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改めて樂しく生きると決めた2020年

劇団ノーミーツが始まってから1年ということで、
”わたしと、一年目の劇団ノーミーツ”というテーマでnoteを書くことなりました。

ああ、どうしようかな。筆が一向に進まない
実は僕は自分という人間にあまり興味がなく日記やSNSとかもニガテなタイプなんです。
ただせっかくの機会なので自分とこの1年を振り返ってみようかな。
まとまりの無い文章になってしまいそうだがノーミーツと共に走り続けたこの1年を振り返ってみたいと思います。

※このnoteは劇団ノーミーツ1周年記念企画「劇団員24人全員がnote書く」のひとつです。劇団ノーミーツ プロデューサーの菅波和也が書いています。
その他の劇団員のnoteはこちら

全くノーミーツではなかった僕

時系列に綴ってみようと思うのでまずは遡ってノーミーツ加入以前のお話を。

コロナウイルスでイベントや外出自粛を余儀なくされる前(去年の2月あたり)まではOut Of Theaterというプロジェクトを現ノーミーツ主宰の広屋と一緒に行っていました。

Out Of Theaterは劇場を飛び出し、公共・都市空間で"没入型(イマーシブ型)エンターテイメント"を企画制作するカンパニーです。

Out Of Theaterの活動は上記の概要通り、普段ステージで活躍している役者の方々が劇場を飛び出して公共空間や都市空間といったステージでは通常無い場所をエンターテイメントな空間へと彩るプロジェクトといった感じです。(百聞は一見にしかずなコンテンツばかりなので動画貼っておきます)

例えば横浜元町ショッピングストリートという石畳の景観が特徴的な商店街があるのですが、この街の年間行事の目玉イベントとして『STREET THE MUSICAL』と題して街中全体をステージに見立て行うショーをここ数年継続して行っていました。

その他にもWIRED Shibuyaさんに協力いただき企画したウエイターが全員ミュージカル俳優のレストラン『Musical Diner』
注文を受けたり料理を運ぶウェイター達が、順番にマイクを取って人気ミュージカル曲や最新ポップスをお客さんの目の前で歌いながらパフォーマンスしてくれます。

4万本の薔薇に包まれて血の美食を楽しむイマーシブレストラン『喰種レストラン』
会場は非公開で案内された特徴も無い駐車場に到着するとマスクをつけたサービススタッフが現れ会場までご案内するといった具合にシームレスに現実世界から原作の世界観へと誘導しました。

その他の企画は以前綴ったnoteがあったのでこちらで

といった具合に全く"no meets" ではなく "三密" を極めたイベントをつくっていました。

このOut Of Theaterの前身となる活動も含めると広屋とはかれこれ9年(いや今年でもう10年かも?)一緒に企画つくりの活動していまして、なんでこうもずっと一緒にやっていけるかというとやはり"好き"と感じるポイントというかストライクゾーンが結構近いんですよね。
企画事でブレストをしていてコレだ!ってなるポイントが近しく見てみたい未来が走り続けつつ模索しながらでも近いのだと思います

僕の"好き"の話を少しすると、上記のような企画をしている時間が一番幸せな時間なのですがプライベートだとテーマパークが大好きで、あのワクワクする要素やギミックが詰め込まれた街(空間)が好きなんですよね
小学5年生くらいだったかな、某テーマパークはパーク内で挙式があげられるのですが実際に挙げているご夫婦を見て自分も将来結婚するとしたらここでやりたいな〜なんて子供心にぼんやり考えてたのですが、一昨年思い切って実行に移して妻との挙式はそこで挙げました。(神父ではなく架空の港町の市長に結婚を認めていただきました 笑)

そんな感じでテーマパーク的な空間に対しての好きが溢れて、日常的な空間にもテーマパークで感じるワクワクがあったらどうなるだろう?という妄想を膨らませながらイベント企画していました。

全部のプロジェクトが消し飛んだ3月

前述した通り本当に三密を売りにしていたような企画ばかりだったので、コロナウイルスにより外出やイベントが自粛となっていく中でもろに真正面から打撃を受けていました。
2020年に準備していた企画はいくつあったかな、20〜30ほどの企画がもろとも全部中止になり継続して受託していた横浜元町の周年祭などは街のイベント自体が無くなるなどまさにお先真っ暗な状態でした。(ちょうどこの頃、Out Of Theaterを基軸に広屋と藤原と会社化をしようと準備も半年くらいかけて行っていたので本当に0になりました 笑)

