見出し画像

ハラスメント~極~

気持ちの切れそうな毎日を過ごすこと、約2ヶ月半。

僕は、あと2週間この地獄を耐えれば、元いた職場に戻ることが出来ることを支えにしていました。

そんなある日のこと、本社から統括部長が現れてこう言いました。

「お前もここにもう慣れたやろ。ここが人手不足なのは知っとるよな?ここにいればすぐに昇進させてやるぞ。だからここに残れ。」

いやいや、まてまて。
そもそもそちらの都合で応援にくることになって、元いた職場を離れる前にも、ここに戻ってきてやることがたくさんあるので、3ヶ月だけの約束でいいんですよね?
と何度も確認したではないか。

それを何を勝手に決めとんや。個人の意思も約束も無視かい。

と憤りを感じたのですが、穏便に済ませたかったので、元々の職場の店長や主任に相談をし、僕を返して欲しいということを伝えてもらい、無事にやりすごすことができました。

そんな矢先の出来事。
新台入替の準備を終え、朝4時すぎにバイクで帰宅をしていたとき、一方通行の道を走っていたら、後ろから車に追突され、僕は路肩の植木につっこんでしまい、その時に右足首の捻挫と尾てい骨にヒビが入る怪我をしました。

追突してきた車は即座に曲がっていってしまい、色も車種も見えない状態で逃げていきました。

8時半には出勤をしなければならなかったのですが、座っていることも立つことも出来ない状態になってしまったので、すぐに会社へ連絡し病院へ向かいました。

警察にもいったのですが、近くに防犯カメラがなかったことと僕が車を見れなかったことにより追いかけることが出来ず、犯人は見つかることはありませんでした。

そして歩くことが出来なかったので、休ませてもらっていたのですが。おおよそ2週間がたったころ、統括部長が家の下までやってきてこう言いました。

「事故証明を持ってきても労災はおりんぞ。それとウチには休暇の手当なんかはないからな。それは納得してくれ。それでどうするつもりやこれから。」

と言われ、
「来週から戻りたいと思います。一応確認なのですが、3ヶ月で元の職場に戻して頂けるんですよね?」

と聞いたところ、1度前の職場の店長と3人で話をしようと言われ、2日後に会うことに。

その時の会話の中で違和感を感じることがいくつかあったので、元の職場の店長と主任に連絡をした所、事故をしたことは聞いているけど、僕がいつまで経っても事故証明も持ってこず休み続けている。どんな教育をしているんだ。
と、お叱りを受けたと言われました。

なので、僕は全ての事実を言ったところ、店長が

「この会社めちゃくちゃやろ。だーすけ、お前はまだ若いんやから、やり直すなら早めに決めなあかんぞ。俺の個人的なことを言えば、お前におって欲しいが、お前の人生を考えたらオススメは出来んし、不満があるなら直接統括部長にいいなさい。」

と言ってくれました。

なので僕は、

ここまで我慢してきたことを前部吐き出してやろう。

と、心に決めました。

そして、店長と3人での話し合いの際、統括部長が

「いつまで経っても事故証明も持ってこず休みやがって!この給料泥棒が!」

と発言したことを機に、僕は爆発しました(笑)

「お言葉ですが、そもそも事故証明を持ってこなくていいからな。と仰ったのは統括部長であり、この間の給料は出ない。そう僕に仰いましたよね?労基に持ち込んでもいいんですよ僕は。でも、そうしたら統括部長のことはいいにしても、僕が尊敬している店長や主任、この店のスタッフに迷惑がいくから行かないんです。真実と異なることを言われることや、ふたつの店舗の間で、内容の違う発言をするのはやめてもらってもいいですか?僕はこのグループを良くしたいという気持ちに偽りは無いですし、出来ることなら頑張りたかったですが、あなたがいる限りここでは働けないです。」

僕は言い終わったあとに言いすぎたなーと若干後悔をしかけていたのですが、統括部長の後ろで聞いていた店長は、僕を見ながら笑顔で親指をグッと立てていたのを見て、これで良かったんだと思えました。

統括部長はかなり怒りながら、
「お前みたいなもんはいらん、今すぐ辞表を書け」
と言ってきたのですぐにサインをし、元々いた店舗の社員全員とスタッフに謝罪と感謝を伝え、店を出ていきました。

後日、お店の備品を戻しに行った時に店長はめちゃくちゃ笑いながら、
「聞いてて気持ちよかったわ、お疲れ様。またどっかでな!」
と言ってくれ、社員もバイトの方々もたくさんの声をかけてくれました。

本当のことを言えば、僕はあの店の稼働をあげたかったし、本気で変えるつもりでした。
それが志半ばで終えてしまったことは本当に悔しかった。

次回は無職の男が翻弄していくお話。
そして、自分を変えるチャンスが訪れます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?