さまざまな場にファシリテーターがいる

このノートはファシリテーターをテーマにしたアドベントカレンダー2016の6日目です。ブログのアドベントカレンダーとは12月1日から25日までの間をブログでつなぐというものです。いろいろなローカルルールもありますが、テーマについて20分考えて5分で書き上げるというものが私の知っているやり方なので、今回もそのルールでやってみます。

2015年8月から、いろんなファシリテーターの話を聞く「ファシリテーターズ・インタビュー」という場を作ってきました。まちづくりの中でのワークショップでファシリテーターをしている人、哲学カフェという哲学を対話するという場でファシリテーターをしている人、研修、プロジェクト、新規事業開発、イベント、子供向け、様々なものに対してファシリテーターが活躍していることがわかりました。

そしてファシリテーター、もしくはファシリテーションに興味を持つ人たちのお話を聞いていてファシリテーションは誰の中にでもあるスキルで、ファシリテーターというのは役割であるということがわかってきた気がします。役割であるゆえに、自らがその役割を明示的に使うこともあれば、他人からの視点で自分にその役割を委ねられることもあります。明示的でない時にはプロジェクトのマネージャーであったり、コーチであったり、リーダーであったりすることもあります。

みんなの中にあるなら、わざわざファシリテーターという存在はいらないのではないか?その考え方は普通に起きると思いますが、私の心の師匠のボブ・スティルガーさんが「今の時代は過渡期である」ということを言っていました。もちろん、ファシリテーションが普通に意識されるようであれば、わざわざ明示的な役割がなくてもよいと思います。「うちはもうファシリテーターというのはいらないです」という場は大歓迎です。実際に私も現場にファシリテーターという意識を持つ人、もしくは全員がファシリテーションを意識しているようであれば、自分の役割は終わったと感じる方です。ファシリテーターも間違うと老害になりえなくはないのだと考えています。場やコミュニティには新陳代謝が必要だったりするのだと…。

さて、ファシリテーターズ・インタビューの方に話をもどすと、しっかりとファシリテーターと名乗っている人にもインタビューしています。私もダイアログ・ファシリテーターと名乗るようにしています。求められる場にどのようなアプローチや意識や知識でファシリテーターとしているかをわかりやすくしているためです。まちづくりのワークショップのファシリテーターは無作為に集められた市民と長期間一緒に目的に向かって進むということをされています。「続いていくこと」、「同じメンバーで進めること」が基本になっているので、チームビルディングが必要になりますし、1回目の集まりの成果を2回目の始まりとして使うことに対してファシリテーターの手腕が発揮されるということをインタビューで知りました。企業の中でフューチャーセンターのファシリテーターしている人はどのように現場で使えるものになっていくかという現場感への問いかけをしっかりして場のデザインをしている人もいます。哲学カフェのような「個人の思考」を大事にしているところでは、安易な可視化や、ファシリテーターの言葉によって「影響」がでることを極力避けられているということでした。子供向けのファシリテーターは、その自由さを妨げないこと、そして安全もつくること。イノベーション・ファシリテーターの人は、テーマへのオーナー感とともに、セッションのファシリテートだけではなく、テーマへのファシリテート、コミュニティへのオーガナイズに近いところにファシリテーションを発揮されていました。

誰の何を何のために…。ファシリテーターがいろんなところに現れ始めているのは、それらによりフィットした場を、知識を「役割」として遂行しようとしている(ちょっと遂行という言葉も強くて似合っていないかもしれませんが)のかもしれません。

みなさんも、ファシリテーションを意識してみるということを始めてみてはどうでしょうか?ご自身が何のファシリテーターなのか考えて、知って、ぜひ名乗ってみてください。そして「ファシリテーターズ・インタビュー」に出てください。(笑)

明日の12月7日はパチさんことdubbedpachiさんです。コミュニティについてのパチさんの言葉はいつも参考にさせてもらったりしているので、かる〜い感じの語り口でしっかりと濃い内容が書かれてるのではないと楽しみです!







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