クローン病を完治させたという眉唾な人の話を聴いてみた件

ついこの前の昭和の日に、ZOOMでクローン病が完治したというひとの(眉唾な)話を聞いた。

これは姉が通っているジムのインストラクターさんから「先輩の友達で、妹さんと同じ病気で完治したという人がいるので、話を聞いてみたらどう?」というお誘いをいただいたことがきっかけだった。

ここで言っておくと「潰瘍性大腸炎やクローン病は完治するってことはない」と私は考えている。

完治というよりも寛解期(一時的に病気による症状や徴候が軽くなり、症状がおさまっている時期)をいかに長くとる治療を続けることが大事だと思っているので、完治するというのは眉唾ですごく怪しんでいた。(実際、ツイッターやグーグルで「潰瘍性大腸炎 完治」と検索すると、民間療法っぽいものが続々出てくるし。)

「話だけでも聞いてみたら?」という母の提案で、そのお誘いを受けることに。(姉も一緒にいてくれるというのも安心材料としてバッチリだった)

インストラクターさんと、その先輩の方、そしてクローン病が完治したIさんと、私と姉(会話が聞こえる同じ部屋に母)でのオンラインお話会が始まった。

Iさんは高校時代にクローン病を発症。
何度か手術も経験したほどの重症だったが、6年前に今までの治療法に疑問を持ち、薬での治療法を一切やめることにした。
その時の病状が薬で治療していた時期よりも劇的に良くなったことで、通院治療も止めて、クローン病を克服したという。
その自分の経験を広め伝えるためにYou Tubeやら講演会などを行っているとのこと。

にわかには信じられない話だ。

(ちなみに私が行っている治療については、お話会スタートのときに「ペンタサ2000mgを2回、朝にイムラン半錠、毎食後にミヤBM、点滴治療でエンタイビオをやってる」と簡単に説明したのだけど、今考えたらエンタイビオ自体6年前にはなかった治療法なので、Iさんがその治療法を知ってるかどうかは怪しいところがある。)

お話ではIさんが熱心に喋っていた。私と姉とジムのインストラクターさんは相槌をうつ程度で、必要なこと以外はそんな喋っていなかった。


■以下、お話会のときのIさんの言葉とその時のわたしのツッコミや行動を(大体時系列で)書いていく。■

「今まで自分はすごくマイナス思考だった」
「クローン病になって人生が終わったと思った。食べれば食べるほど体が悪くなるから地獄だった」

(この辺は自分にも当てはまるし激しくわかる。)
(昨年夏の入院は大腸もメンタルも地獄だった。)

「潰瘍性大腸炎になって家庭崩壊したって話をいくつも知っている」

(家庭崩壊まではないけど、ウチも私が大変だったからある程度はわかる。。。)

「病院に行っているから病気だと思うのであって、病院に行かず薬も飲まなければ病気とは思わない。病気と思うことこそストレス!」

(いや、脳筋発言すぎるでしょ。病は気からというのはわからんでもないけど・・・。)
(私が潰瘍性大腸炎とかクローン病は例えるならお医者さんと二人三脚で治療病気だと思ってるから、なんかそれは違うと思うんだ・・・。)

この辺で少しおかしいと感じはじめた母がお話に直接参戦、私は一旦席を外し、「胡散臭え!!」とリビングで父に愚痴を漏らす。

姉は眉唾半分だし、母は超絶怪しんで彼の話を聞いている。

「エッセンシャルオイルには全く興味がなかったが、使い始めたことで病状が劇的に変わり、自分自身も前向きになった。」

(でたエッセンシャルオイル!)

(THE★民間療法!)

私の中でIさんに胡散臭いフィルターが一気にかかる。
心の中では「まさかのエッセンシャルオイル!食物繊維とか酵素ドリンクのほうがまだ良かった!!!」と連呼していた。
(と同時に、オーラソーマとかそういうスピリチュアル的なものも思い出した。オーラソーマもスピリチュアル的なアレも私は苦手にしている)

母の疑念もマックス最高潮に到達していたようで、

「どの辺から治ってきたってわかったの?」と質問をし始めた。

Iさんも引くことはなかったが、母の思うような答えは返してくれてはいなかったようで、母はさらに

「いや、そうではなくって、以前の薬での治療をもう少し詳しく聞きたい。」
「薬とアロマオイルは併用していたのか?」
「どっから効いてるって思ったの?」

とグイグイと質問をぶつけていた。

それはさながらボクシングの一方的な殴り合いを見ているようだった。

そして母がここまでグイグイと質問攻めにするとは思ってなかったんで、少しびっくりした。

「自分はこれだけひどかった。地獄のような思いをした。でもエッセンシャルオイルで大きく変わった。ストレスに対しても有効だし、クローン病も治るエッセンシャルオイルはすごい」と話すIさんに

私は
「へー、すごいですね。でも私は家庭崩壊に陥るほど病んではいないし、食生活も制限はあるが自分で好きなものは食べているのでこの治療で満足しています。安倍前総理と一緒の病気って話のタネにもなるしw」
と強がった発言をした。(その後ろで母と姉が「いやいやそれは違うwwwお前は病んでいたぞ!」アピールをしていたが)

母と姉がいなかったら
「では私も言わせてください。富野御大マジですごいですよ。イデオンとVガンダムとブレンパワードを見てください。ストレスはマックスになりそうですけど、映像体験はヤヴァイので!」
と痛いオタ全開な発言をしていたかもしれないだろう。(ミーティング中にイデマークの落書きはしてた)


お話会が終盤になると、Iさんは私達に「自分が行った治療法とエッセンシャルオイルに興味がないのだな」と理解したのか、

「僕らはIBD患者に病院治療ではないと別の選択肢を知ってもらおうとしてる。」
「あなたが行っている治療法が悪いと言ってるわけではないんだよ。」
「今まで潰瘍性大腸炎やクローン病で大変な家族を見てきたが、あなた達親子なら大丈夫でしょう。」

と、まるで敗戦撤退を行うように話していた。

最後にインストラクターさんの先輩さんから
「エッセンシャルオイルのマッサージしますよー?興味ありません??」
と聞かれたが、エッセンシャルオイルの話が始まってから表情筋が死んでいたので反応が出来なかった・・・いや、反応したくなかった。

ありがとうございましたーは無理やり笑顔にしたけど、もう二度と会うことあないだろう。
Iさんを目にするとしたら、インターネットで検索するときだ。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?