決戦前夜

いよいよ、南葛SCの昇格をかけた戦いがスタートします。

明日開幕する関東社会人サッカー大会は、1都7県を代表する16チームが、関東2部への昇格2枠を争うトーナメントです。今シーズンは、決勝に進出した2チームが、自動的に関東2部へ昇格するレギュレーションとなります。

2年前、南葛SCは東京チャンピオンとしてこの関東社会人大会に臨み、準々決勝で東邦チタニウムに0−1で敗れて昇格を逃しました。昨シーズンは、東京都1部リーグで7位に終わり、3位までに与えられる関東社会人大会への出場権すら得ることができずに終わりました。

昨シーズン、昇格の可能性がなくなった後に、南葛SCのオーナーである高橋陽一先生から言われた、決して忘れられない言葉があります。

「岩本さんが失敗したの、初めて見ました」

（いやいや、これまでにも全然失敗してますし、そもそも、南葛SCが上がれなかったのは、先生も含めたクラブに関わるみんなの失敗ですから！）という言葉を飲み込み、「絶対に来年こそは上がってみせる」と心に誓いました。

そして迎えた今シーズン。島岡健太監督と高木健旨コーチの新体制の下、とにかく、勝つ確率を積み上げてきました。チームの活動は、週4から週6に変わり、選手は基本的に練習にフル参加できることを条件としました。仕事の都合で練習に来れない選手については、クラブのサポートの下、転職をしてもらったケースもあります。新加入選手への就業サポートも数多く実施して、働きながら質の高い練習をできる環境を整えました。

選手のコンディションケアは、かつしか江戸川病院のサポートに加え、現役のトップアスリートを数多く診ている植野さとるさんをフィジカルコーチに迎えました。今シーズンの南葛SCが“走れるチーム”に変わったのは、コーチングスタッフのトレーニングに加えて、植野さんの貢献が大きいと思います。

勝つ確率を積み上げた結果、強豪揃いの東京都1部リーグを1位で突破することができました。新型コロナウイルスの影響で超変則開催になったにもかかわらず、日々のトレーニングにしっかりと向き合い続けて結果を出した、選手＆コーチングスタッフには本当に感謝しています。

でも、ここからです。我々はまだ何も手にしていません。

明日の対戦相手である品川CC横浜さんは、3年連続で神奈川県代表として関東社会人大会に出場している強豪で、今大会も優勝候補です。この大会の戦い方を熟知しているはずですし、きっと我々のことも徹底的に研究してくるはずです。加えて、トーナメントの初戦ということで、我々の選手たちが、緊張から、いつもどおりのプレーができない可能性も十分にあり得る。正直、簡単な試合にはならないと思います。

ただ、それでも我々は勝って上に行かなければいけないんです。これだけ質の高いメンバーが、シーズンを通して質の高い練習をし、できる限りの準備をして臨む明日の試合は、絶対に勝たなければならない。南葛SCはここで負けて良いチームではないんです。

明日の試合は、そういう試合です。今シーズンの南葛SCにとってだけでなく、これからずっと続いていく南葛SCの試合の中でも、最も重要で負けられない試合です。そんな試合を、ぜひ多くの皆さんに見てもらいたいと思います。残念ながら、新型コロナウイルスの影響により、試合は無観客で行われますが、ライブ配信を実施します。土曜日の朝11時と、ちょっと早い時間帯ではありますが、Jリーグの試合と被らないので、逆に見やすい時間帯だとおもいます。ぜひともご覧いただけるとありがたいです。以上、決戦を前に、自分の気持ちを書き記しておきます。絶対に勝つ。