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写真家②アンセルアダムス

マンレイを書いてから半年ほど経ってしまったが、久しぶりに買った写真集がアンセルアダムスで、非常に良かったので、ここにまとめようと思う。

アンセルアダムスは主に1920年代から50年代にかけて、アメリカの大自然と人間をモノクロで捉えた巨匠である。地球写真家と呼ばれるその特徴は、圧倒的な自然を切り取る表現力と私たちの自然を捉える考え方を変えてくれるロビー活動にある。実際、アダムスによって捉えられたヨセミテを筆者は8年ほど前に訪れたが、アダムスの写真はその雄大さを克明に伝えてくれる。また、その写真技法にも特徴があり、「プレビジュアリゼーション(前もって完成像を想定しておくこと)」も「ゾーンシステム(グレーを11段階の諧調にわけて、それぞれに最適な露出と現像処理を決定する技法。フレッド・アーチャーと1941年に考案)」が有名である。そこにある自然の姿を忠実に見るものに与えたかったが故に編み出された技法である。
アダムスの晩年はちょうど第二次世界大戦と重なるが、その中で出された『Born Free and Equal(自由と平等の下に生まれて) 』は戦争の間違えを指摘する必見の写真集である。また、晩年は生態の保存に勤しみ、あらゆる環境活動に名を連ね、自分の名前を最大限に利用し、自然保護に貢献した。このように自然の雄大さ、人間の矮小さを生き方で示した写真家と言えるだろう。

今回は以下の写真集を買ったので、その中で特に良かった写真を紹介する。


アンセルアダムスといえばなんといってもヨセミテである。
複数枚取られているが、その影の加減や雲の表情までいろんなヨセミテを楽しむことができる。あぁ、またアメリカに行きたい。

Yosemite Valley, Summer 1935

次はセコイアとその根っこである。
まるで木の根が動いていると感じるほど躍動感がある一方で、白黒だからか死を連想させる。その生と死の待遇感が感じられて、非常に好みな作品。

Redwood Roots, 1944

最後はネットで手に入らなかったので、実際に写真集を買って確かめていただきたいが、「The Castle」というキャピタルリーフ自然公園の岸壁を捉えた写真である。地層が何個も連なっており、その黒さに圧倒され、自然の歴史の重みに圧倒される。

ぜひ皆様購入をお勧めします。以上。

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