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ADHDっぽい私が心理学を仕事にするまでの話・外伝

博士課程在学中に経験した忘れられない大きいエピソードです。
この経験も、後々の自分に大きい影響をもたらしたことは間違いありません。

人生最高の痛みを経験した話

突然の激痛!

博士2年目だったと思うのですが、ある朝突然、私を「激痛」が襲います。

数日前から、おしっこの出方が悪いな…?とは思っていたのですが、ある朝、左の脇腹がズキズキする。なんだろうな? 下痢かな? と思いながらトイレに入って用を足そうとしたら突然、息もできない激痛が・・・。

それはそれはもう、こんな痛みは初めてです。全く身動きもできない痛さでした。

これは「このまま死ぬのか…?」とマジで思った瞬間です。死なないまでも、死につながる病ではないかという危惧しか浮かびません。

(心の声)もしかして「癌?」。 でも、こんな急に激痛がくるもの? 

何とかトイレから出たものの、床に寝転がり、少しでも痛みが軽くなるようにごろごろと姿勢を変える、その時ひらめいたのが、「ああこれが〈のたうち回る〉という意味なのだな」、と朦朧とした意識の中で思ったものです。(↑意外とのんき)

しばらく床に倒れたまま痛みが引くかもと待ちましたが一向にひかず、病院へ行くしかないと思いはするも、この状態ではとても歩けない。原付を持ってましたが、とても乗れない!

となると、「救急車」を呼ぶしかない・・・! と思い至りました。

あまり気は進みませんが、これなら許されるよね、と言い聞かせ、119 をプッシュ。

人生初の119

救急車のサイレンがこれほどまでに安堵感を与えてくれたことがあるでしょうか?

救急隊が到着したころには、多少痛みがひいていました。
歩くことも何とか出来たので、手を引かれながら何とか歩いて救急車へ。

救急車の中で問診を受けつつ、病院へ到着したらすぐに処置室へ行き、検査です。

まだ痛みもあり、はっきり覚えていないのですが点滴をされて、エコー検査をされたと思います。

その結果、痛みは強いが特に命に別条があるものではないということで、痛み止めの薬を点滴され、しばらく休んだら痛みもすっかり引きました。

診断名は

「尿管結石」

尿管結石とは、ご存じの方もおられるでしょう、
腎臓と膀胱をつなぐ「尿管」に、カルシウムやシュウ酸が結晶化した「石」が詰まるという病気です。

腎臓で生成された石が何かのきっかけで尿管に降りてくると…前述のようなものすごい痛みが起こります。「疝痛発作」というらしいのですが、本当に七転八倒する痛さでした。

それで・・・痛みもひき、入院も覚悟していたのですが、その必要もないということで、痛み止めの薬と結石を排出されやすくするために尿管を広げる薬、結石を柔らかくする薬を処方され、それを手にふらふらと歩いて帰宅したのでした。

治療としては、結石が膀胱に落ちて、尿と一緒に排泄されるのを待つのが基本ですが、結石が大きい場合は手術や、体外から衝撃波をあてて破砕するという方法(体外衝撃波結石破砕術<ESWL>)があるということで、しばらくは薬を飲んで様子見をしましょう、ということでした。

それ以降、発作は起こらなかったのですが、おしっこの際に違和感はありましたね。

体外衝撃波をすることに

水分を多めに取り、何とか自然排出を目指しましたが、なかなか出ないため、何度目かの診察で体外衝撃波を行うことになりました。

本来なら腎臓からスムーズに膀胱に流れる尿がせき止められているので、常時腎臓が腫れた状態になっているため、あまり長く放置しておくと腎臓に影響が出るとのことで、やむを得ない選択でした。

ただ、その機器が受診先にはないとのことで、某国立病院を紹介してもらい、そこで一発目を受けます。

しかし・・・!
何と検査の結果、結石が滞留している位置が悪く、背骨に近いため、衝撃波が背骨にもあたってしまう可能性があり、そうすると治療できない、ということでした。

角度や位置を変えながら試してみましょう、ということで、いざ、体外破砕機にGo!

