ある山の麓の宿泊施設



この話は、私がある会社の新人研修で宿泊した施設での話です。
その研修は、1ヶ月にわたり全国約150人の新入社員が合同で研修を行うものでした。
その宿泊施設はあの高くて有名な山の麓にありました。
研修の間は全員が共同生活です。
一部屋にリビングとバスルーム付きの寝室が2つ、各寝室にはベッドが2台ありますので、4人部屋でした。

毎日、朝から晩まで社会人のマナーや業務に関する知識に試験。
1日が終わる頃にはベッドに倒れ込むように眠りについていました。

研修生活にも慣れてきた頃、何か違和感を感じてを覚ましました。
部屋の電気は消しているので暗いのですが、隣が少し明るいのです。
隣のベッドにいる同期が携帯でも見ているのだろうか?
ふと同期の方へ顔だけ向けました。
私のベッドと隣のベッドの間は、通路として人1人分くらい空いています。
その隙間にしゃがみ込むように携帯を覗き込んでいました。
ベッドでなくわざわざ隙間で携帯を見ていることが可笑しくて、フフッと小さく笑ってしまいました。
その瞬間、携帯を見ていた顔が勢いよく振り向いたのです。

え?誰??何??なんで??

そこに居たのは知らない女の人でした。
訳もわからず頭の中はパニック状態。

そして、次に気付いた時には朝でした。
慌てて隣を見ると、そこにはベッドで静かに寝息をたてて眠る同期。

その後、その女の人に出会うことはありませんでした。
私の他にも数人がその研修中に不可解な出来事に出会ったそうです。
あれは一体何だったんでしょうか。

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