見出し画像

ポイ活マインド

“ポイント”が、マイブームである。
「今頃、何言っているんですか」と思われるか
もしれないが、これがなかなか面白い。

これまで、クレジットカードの獲得ポイント
なんかチェックしたこともなく、よく見ると、
消滅してしまったポイントも少なくない。

獲得したポイントは商品や商品券などと交換
ができる上、何とマイルに移行できると分か
り、今まで何をやっていたのかと後悔しきり
だ。

ただ、調べれば調べるほど、疑問がわいてく
る。通常は1000円の買い物で1ポイントが
付与されるので0.1%の還元となるのだが、
毎日のように、キャンペーンが繰り返され、
普通のクレジットカードであれば、平均して
約0.4%ほど還元されていることになる。
中には誕生月にはポイント5倍とか、年間利
用額に応じて、翌年のポイント付与率が2倍
になるなど、大盤振る舞いだ。

私たちが、毎日のようにお世話になっている
コンビニ各社は、クレジットカードよりも、
電子マネーが主流だ。これにももちろん、ポ
イントが付くので、たった100円の商品にも
ポイントを付与するのだから、一体、利益構
造はどうなっているのだろうかと、さらに疑
問が増えてしまう。疑問に思いながらも小銭
を探さなくてもいい利便性から、私も電子マ
ネー払いが習慣化している。

これで、
企業は本当に利益が出ているのだろうか。

商品の仕入れ原価が減るわけでもなく、人件
費も増えるばかりだろう。最近ではアルバイ
トが集まらないことを理由に、牛丼チェーン
のすき屋やワタミ系列の居酒屋が、夜間の営
業を短縮、もしくは営業中止をしているとい
うニュースを聞いた。着実に人が減っている。
それも、働き手がだ。どれだけ時給を上げて
も人が集まらない状況は、いよいよ私たちの
生活を豊かにしてきたサービスの構造が変わ
ろうとしている兆しだ。

つまり、通常の時間で埋めきれなかった利益
分を、時間延長で賄っていた構造が崩れてき
ている。あれだけのポイント還元をしていた
ら、いつか破綻をするコンビニや飲食店、そ
してカード会社までも出てくるに違いない。

それでも企業活動を継続するとすれば、固定
費を大幅に削減する、つまり人件費が標的に
なるのは至極当たり前のことだと思う。

そうなる前に考えなければならないのは、自
分の仕事がどのくらい売上に寄与しているか
ということだ。もしかすると、今、与えられ
ている業務をすることが仕事だと思い込んで
いると、近いうちにはなくなってしまう可能
性が十分にある
ということだ。

そうならば、冗談のようだが、自分の仕事も
ポイントのように考えてもいいかもしれない。
自分の時間を切り売りするなら、1ポイント。
企画や提案が採用されたら2倍。売上につな
がったらボーナスポイント。役割や役職が指
名されれば、ゴールドやシルバーなどにラン
クアップ。会社も社員がポイントを集めたく
なるように、仕事の仕組みを作らねばならな
い。


こんなことを思ったのも、JALを再建した京
セラの稲森会長の<アメーバー経営>を読ん
でからだ。間接部門であっても、必ず収益を
考えた仕事にするという考え方がある。


JALの再建を進める上で最も困難だったのは、
全社員に収益を意識させることだったと述べ
ている。何十年もやってきた仕事に収益性が
ない、と判断されれば絶望的になるし、反発
もしたくなる。それでも、結果的にJALがこ
んなに短期間で再建できたことを考えると、
あながち嘘っぽい話ではないと思わざるを得
ない。

お客様に価値ある姿をお見せするには、何か
しら金銭的なサービスや過剰なサービスをと
思い込みがちだが、自分たちが疲弊してしま
っては、何にもならない。お互いに<価値>
を共有するための活動が始まって2ヶ月にな
ろとしている。

そろそろ、私たちもポイントのコレクターた
ちに利用されないよう、見極めながら仕事を
していきたい。

* * *

今やポイントは百花繚乱で
かつて隆盛を誇ったTポイントも合併され
どこも会員の囲い込みに必死な様子。

それどころか
楽天経済圏のように
ポイントを含めて各種サービスを
自社グループ内で回していくしくみも
当たり前になってきた。

今年、新札が発行されたが
もはやホンモノの紙幣に対する興味は
若い人たちを中心にないと言っても
過言ではない。


すでにスマホの中にある金額とポイントの
数字になったお金の存在が
紙幣というポイントのつかない存在に
意識がないのは当たり前のことだろう。

それはそれで合理的だと思うが
無形のサービスなどの
目に見えない価値はどうなっていくのか
心配になる。

例えば
コンビニで袋を持って行った場合
セブンイレブンでは店員さんが商品を
入れてくれるのに
ファミリーマートでは客任せだったり。

ファミリーマートとローソンには
無人レジがあるけど
セブンイレブンは有人レジのみとか。

なんか
ゆとり教育の時のように
人材不足にかこつけて
サービスをシステム化した結果
差が大きくなってしまった
というように
時勢に乗った人がバカを見ないように
気を付けておかないといけないと思う。

中にはお金を一切持たずに
電子マネーやポイントだけが使える
お店だけを選ぶ人も増えているとか。

それもこれも
日本円がデジタル化したら
すべてのサービスが
吹っ飛んでしまうことになることも
忘れないようにしたいけどね。

#あの時のジブン  |08

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?