下半身を露出した状態でうつぶせに横たわり、衝撃波は上から狙います。

おそらく、衝撃波はパルス状に発振されているのだと思いますが、「パチパチパチ!」という音とともに激しい痛みが! 技師さんは「動かないで!」と言いますが、「それは無理でしょう!」という痛みです。

体が自然に逃げようと反応します。

つまり、背骨に当たっているのですね。

病院を変えて再チャレンジ!

何度か試みましたが、結局効果なく、治療は中止。 痛みに耐えただけの時間となってしまいました。
(治療費はとられませんでした。)

そこで、次に提案されたのが、別の病院です。そこはより精度の高い、もっとピンポイントで狙える機械があるということなので、そちらを紹介されたのでした。

それなら初めからそうしてよ! と思いますが・・・。 病院って怖いですね。

次に行った病院でも同様に下半身を露出して・・・パチパチパチ!っと。
ただ、今度は痛みもなく、何発か当てたら結石を二つに割ることに成功しました。

始めは1センチくらいの直径だった塊が、5ミリ×2になり、排出されやすくなったのでこれで一旦様子を見ましょうということになりました。

もっとも、始めの説明では「粉々に粉砕される」ということだったので、「あれ?」とは思いましたが。

無事治療成功!

それから、どのくらい経過してからか覚えていませんが、順次直径5ミリの結石が無事排出されたのを確認。

少し危惧していたのが、尿道から出るときの痛みです。

「絶対痛いぜ!?」と思って覚悟はしていたのですが、意外と思ったほどではなく、尿の流れにうまく乗ってくれたのか割とスムーズに出たのでほっとしました。

その直後の排尿の爽快感は今も忘れられないです。

排出された結石を拾い上げ、洗ってマジマジと観察してみると、本当にギザギザの「石」です。少し古い例えですが、「えへん虫」そのものです。

「こりゃ、痛いはずだ。」と思わずにいられません。

その結石、小さいケースに入れて保存していたのですが、どこへ行ったやら・・・^^;

医師からは出てきたら成分を調べるから持ってきて、と言われていたのに、それも「放置」です。すみません。

大事なのは再発予防

まあ、これで結石は排出されたのですが、結石は再発しやすいとも言われています。

そもそも結石の原因は未だ未解明なところがあり、食べ物や生活習慣、「ストレス」も関与しているのでは、ということ。

ただ、自炊は少しはしていたのですが、出来合いのものや外食が多く、野菜も少なく、甘いものが大好き、確かに食生活は乱れていたので、とりあえず食生活の改善から始めることにしました。

痛い目を見て「開眼」した私

そこで、それまでの食習慣などを改善するべくはまったのが、自然派食品であり、「マクロビオティック(玄米採食)」なのですね。

思えば、それまでは食習慣が悪すぎました。

ここで、持ち前の「こだわり」がいい方向に作用します。
この痛い目を見たのをきっかけに、それまでの生活習慣を見直し、「健康」にすごく目が向いたのです。それだけでなく、

これは私にとっての「パラダイム・シフト」でした。

生活パターンから食べるもの飲むもの、運動の効用などをはじめ、「健康」から「生きる」ということへ向かい、また「死」というものがかなり実感を伴って感じられたために、「死生観」にも変化を感じたのです。

結果この体験が、気功や太極拳といった東洋的行法へのより一層の志向につながりましたし、かつ玄米採食などの食養生にも関心が広がることで、「こころもからだも」という今の私の全人的、スピリチュアル志向の臨床的人間観ができあがっていったと思います。

これが、後の博士課程を出てからの生活にも大きく影響してきます。

以上、「外伝」でした。他にもエピソードは色々ありますので、また気が向いたら「外伝」もシリーズ化するかもしれません。

今回もお付き合いいただきありがとうございました。

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