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私と不妊治療と流産と

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自分の4年間にわたる不妊治療・2度の流産・不育症にまつわるエッセイのようなもの
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#花

不妊治療で病んだら植物を育てよう

この行き場を無くしたあふれる母性をどうすればいいのか?不妊治療中、メンタルを病む人は少なくない。3年間ずっと不妊治療中の私もそのひとりだ。 がんばっても一向に終わりが見えない。私がはまっている不妊治療という沼を、周りはあっけなく通り過ぎていく。それがたまらなく虚しい。 そんなとき救いを求めてペット飼う人は多い。無論、幼少期から猫を飼っていた私は大賛成であるが、植物を育てることも同じくらい有力な候補に挙がってもいいと思う。 私は不妊治療でどうしようもなく病んでいた頃に、ほ

その繁殖力、分けてくれ

不妊治療をしながらガーデニングしていると、「その繁殖力、分けてくれよ!」と羨ましく思う場面にたくさん遭遇する。 最たる例が多肉植物だ。 親株・子株と呼んでいるが、簡単に言うと、彼らは自分の体に子どもを産みつける。 もちろん水やりなど毎日お世話をして、親が立派に成長した上で子どもが誕生するのだが、にしても、ものすごい繁殖力。 しかも、子どもは1人や2人ではない。こちらの子宝草は文字どおり子宝に恵まれ、1つの親の葉から何十人も小さな子どもが生まれる。大家族だ。 なんて羨

植物も"人工"授粉するんだってよ

植物を育て始めてから驚いたことがある。 なんと彼らは人工授粉するのだ。 本来「ポリネーター」と呼ばれる蜂などの虫によって植物は受粉する。ポリネーターとは、植物の花粉を運んで受粉させ、花粉の雄性配偶子と花の胚珠を受精させる生物のこと。 たとえば、イチゴは雌しべと雄しべが隣り合わせにあるから、綿棒やブラシでちょんちょんと触ってやると、人工的に授粉させることができる。やがてイチゴの実をつけてくれる。 実際に自分で人工授粉をやってみると、あまりの簡単さに拍子抜けする。 ・・

365日でたった12回

1年は365日ある。 そのうち妊娠できるチャンスは最大でもたった12回しかない。どんなにあがいても12回だけだ。 しかも、その12回は自分で日程をコントロールできない。ホルモン周期によって体が勝手に決めてしまう。 そのうえ、1回ずつ確実に卵子も精子も老化していく。妊娠率は下がり、流産率は上がる。やがて卵子の数が底を尽きれば、妊娠できる可能性がゼロになったことを意味する。 この事実があまりにも重い。 高校球児が一球入魂するように、私は1回1回のチャンスに人生をかけてい

自己紹介

私にとってガーデニングとは命を育てることであり、癒しであり、自然との接点でもあり、そして、芸術活動である。 育つ過程を撮るのが好き花が満開のもりもり写真もかわいいけれど、新芽がでた!とか、気づいたら枝がめっちゃ伸びてる!とか、育つ過程に喜びを感じるタイプ。 つぼみ偏愛つぼみには最高の「ワクワク」が詰まっている。明日はこのつぼみが開くかな?どんな花が咲くのかな?(つぼみ図鑑シリーズ動画更新中) このnoteで書くこと・日々のガーデニングにまつわるあれこれ ・不妊治療、流