内在的な動機、外在的な動機
何かを活動をする時には「動機」があると思います。
内在的な動機は自分の内側から湧き出るもので、
外在的な動機は外側にあるものです。
この言葉だけ見ると、さも内在的な動機が清いもので、
外在的な動機は意地汚いような印象を感じますが、
僕はそんなにはっきりと分かれているものではないと思っています。
そもそも、僕たちは生活するために仕事をしている側面があります。
その時点で外在的です。
良い暮らしをしたいから、家族に良い思いをさせたいから、理由はそれぞれでしょうけれど、だから仕事を頑張る、というのが実際です。
ただ、仕事をしていると、その仕事やそこにいる人との関係性が出てきます。
例えば、僕自身で言えば、妊孕性温存や不妊治療で悩まれる人に情報提供をすることは内在的な動機を持っています。
また、BOSSに心から感謝をしているので、BOSSのためになることであれば、労を惜しむことはありません。これも内在的ではあります。
ただ、これよりも内側に、そもそも家族の幸せを叶える、という最も内在的な動機がありますから、そこから見れば、BOSSへの感謝も、情報提供への思いも「外側」ではあります。
また、例えば、BOSSが突然なんの理由も告げずに、僕の給与をゼロにしたとします。
BOSSへのこれまでの感謝があるからといって、その後も僕は労を惜しまないのか、あるいは労を惜しむようになったら意地汚いのか。
そんなわけはないでしょう。
家族への幸せが蔑ろにされてしまうのです。
感覚的には年輪のように内側と外側は常に背合わせになって関係し合っていて成立しているものです。
今回のワールドカップで聞いた小話で、アルゼンチン代表には、優勝時に破格のボーナスが設定されている、という話を聞きました。
(家族3代が暮らせるだけのボーナス、だそうです)
国を代表するレベルでサッカーができる選手たちです。
サッカーに対しての内在的な動機なんて聞くまでもないことですね。
そういう人たちが集まり合って、戦っている場です。
そこから更にチームワークや熱量のために、外在的な動機をうまくコントロールしている。
その結果実現できるフットボールが、彼らにこのチームでもっと戦いたいという内在的な動機を形成していく。
そんな流れを感じます。
動機には内在的なものも外在的なものもあり、外在的なものが時間とともに内在化していくようなプロセスもあるってことだと思います。
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