。
それとともに「オムツはずれ」と「お支度」っていうミッションが発生する。
「オムツはずれ」については別で書きたい。
そりゃもうはちゃめちゃに苦労したから。聞いて。誰か聞いて。浄化させて。

もう1つのミッション、「お支度」。
これにもずいぶん苦しめられた。
もうホントね、これこの時期にできるようにならないとダメなの? 本当にダメなの?って思った。
保育園の朝のお支度、うちの園はこんな感じ。
1.リュックから連絡帳を出して提出
2.着替えを出して引き出しにしまう
3.手拭きタオルを出して自分の場所にかける
4.リュックと帽子を棚にしまう
5.トイレを済ませる
6.手洗い、うがいをする
できる子は、流れるようにさらっと済ませられるよ、そりゃ。
でもできない子は、できない。
うちの双子はできない子たちだった。

どうできないかというと、まずやる気が出ないからごろーんだらーんと寝転ぶ。
それをおどしてすかして、おだててみたりくすぐってみたり、あの手この手でどうにか動かして、言いたくないのに「早くしなさい!!」「お母さんもう会社行っちゃうよ!!」
「できない子」の親は辛い。
周りの子はささーっと済ませてお部屋に入っていくのに。
他のお母さんの、いつも大変ねえ、の視線を背中で受けて。
どうしてうちの子はできないんだろう。私がしっかりしていないからか。
あのみじめさ、焦り、苛立たしさ。
もちろん、子供に対してではなく、うまくできない自分に対して。

うちの双子、当時は本当に発達が遅れていた。
発達障害は「疑いあり」のグレーゾーン。
お支度もね、できなかったのは多分、手順が覚えられないとか、うまくできるか自信がないから取り組みたくないとか、色々理由があったんだと思うんだよね。
もうちょっとうまく支援できたんじゃないかって、今なら思う。

それに対してムスメは寝っ転がらないし、手洗いうがいもちゃんと行く。
受け渡しでぐずって泣いたけど、最近はそれもおさまってきた。
もうそれだけで「天才!!」ってなもんだけど、そのムスメをもってしても牛歩戦術を試みてみたり、一度入ったはずのお部屋から脱走してきたりなんてことはしょっちゅうある。
登降園時に歩かず、ずっと抱っこだったりとかね。
口は達者で頭もキレるけど、やっぱりまだまだ気持ちのコントロールは難しい年頃なんだなーと思う。

で、これは楽になる時が来るのか。
結論から言うと、来ました。あなたのところにもきっと来る。いつかは分かんないけど。
「それが知りたいんだよ!!」っていう叫びが聞こえてきそうだけど、こればかりは子供によるので何とも言えない。
うちの双子は、2年間の積み重ねがようやく実を結び、年長になったら一人で支度できるようになりました。
まあ年中の後半からできてた気もするけど、「しっかりしなきゃ」っていう自負が感じられるようになってきた。

お支度もだけど、イヤイヤ期からのプチ反抗期に関しても「きっといつか抜け出す日が来る」としか言えない。
あれ、最近素直な瞬間あるな? と思ったら、笑顔の写真が増えてきたら、出口が近いサインかもしれない。 

3人やってみて今4人目がイヤイヤ期を目前に控えているけれど、私が掴んだコツなんて
・親のペースで進めようとしても無駄
・時間の余裕は心の余裕
・親だって人間だから、自分が害されれば(子供の振り回した物が当たったとか、睡眠時間が取れないとか)イラッとして当然
・でも我々大人には理性というものがあるので、虐待はダメゼッタイ、カッとなって怒ったら後で謝ろう
この程度。
次のイヤイヤ期もきっと太る。

今大変な思いをしている同士たちよ、しんどい気持ちは吐き出せていますか。
私は送り迎えを始め、すべての育児を一緒に行ってくれる稀有な夫に恵まれたので、夫に全部聞いてもらいました。
その夫が「年少からの2年くらい、お支度めちゃめちゃ苦労したけど、今朝ふと楽になったなーって思ったよ」と言っていました。
そして「今めちゃくちゃ大変でも、きっとそのうち楽になったなーって日が来るよって誰かに伝えたいね」と言われたので、これを書きました。

お母さんだってお父さんだって、泣いていいし怒っていいし、グチっていいしいつも笑顔でいなくてもいいし、太ったって痩せたっていいんだよ。痩せるのはちょっと心配だけど。

誰でもいいから聞いてもらって、美味しいもの食べてできるだけ寝て、そうしてどうにか1日1日乗り越えよう。
可愛い我が子が、満面の笑みで再び写真に収まってくれるその日まで。

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