足首の調整による装具とフットウェアの組み合わせが脳性麻痺児の歩行パラメータに及ぼす影響

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今回は装具が脳性麻痺の歩行にどのように影響があるかを調べたEddison氏による文献を読んでいきたいと思います。今回の研究はCP患者の裸足、非調整型、調整型AFO-FCによる歩行時の運動学的比較を行い 臨床に役立てることを目的としている。

①結果&結論

 AFOは、脳性麻痺(CP)の子どもたちが歩行を改善するためによく処方される医療器具である。 歩行の改善を目的としている。CP児のAFO-FCを調整することで、股関節機能、骨盤機能を改善できる可能性がある。 股関節機能、骨盤機能、立脚期の膝伸展、遊脚期の膝屈曲を改善する可能性があり、AFO-FCを調節しないと 股関節機能、骨盤後傾を低下させ、膝伸展を増加させる可能性がある。

②調整型AFO-FCとはなにか?

  調整型AFO-FCとバイオメカニカルオプティマイゼーション(生体力学的最適化)は、相互に関連性のある用語である。その意味は異なっており,定義されているが,相互に関連する用語である 。 調整型とは、AFO-FCの設計に微調整を加えるプロセスと定義できる。AFO-FCの設計に微調整を加え、特定の活動時のパフォーマンスを最適化するプロセスと定義できる。チューニングとは、特定の活動時にAFO-FCの性能を最適化するためにAFO-FCの設計に微調整を加えるプロセスと定義できる。

 調整型とは履物にウェッジを追加してヒールソールの差を変更することで、下腿傾斜角(SVA)を操作する。履物にウェッジを追加することで、ミッドスタンスへの進入と退出を最適化し ミッドスタンスからの出入りを最適化し、矢状面でのGRFに影響を与えるものである。

※Range Of Motion;可動域≒Shank to Vertical Angle;下腿傾斜角 「SVA」・・・基本軸:靴底 移動軸:下腿
※床 反 力Ground(Floor)Reaction Force(GRF)

③SVAの最適な角度

垂直から10~12°傾いている

立脚相の最初の3分の1の間、膝の屈曲が20°未満

④対象者・方法

独歩ができる方。
・ 参加者はすでに片側または両側のAFOを装着していること。
AFOを装着していることが条件で、装着期間に制限はない。
AFOを装着している期間に制限はない。
・参加者は、GMFCS1または2とみなされなければならない。
・年齢が5~11歳であること。
・インフォームドコンセントを得ていること。


除外基準
・ 股関節または膝関節の過度の拘縮(25°以上)。
・過度に誇張された伸張反射。
・ 過度の足の進行角度。
・過去6ヶ月間に整形外科手術や医療介入を受けている。

SVAを調整できるようにして、完成したものを使用してもらう

③個人的な感想 

今回の研究では、ウェッジを使用しての効果選定をされていたがなかな臨床上での評価では仮合わせで取れてしまうことが多いのではないかと思う。実際の臨床場面でSVAのコントロールとなるとダブルクレンザックによる調整を行うことで、適宜調整ができるのでないのではないかと考える。立脚期の膝伸展角度への注目が薄かった自分にとってはとてもよい勉強になった。



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