薇仕掛け

足跡に
冷たく灯った紫陽花の隣には
こくこくと
煤けた喉奥へ染み込む慰め
読めない曇り空
遅れん坊には無縁の定期便
使わずのまま
今は濁っている
あのとき
千切れた
水溜まり
青く睨んだ一計を紐解いた、
終わりの前の浮遊が
残り数回
捻れて
告げる
送る音、返す音
一秒の長さは
取り替え出来ない無意識を流れた
大きく
遠く
離れてゆく
再び
相見えること
恐らくは
許さないように


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