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開発現場で仕事の話をする為のカードゲームが作りたかった。

 先日のゲームマーケット2019秋で初出展させてもらいました。出展したゲームはカードゲームで「人月神話ヒトナラベ」というちょっと変わったタイトルですが、案件に人を並べていくシンプルなカードゲームです。

案件に人を並べるだけのゲーム画

 今回、販売をしている中で興味を持ってくれた方々に、どういうゲームか、なぜ作ったのか、なんのためのゲームなのか、を説明させていただきましたが、何度も話しているうちに自分の中でも想いが深まっていって、私はこのカードゲームを通して組織の中で「普通に」仕事についての話をしてもらいたかったのだと気づかされました。

 ゲームがコミュニケーションを活発にすることはある意味最近は、普通に受け入れられ始めていることだと思います。ただそこには現場の仕事との距離が少しあって、個人の癖の強さだったり、すごい冷静さだったりは見えても、今の仕事の仕方についての話にはなりにくいと感じています。もちろん親密度は増すと思いますが、ゲームの世界観がしっかりと練られていれば練られているほど、異世界であり、宇宙であり、架空の世界に入り混んで現場から乖離してしまいます。

そこでこの「ヒトナラベ」です。案件に対して人を並べて(アサインし)、システム開発の現場を舞台に繰り広げられるドラマチックなイベント(全部アクシデント…)に対して、マネージャーの工夫(施策)と人の並べ替え(アサイン変更)でリカバリーして開発を成功させる。仕事そのものをゲームにして、語られる話題も現場から乖離しないリアルな雑談が自然と出てきます。
 
 現場語りが起きやすくするために、人の役割も、イベントも施策もできるだけリアルに即した内容にしました。「そうそう、そうなんだよね!」をまずは楽しみながら、笑いながら声に出して「実はうちでは、ちょっと違うリカバリー方法とかあるよね」という現場のリアル話がゲームの途中で語られ、ナレッジの共有が行われる。普通に仕事の話がまだできていなので、ゲームをきっかけに共有できる。飲みニケーションじゃないので、記憶にもしっかりのこりやすい。チームに対話の場が広がっていきます。

 実際の試遊の場でも以下の3枚は共感指数はかなり高めで「アジャイルの話はこの文言のまま言われたことあるよ…」とか「実はうちではキングファイルで納めてた」など追加であるあるネタが語られていました。

人気イベント3つ

イベントをリカバリーする施策ではこちらの2枚が語らいに花を添えていました。いずれもクライアントさんとの関係性が大事だと。「いやいやいやないでしょー」と「確かに飲みにいくと話変わったりする」と。

施策2枚画

「組織の中に対話の場を設けたい。」そんな私の試みの遍歴は、最初は「ワールド・カフェ」などルールと仕組みがある中で語り合ってもらっていました。その後は、エンジニア研修の中でグループディスカッション、ペアでの相互学習で語り合わせるという現場の関係性を活かした語り合いを考えるようになりました。現場の知識を活かした場を作り、本人が話したいと思う話がしやすいような場作りを心がけるようになりました。それこそOSTなど。そして今回、カードゲームでそのものずばりのテーマを語り合うことができる環境を作って、特にファシリテーターという役割がいなくても、語り合える場になればなと考えました。

メンバーもイベントも施策も、なるべくはおもしろおかしく一緒に遊んでくれる人たちが楽しくできるように心を込めて作りました。

Boothでオンライン販売もしていますので、ぜひ皆さんも現場のチームでお昼食べながらゲームしてみてください。感想もお待ちしてます!
Booth:https://gaoryu.booth.pm/items/1682850
ヒトナラベBooth画像

ちなみに副題の「ぜんぶ、…」はJRのスキーCMのオマージュですw
なのでマネージャーに責任を押し付けたい訳ではないのでご容赦ください。
さらに役割と効果については、ゲーム性のためにとはいえ、いろいろとおしかりを受けそうな内容になっていることもご容赦ください。
ひとまず近くにいたアジャイルコーチの方には「ごめんなさい」と伝えさせていいだきました…。(^^;

 

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