「人生100年時代」と「人生でやりたいこと」をうまくマッチングすることができるとしたら、おそらく、その人達は幸せな人生100年時代を過ごすことができるのではないか。

 昔の話で恐縮であるが、IT業界は「3K」と呼ばれていた時代がある。「3K」とは、「キツい・帰れない・給料が安い」の頭文字を略した造語である。最近では「ブラック企業」とも呼ばれたりするのかもしれないが昔とは中身が違う気もする。

 かくいう私も「2K」までは体験したことがある。「キツい・帰れない」である。幸い3つ目の「給料が安い」は避けることができたのだが…。

 一番多忙を極めていた仕事においては、余りにも深夜残業と休日出勤が日常化したために、1ヶ月の残業時間が200時間位だったと記憶している。当時は、1ヶ月の給料のほうがボーナスより高いという状況である。こういう異常事態になると、ボーナスよりも、とにかく一秒でもいいから休みが欲しかった。とにかく、会社のイスではなく、自宅の布団でゆっくり睡眠をとりたかったものである。

 こんな時代を経験した流れから、別の業界へ転職して、人間的な生活を送りたいと思うようになるのは、いたって当然であろう。

早く人間になりたかったのだ。

 それゆえに、転職フェアや独立起業フェアなるものに、片っ端から参加しまくっていたこともある。

 また、さまざまな異業種や異職種について、調べたり、高額な社会人スクールに通学したり、独学で勉強してみたりもした。例えば、キャリアカウンセラー、WEBデザイン、行政書士、社会保険労務士、ほか。

 その際に、いろいろな専門書、ネット記事、スクール講師などを利用して、わからないことを調べまくったりした。

 本はとにかく沢山、買った。数百冊を軽く超えるレベルである。全部、足したら相当な高額出費である。

 もちろん、必要経費であり、自分にとっては前向きな行動ではあったのだが、あの時、もっと便利なサービスが存在していたら、無駄に高額なお金を払うことも、悩む時間もなかったのではないかと思う。

 話は横道にそれるが、起業して大成功している偉い人のほとんどが、「やりたいことや好きなことを仕事にしたほうがよい。そのためには、とにかく行動力が大事。今すぐ試そう。リスクを取ろう。失敗しながら続けよう!」と言う。

 だがしかし…である。そもそも、人生をかけて「やりたいこと」が明確になっている人が、今の日本にどのくらいいるのだろうか?

 学生を卒業して企業に就職し、サラリーマンとして仕事を与えられる人生を歩いてきた多くの大人が、人生をかけて「やりたいこと」をすぐに見つけられるのだろうか?

 少なくとも、私はすぐには見つけることができなかった。それゆえに、転職フェアや独立起業フェアをハシゴしたくなったわけである。

 昨今、「人生100年時代」という言葉ばかりが先行している気がするのは、私だけだろうか?

 この100年という時間軸を、昔のような、終身雇用、60歳台で定年退職、定年後は退職金と年金で悠々自適な人生を過ごす、という人生のパッケージに当てはめるのは、非常に無理があるのでは?という事実は、すべての大人が理解していると思われる。

 では、この「人生100年時代」と「人生でやりたいこと」をうまくマッチングすることができるとしたら、おそらく、その人達は幸せな人生100年時代を過ごすことができるのではないか。

 そのためには、サラリーマン人生を歩んできた大人が「各自の人生でやりたいこと」を見つけられるようにすることが、これからの時代に求められる重要テーマではないだろうか?

 これを、具体的に実行していくためには、しっかりと自己分析をする、世の中のさまざまな業界や職業を実際どうなのかというレベルまで知る、ということが必要ではないか、と私は思う。

 今後、そのような活動を1つのWEBサービスとして立ち上げられたら、昔の私のように無駄なお金や時間の浪費をしたり、何も知らないまま現実離れした根拠のない期待を胸に、無謀な挑戦をすることも、なくせるのではないか?

 リスクというのは、ある程度、計算できた時に初めて、リスクを取って挑戦することができると思う。よって、「リスクの見える化」が必要。ある程度、見えれば、少しずつ挑戦していく道筋が開けるのではないか?

 そのような、方向性を考える手助けができるWEBサービスをつくりたい。昔の私が喜ぶようなWEBサービスを提供したい、そんなことを、ふと、思いたち、久しぶりにブログ記事を書かせて頂いた。

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