プロレスの練習生だった話

2013年の4月
千葉県にあった某プロレス団体に入るため
地元の新幹線の駅まで母親に送ってもらった。

母親は当初ものすごくプロレスに対して反対をしていた。
しかし最終的には『応援はしないが反対もしない。』
と折れてくれた。
この世にそう多くはないプロレスラーを目指すして息子を送り出した母親の気持ちは今なら十分理解できる。
だが、当時は何がなんでもレスラーになりたかった。
プロレスラー団体に入門するに団体によっても違いはあるが、千葉の団体には履歴書と上半身の写真を送った。
数日して団体から4月13日に入門、荷物は最小限と連絡があった。
着替えと練習用の靴、生活用の備品、少しだがアルバイトで稼いだお金などバックに入れた。

移動の新幹線で東京駅まで行き、そこから千葉まで行く。
千葉に着いたら心細くなった。
若干19歳の田舎育ち。
東京に遊びに行くことはあったが今回はいつ帰れるのかもわからない。
まして厳しいプロレスの世界に入るのだと思うと初めて怖いと思った。
千葉駅に着いてバスに乗り道場の最寄りまで行く。
やっぱり引き返そうかなんてことも頭をよぎった。
バスを降りてトボトボ歩いていると体の大きな男数人がいた。
そして同期になるべく男2人も既に着いていた。

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