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家計の守り神となるFPの積極的・継続的活用法 (03)

ファイナンシャル・プランナーとは③

シリーズ連載、ファイナンシャル・プランナーの積極的・継続的活用法。

昨今では様々な媒体で見聞きするようになってきた感のある FP ですが、その得意分野や活躍シーンの広さなど、日本における正確な社会的認知はまだまだと感じます。
そこでこの連載では、FP がどのような場面で消費者の悩みを解決する為の支援が出来るのか、だけでなく、FP が持つ専門性を最大限に活用する上で、相談する側があらかじめ得ておきたい知識についても丁寧に解説していきたいと思います。


お待たせしました。今回は FP が果たして何者であるか、についての最終回となります。
過去2回では、FP が具体的にどういった専門知識を得ており、そして消費者が FP の知見を有効活用出来る機会は少なくないことを説明してきました。

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今回は日本国内における FP がどのような立場で活動しているか、その現状についてお話していきたいと思います。

ファイナンシャル・プランナーの本質的な役割は、主に一般家庭の収支を対象に、それを良い方向へ改善するための支援をすることです。

前回も触れた通り、国家資格をパスした FP が得ている金融知識は、大別して以下の6分野となっています。

  1. ライフプランニングと資金計画

  2. リスク管理(保険)

  3. 金融資産運用

  4. タックスプランニング(税金)

  5. 不動産

  6. 相続・事業継承

繰り返しになりますが、上記は全て、相談者の家計を “良い方向へ改善” するため、具体的な方策を打ち出すのに有用となる知識です。

家庭の収支(=家計)を “良い方向へ改善” するというのはすなわち、日々の積み重ねで生じる支出は少しでも少なく、逆に収入は少しでも大きくする、ということですね。

より良く改善を行っていく上で、資金 “計画” を立てることは最も有効な進め方ではありますが、それは6つに分かれたうちの一分野に過ぎません。
ですから、②~⑥の知識差が大きく影響するような選択の分岐点を迎えた時に備え、FP は身近に置いて支援させた方が “大外しが無い” ことをお伝えしました。

ここまでの内容は言わば、過去2回のおさらいです。

それでは、です。世のファイナンシャルプランナーを名乗る人達は本当に、相談者の家計改善を目的に門戸を開いているのでしょうか。

我々が通常、最も関わりやすいと思われる FP はどこにいることが多いでしょう。
FP という言葉を一般的にしたのもこの流れからですが、多くの方は保険の見直し窓口を思い浮かべるのではないかと思います。
その名の通り、加入している保険の “見直し” を、無料で手伝ってくれる相談所です。
ここで話を聞いてくれる人が FP であるとすれば、その “見直し” とはつまり、その家庭の家計を “良い方向への改善” に導くものであるという期待が高まります。

しかし、このシチュエーションで訪問者を待つ FP は、純粋な “相談員” では無く、“営業の方” であることを忘れてはいけません。
冷静に捉えるべき事実として、彼らの “絶対” 目標は売上を上げること、つまり保険商品を販売することであり、訪問者の家計改善はあくまで “努力” 目標に過ぎないのです。

もちろん、こういった類の窓口で相談~見直しを行った結果、単に不要と思われる保険の解約を行うだけで話が纏まるケースも無くは無いでしょう。
最近は企業を取り巻く環境も色々と厳しくなっていますから、ただ次々と契約が取れていれば良い、というような短絡的なやり方では持たないと、どの会社も気づいているわけです。
人口減少が続く日本では、保険業界においても例外なく “限られたパイの奪い合い” の様相が明瞭になっており、統合や過剰な備えを除くなどの見直しを経た結果として新たな保険にご加入頂くという、品質的に従来より一歩進んだサービスの駆使で成果を上げようとしています。

それでも彼らのパフォーマンス評価は、訪れる顧客の家計改善の度合いでは無く、あくまで勝ち取った保険契約の総額。
ポジションは家計改善の専門家ではなく、家計改善の知識を上手に販売力強化へ転用する物売りである、くらいの認識で臨むくらいが丁度良いかと思います。

ここで勘違いをして欲しくはないのですが、ファイナンシャル・プランナーを名乗る者であれ誰であれ、提供した価値に対しては何らか “報酬” という報いが無ければ生活が成り立ちません。
常にあなたの家計改善を最優先に思考を巡らせる FP が欲しいのなら、弁護士や税理士の力を借りる時と同じく、顧問にするなどして “報酬” を払う必要があるということ。
あなたから直接頼まれ、あなたから直接の “報酬” を得られない限り、あなたの利益のみを追求する “相談員” となることは無いということもまた、冷静に捉えるべき事実なのです。


ファイナンシャル・プランナーとは何者か。最終回は現状、国内で身近に感じることの出来る FP が多く、どのような性質で動いている者達であるかについて、お話させて頂きました。
実際のところ、今回のような視点で書き始めるとまだいくらでもお伝えしたい(主張したい)ことはあるんですが笑、その辺についてはまたおいおい、連載の中で切り取って触れていくということで。

次回からしばらくはより具体的、実用的な FP 活用の手解きを展開していく予定です。
どうぞお楽しみに。

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