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気まぐれショートショート 夜光おみくじ

神社で変わったおみくじを引いた。
1つ500円もするなんてと思ったけれど、満月とかわいらしいウサギの絵柄が気になって手が伸びていた。

いざ引いてみると、中には何も書かれていなかった。真っ新な白一面。
印刷ミスかなと首をかしげていると、背後からトントンと肩を叩かれた。
ビックリして振り返ると宮司さんが立っていた。

「それを月夜にかざしてみなさい。きっといいことがあるからね」
それだけ言うと宮司さんは社務所に入っていった。

何日かして、その日は綺麗な満月の夜だった。
ベランダに出て、開いたおみくじを月明かりにかざしてみた。

透き通るような白い紙にうっすらと文字が浮かび上がってきた。
それは、私がこれまで経験してきたことが書き連ねていた。
うまく行かなかったこと。
やりきれないことに傷つき悲しんだこと。
伝えきれなかった本当の気持ちがあること。

それでも
あなたなら、きっと大丈夫。
最後にはそう締め括られていた。

「全部見ていてくれたんだね」
(407文字)


最初はただ、何でもいいから書かずにはいられないと始めたnoteでした。勝手も分からずがむしゃらにやって失敗しての繰り返し、傍から見れば「馬鹿やってんなこいつ」と思った人もいるでしょう。

そんな中でも、徐々に読んでくださる方も増えてきてそれを励みにどうにかここまでこれました。

本当に良いnote生活1年目になりました。
応援してくれた皆様に心から感謝いたします。
来年も、どうぞよろしくお願いいたします。
Ganmo

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