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マッチングアプリに舐められてると思った話。

さすがに彼氏がいないのはまずいと焦り始めたけど、もう副業で居酒屋バイトでも始めない限り新しい出会いがない。
"30代OL"という全く馴染みの無い言葉がもう射程圏内のところまで来ていて、昨日ようやくマッチングアプリを始めた。

前情報で、大抵のアプリは

・女性側は無料
・プロフィールを設定し、お互い条件を見ることが出来る
・写真についても同上
・お互い"いいね"がつけばマッチング

と聞いていて、実際私が使ったアプリともそこまで相違はなかった。
チュートリアルも丁寧で、こうしたらいいねを貰いやすい、とかトークをする際のアドバイスも細かくて、言われた通りにやっていくだけで、ほぼ全ての準備が整った。
個人情報の取り扱いや、写真の送り合いについても犯罪に繋がらないよう、AIで検閲したりしているようだった。

まず自分のプロフィールを作るのに結構時間がかかった。20以上の項目に答えて、自分の趣味や好みのジャンルをこれまた20くらい選んで、あとは自己紹介文を書く。
そうすると、自分と趣味や好みが合う人をアプリ側がセレクトしてくれて、ホーム画面的な所にわーっとたくさんの人が見れるようになる。気になる人がいれば見に行って、いいな、と思ったらいいねを押す。


始めてみて改めて思ったのは、
このツール、ディストピアすぎる。

そもそもタイトルの話以前に、顔写真と条件(趣味)だけで、いいな、と思えない。
文句をつけながら使うのがお門違いなのは重々承知だけど、リアルと出会いのプロセスが違いすぎて全然順応出来ない。
恋愛と関係のない、サブの部分しか分からないのに、そこでいいかどうか判断しないといけないのがハードすぎる。しかも、そこでほんとはいい人をはねてるかもしれないし。
これは私が特殊なだけかもしれないけど、趣味が違う人の方が、新しい世界が知れて魅力的だと思う。しかしそれをアシストしてくれる機能はおそらく備わってない。

そして1番引っかかったのは、隙あらば心理テストを受けさそうとしてくることだ。そしてもちろん心理テストの結果がその人のプロフィールのページに表示されている。
これにめちゃめちゃ興醒めしてしまう。
知り合う前からテスト結果知ってるの微妙すぎる。やり取りする中でその人の人となりを知っていくのがいいのに。
自分サイドも、心理テストの結果を公表することでわざわざ自分を枠にはめていくのは不利じゃない?

ましてやその結果同士を組み合わせてマッチングをアテンドするなんて、めちゃめちゃ舐められてるぞ。そこまでお世話しないといけないと思われてるのか。
仮に良い出会いまでの時短のためだとして、ここで時短するのは人間の尊厳のうちの何かを犠牲にしてる気がする。

とりあえず、
自己紹介の文字や条件、テストの結果は興醒めの材料にしかならないので、(アプリを利用させていただく身ではあるけれど、)自分なりにこのディストピアでの立ち回り方を考えた。

まず、写真と住んでる所以外は見ない。
自己紹介文は自分が書いていて思ったが、本人とは全然関係ない文章が出来上がる。変な人と思われない、ワンナイト目的だと思われない、モテない女と思われない、その一心で書いた文章のどこが私なんだろうか。誰でもなさすぎる。

その点、写真は良い。数少ない情報の中でたくさんのことを教えてくれる。文章と違って思い通りに作り上げることは難しいし、作り上げらた写真だった場合、こちらでそれがなんとなく分かる。あとは自撮りか他撮りかでも何となく感じるものがあるし、表情とかで若干その人の性格も想像出来る。
ここだけは自分のフィーリングで確かめられるヒントが多い。

まだアプリ上でのやり取りしかしてないから、この先、いざ会ってみたらどうなるのかは分からないけど、答え合わせな気がして少し楽しみではある。自衛の意識はそれなりにあるので、会うこと自体はあまり怖くないかも。


上げ膳据え膳のサービスに対して否定ばかりしてしまったけど、時代についていけてないのか、はたまたまだ30手前にもなって未だに愛だ恋だと言ってるだけなのか、どっちにしても背に腹は代えられないので、とりあえず今のままなるように進んでいこうと思う。

これだけ可愛げのない人間に真っ当な恋人が出来るのか、出来てもバチが当たらないか不安だけど、できる限り頑張りたい。
もしお付き合い出来ることになったら次はちゃんと相手の人のことを考えて、お互いが無理せず幸せになれるように努力しようと思う。


おわり!


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