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「がんばろう 日本!国民協議会」第18回埼玉読者会(R3.8月)

これは、「がんばろう 日本!国民協議会(http://www.ganbarou-nippon.ne.jp/)の機関紙、「日本再生」の読者が毎月行っている読者会のうち、埼玉の会の報告です。

「今回のテーマ」

① あなたにとってコロナ禍の影響は。
② 所属する組織が機能するためにあなたがどう変容するのか。 

【SUMMARY】
コロナで変わったのは、生活様式だけではありません。コロナ禍にあって生活を続けるために生み出された数々の手法は、同時に私たちの生き方を問うことになりました。自分の選択に自信をもって生きられる社会とは、どんな社会でしょうか。

選択肢の数だけ問われる私たちの生き方


コロナが世界に影響を及ぼし始めたのは約2年前。そこから私たちの生活は激変しました。当初は何が起こっているのかわからずパニックを起こした状態から今、まがりなりにも学校が再開し、制限がかけられながらも企業や店舗が活動を再開し始めました。以前と同じようで全く違う生活。具体的に日常生活の様々なところで起こったのは、「選択肢の増加」でした。以前学校は「学校に行く」「学校に行かない」の2択しかありませんでした。そこに、「オンライン授業」という選択肢が入りました。また、会社も、「リモートワーク」という選択肢が増えました。飲食店では「テイクアウト」や「デリバリー」ができるようになりましたし、コロナ対策のワクチンを打つか打たないかですら選択制で実施されています。
これは、私たちにとってのパラダムチェンジです。今まで「絶対」だと思っていたことがなくなるということは、コロナがあっても日常生活をストップさせないという単純なものではありません。私たちは従来のような「決まり事」をまもって生活すればよいわけではなくなりました。常に「どうするか」を自分で考え、方法を選択することが必要になってきたのです。
例えば学校に子どもを行かせるかどうかについて、必要だと思うから行かせる、感染が怖いと思うから行かせない。行かないと、授業以外の学校生活を享受することができません。反対に学校に行けば、感染のリスクは高くなります。学校は選択肢を提示し、それを選ぶのは子どもと保護者であるというわけです。どちらも間違いではありませんし、正解でもありませんが、「学校って何故あるのだろう」と学校側も保護者も考えることが求められます。

どの未来に向けて「機能する社会」をつくるのか


同様なことは社会全体にも当てはまります。リモートワークを選択肢に加える業種は就業に対する評価基準やチームでの仕事の仕方を再検討することになりますし、加えられない業種、例えば飲食などは営業時間の変更だけでなく、デリバリーを実施することに伴う従業員の確保やシフト調整、それに伴ったメニューや商品価格の変更などが必要です。ここで問われるのは「働き方」、「仕事」とは何かです。行政もまた、IT化が求められ、議会ではオンラインでの本会議や委員会開催の解禁を促す声もあがりはじめていますが、これも単純に効率化やペーパーレス化のためだけに検討するわけではないことは明白です。
選択の先にあるのは常に「これからどういう社会を望むのか」というビジョンです。選択には必ずメリットとデメリットが存在し、多方向からの意見が出されます。今まで当然と思ってきたことの何を守り、何を変えるのか。その結果は望ましい未来の実現のためであるべきで、意思決定の場面でそのことが共有化されていなければ、「機能する(十分に役割をはたす)」ことが出来ず、同時にどう機能するのかという内容さえ変わってしまいます。今様々な自治体で行われている選挙もまた、私たちの選択で成り立ちます。自分がこの地域に生きるとは、という「人権」の視点で候補者の訴えに目を通してみると見え方も変わってきます。

社会的な関係性のみが「誰一人取りこぼさない社会」をつくる


共通の認識を持つには、家族、職場、地域など、従来の関係はそのままに、その関わり方を新しく変えていこうという意識と努力が必要になります。異なる年齢、性別、価値観を持つ人たちが目の前にある問題を解決するために意見交換し、合意形成をしていくわけですからやりにくいし、自分と同質性の高い人とだけで結論を出したくなることはよくわかります。しかし、簡単ではないと認識しつつそれでも他者と関わり、社会的な関係をつくって行かなければ、各自の意思のもとに選択を行っていくことが求められるこれからの社会の中で、自己を肯定して生きていくこと自体が難しいものとなるでしょう。他を受け入れることは自分も他に受け入れられることにつながります。その延長線上に「誰一人取りこぼさない社会」があるのではないでしょうか。
生きていくことは選択の連続です。自分で選択することで自分の人生の可能性が広がる、そんな当たり前の社会の実現は、コロナによって加速されていくのかもしれません。

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