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「書けない」と向き合ってから

明けましておめでとうございます。
2024年も宜しくお願いいたします。

2023年は面白い一年でした。

初めて応募したエッセイが入選。
初めて書いた漫画原作がファイナル進出(落選)。

去年の秋に発表されたnote創作大賞2023の話です。
それらの経験はボクにとって大きな励み・自信になりました。

と同時に、一番出したかった小説部門はタイムオーバーで出すことすら出来ず終い。書くことへの計画性の無さ。いや、計画したはずが書き始めたらその通りにいかなかった、が正しかった。つまり、ボクはまだ書くことを知らない人間だった。入選をいただいておきながら、そう痛感します。

作品を応募するには、下記の7つの条件が必要みたいです。
少なくともボクみたいな経験の浅い物書きには。

1、PCに向かう体力と集中力
2、書くための時間
3、精神的な健康・経済的な基盤(今は書いて大丈夫という安心)
4、自分との約束(スケジュール)を守る心
そして、
5、ドバドバ溢れるような心の叫び
さらに、
6、公開ボタンを押してしまう、諦めにも似た覚悟
ダメ押しでもう一丁、
7、書いていることを打ち明けられる存在

ネタを捻り出そうとしている時点で筋肉質でリアリティのある文章は書けない。そもそも「ネタ」じゃない。「叫び」を書くんだ。この学びを裏付けるかのように、note創作大賞以降に「こんな感じがウケるかな?」と書いた文章は2連敗。それでも不思議と悔しさがない。note創作大賞の時は、エッセイで入選をいただいておいて、漫画原作が賞を取らなかったことにとてつもない喪失感を抱いたというのに。絶対に売る自信があったから。

逆に、note創作大賞に出した作品たちは、書いても書いてもプロットを肉付けする手が止まらないほど書くことに困りませんでした。「この辺にしておかないと流石に読みにくいか」とばっさばさディテールをカットしたくらい。そうなるくらいのテーマが文章にはあっているようだ。少なくとも自分のスタイルには合っているのかなと思うようになりました。

公開ボタンを押す重要性は言わずもがな。小説を出せなかったことにタイムオーバーなどといかにもそれっぽい理由付けをしてみたけれど、結局のところ「これで出すわけにはいかない」という一人よがりなこだわりがあっただけのような気がします。土俵にも上がれないのでは、誰にも読んでもらうことはできません。反省です。これからは「タイムオーバー」による機会損失には気をつけたいです。

ちなみに、書いていることを打ち明けられる存在がいたことも大きかったです。ボクは匿名で書くと決めているのですが、唯一、文章を書いていることを話せる知人がいます。その方は数年前にベストセラーを出版した小説家さんであり、ベストセラーになる前から存在を知っていた方であり、今でもお兄さんのように慕っている方です。「こんな話を書こうと思っていて」と投げかけます。フィードバックは求めません。でも、アンテナを研ぎ澄ませて、どんな小さなリアクションの機微も見届けるつもりで投げかけます。これによるプロットの微調整が本当に重要だと感じます。フィードバックよりもリアルなダメ出しをもらえます。

結局、創作大賞の結果発表以降は、本業である映像業務の忙しさを言い訳に年内3作しか新作を出せず。ボクは何をやっているんだと自己嫌悪に陥ることもありました。せっかく受賞という形で背中を押してもらえたのに。noteの志村さんには今後書き続ける上で匿名性を保ちたいからと表彰式の欠席を聞き入れてもらったのに。その流れに乗るつもりはないのか。ボクの文章を書きたい気持ちはこの程度のものだったのか、と。

「2024年は、もっと書く一年にしたい」などと月並みの言葉を口にします。ただ、書くことをもっと習慣化する方法もすでに考えていて。

A. 匿名作家としてネタではなく、誰にも忖度せず書ける"叫び"と向き合う
B. 1000文字で完結する短編シリーズを作り、隙間で書く癖を付ける(別垢で)

選ばれることに味を占めてしまい、選ばれるために文章を書くようになってはダメだ。過去は過去。note創作大賞の受賞は励みにはなったけど、これからのボクには関係ない。どんどん新しい叫びをはきだし続けないと。そうしないと私生活のバランスまでも崩れる不器用な生物なのだと改めて思い出さなければなりません。

ボクが書いていることを知る唯一の知人は、エッセイの入選を聞いても全く驚きませんでした。「すごいとは思う。俺ならあれだけ沢山の無名の人が書いている中で輝く自信はないな。でも、」彼は社交辞令をほどほどに本題を切り出しました。

「本当に書くなら、早くちゃんと一冊分書ききらないとね。担当がつかないうちは自分で自分を律するしかないのだから、自分で締切を作らないとね」

手厳しい。でも本当に彼の言う通りだ。本当に勝負したい小説のジャンルの原稿を持たないうちはスタート地点にも立てないのだ。

「あれ、書きなよ」

ボクは首を横に振りました。あれは、ダメです。絶対に。

「キミのデビュー作は、絶対にあれだよ。あれであるべきだ」

2024年元日、商売繁盛で知られる神社で初詣をした時に、彼の言葉が脳内をよぎりました。どんな一年になるだろう。楽しみとは少し違う、不安と清々しさを利き手じゃない左手で雑にかき混ぜた感じ。白と藍色のマーブル模様。2024年はきっともっと面白い一年になるはず。それだけは確信めいています。なぜならボクがもっと書く一年になるから。

選ばれようが、選ばれまいが、人生を叫び続けること。
これをやらずして何が人生か。言い切っても良い。

皆様、今年も宜しくお願い申し上げます。

Garashi,

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