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サイクリングにおける基礎練習の2つを知る。

「わかりやすい格言を紹介しておこう。 何事をなすにも、正しい方法と間違った方法があるという格言だ。 たとえば、毎日8時間シュートの練習をしたとしよう。 もし、この場合、間違った技術で練習を続けていたとしたら、間違った技術でシュートする名人になるだけだ。」

- マイケル・ジョーダン-



私はスラムダンク世代なので、小中学生の時にバスケットボールをかじってた。

ジョーダンの動きの美しさに魅了され、当時はビデオテープを何度も何度も巻き戻した記憶がある。

冒頭の格言。自分にはとても刺さった。

このバスケの神様の言葉をできるだけ理解すべく、サイクリングにおける正しい方法を知る為にRETUL fitにて当時の私にとって最適なポジションを決め、次は動きを学ぶ為にこれから何をすべきか元五輪代表選手に質問を投げかけた。

するとシンプルな2つの基礎練習を教えてくれた。

先ずは下死点で踏み切らない様に脚を上げる事が重要。下死点まで踏み過ぎるとサドルからお尻が離れ弾む様な動きは立ち上がる動作を連続している状態になってしまう。回転を妨げるばかりか、疲労や痛みを溜めてしまうとのこと。

練習方法としては速度は気にせず17kmの距離(30分以上であれば良いと思う)を平均ケイデンス120rpmを目標に走り続ける練習だ。

お尻の弾みやブレが出てしまう場合は、間違った動きを身体が覚えてしまわない様、ブレが出ないケイデンスまで落として練習することが必要である。

これは自分なりに考えてみたのだが、下肢の重さは体重の約18%になると言われているので、片脚あたり12kg〜13kg位になるだろう。

1分間に90回も12kgを持ち上げるのは大変だが、2ℓペットボトル6本分の重さがペダルに上手く掛かれば、ある程度の速度までペダルは下りてくれるはずなのだ、しかし反対の脚が上がってくれなければ左右のペダルへ掛かる両脚の重さが拮抗してしまうので、足りない分を自分の筋力でペダルを押し込む必要が出てくる。体力は有限なので、なるべく負担は身体中に分散させて使えるだけ重力を味方につけた方が楽に走れるよね?という事だろう。

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実際にハイケイデンスを30分以上キープするのは、やってみるとかなりキツい。集中して真面目にやると、最初のうちは脚の付け根が痛くなって脚が上がらなくなった。使った事の無い様な筋肉なのだろう。マジでキツい。

それでも毎週最低1回を数ヶ月続けると人と会話しながら安定して120rpmで走れる様になってきた。

もう一つの練習方は、アウタートップで速度30km/h、ケイデンス50rpmで走る練習だ。やってみると必ずどこか力んでしまうが、一ヶ所づつ力んでる部分を抜いていく。これも止まらず17km続ける。初めはあっちこっち筋肉痛になったが、いつの間にか力みを抜いても速度とケイデンスを維持できる様になってはきた。(すぐに忘れてしまうがw)力まずとも重たいギヤはまわせるのだ。

この重たいギヤを負担なく回す事と、高いケイデンスをブレずに維持する事を組み合わせると速く走ると言う事になる。

自分はこれら2つの練習を今も毎週繰り返している。おかげで今ではどんなに走っても攣る事が一切ない。ガムシャラに走るのではなく、速く走るという事を分解し、分かるまで丁寧に何度でも何度でも練習する事が自転車競技で結果を出す為の近道と学んだ。

そして 知行合一 (知識は行動が伴って完成である)ということ。つまり理解に至っていれば、出来ているはずという考えだ。

これもまた衝撃的な言葉だった。

ネットでは何者かわからない人がペダルを丸く回せとか呼吸法がどうだとか、分かる様で分からない事ばかり言っているが、元五輪選手が分かりやすく、しかも目の前で見せてくれるもんだから重みが違う。

得難い事を教わり、今もできるだけ理解に近づく様に身体に耳を傾けブレイクスルーを探している。


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基礎の話に戻るが、バスケやサッカーならドリブルから。水泳なら伏し浮きから。野球やテニスなら素振りから。自転車の世界は基礎トレをすっ飛ばして、いきなりパワトレと称してローラーの上でパワーの数値を見ながら追い込んでいる人を多く見かける。

こうして無闇にもがいても、もしかしたら良くない癖をつけて沢山の体力をこぼしながらペダルを回す事になりかねない。

これはパワーメーターでは見えない危険なポイントで、同じ300Wでも成分が違ったら、その価値や意味や未来が大きく違うだろう。

これこそまさに間違った方法でペダリングする名人だ。

ついてしまった癖は、なかなか消えず修正に苦労する羽目になる。なので早い段階でRETULの様な科学的なフィッティングサービスにて、正しいニュートラルなポジションをみてもらった上で、基礎を繰り返す事を私はオススメする。

確かに今回の2つの基礎練はローラー上で追い込むよりもやった感は少ないし、地味な練習なので周りの視線も気になるところだが、スポーツのキャリアも無く、家庭も仕事もあるオッさん社会人ライダーにはかなり有効で、自分がアマTTチャンピオンになる為になくてはならない練習であった事は結果が示している。

しかし世界は果てしなく広く、自分はまだまだ知行合一には到底至らないので、これからも上手くなれる様に積み重ねていきたい。

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世界などと大きな事を言ったが、実際に私は世界選手権に出場した事がある。

世界の壁については、また後日書きたいと思う。


ではまた^_^













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