ただ止まっていてもどうしようも無いので、今できるエンタメをと3人でzoomをつなぎ遠隔でブレストを幾度もしてました。

そこで出たいくつかのアイデアを実行に移すことになり、広屋はzoomを活用してオンラインで演劇的なコンテンツが作れるのでは?というアイデアの種を模索してもらい、僕はご当地ゆるキャラや浅草なら忍者など自宅までキャラクターが食事をデリバリーしてくれる『キャラデリバリー』という企画の制作に没頭していました。

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緊急事態宣言が発令された4月7日はちょうどこの企画に賛同してくれる店舗を探して1件1件「○○さんのテイクアウトメニューを恐竜がデリバリーする企画でして〜」テレアポしていたのを覚えてます。

飲食店やパフォーマーの方々など多方面からの協力もあり有難いことに、この企画は無事実施することができテレビニュースなどのメディア媒体にもいくつか取り上げていただきました。

当日も世田谷エリアの進行を担当していて自転車でフルマラソン並みの距離をパフォーマー(恐竜)と移動していたのですが実施日がこどもの日ということもありほとんどが小さいお子様のいるご家庭からの注文で自粛期間で記念日も外出できない中届いたエンタメ体験にこどもたちが喜んでくれているのを見て、やはりこの状況下でもエンタメは続けなくてはと感じた感慨深い体験でした。

ノーミーツに加入した4月

キャラデリバリーの企画と平行して広屋が進めていたオンラインで演劇ができないかという線が形になり始めていると彼から電話が入った。
「オンラインで演劇ができるかも?!」と彼から話があり今日色々試しているから様子見にきてとzoomに招待されたのがノーミーツに関わることになった初日でした。
広屋の友人の林くんと小御門さんそして役者のオツハタさんと上谷さんがいてちょうど1作目の短尺動画作りにトライしている頃です。
最初はオンラインで演劇どのくらいできるだろう?なんて思ってた自分が恥ずかしい(アナログイベントを長年企画し続けていたせいかバイアスにまみれていました)
それからは本当にものすごいスピードで創作活動がスタートし、1作目の作品を公開するタイミングで「プロジェクトのロゴ必要じゃない?!」となり取り急ぎ間に合わせのお手製ロゴを作ったりしてました(その後すぐにデザイナーのみなみ氏(目黒)に声をかけて今のノーミーツロゴを作ってもらいました)

短尺の動画からスタートしオンラインでの長編演劇、企業案件といままで自分の創作活動では通ってこなかったオンラインでの挑戦がたくさんありましていままで体験してないことがもちろん作り手としてもたくさんあるので大変さと面白さに挟まれながら日々活動してました。

もちろん世間的な事情もありなんですが、プライベートも仕事もあまり家に篭るタイプではなかったので、今までの人生でこんなにも家にこもり企画作りをしたことはなかったなと、でもすごく楽しいんですよね。

僕自身ノーミーツでは主に企画制作プロデュースを行っていて企業案件を中心に自主公演などこの1年で多数のプロジェクトに携わらせてもらってます。
ノーミーツのみんなと出会えたことでこんなに新しい世界がみることができて本当に感謝しています。自分では切り開けなかったであろう世界に飛び込むことができていることに本当に感謝です。

VIVA LA VALENTINE

この1年で多くのノーミーツのプロジェクトに関わらせてもらったけどその中でも一番思い入れが強いのが、サンリオエンターテイメントさん(ピューロランド)と共同で制作した 『VIVA LA VALENTINE』です。

ノーミーツが始動してちょうど半年くらいたった秋口くらいにお問い合わせフォームからサンリオエンターテイメントのプロデューサーの方から一緒にオンラインコンテンツを作りませんか?と連絡があったのですよね。
この記事を書いていて全然まだまだ整備されているとは言えないHPの問い合わせフォームから連絡をくれたって相当奇跡というか巡り合わせだなと思います。
テーマパークが好きな自分としては「何がおきているんだ!??」と喜びより驚きの方が大きかったですね。
即時一度zoomでお打ち合わせをお願いします!とメールを返し1週間後にはピューロランドへ足を運んでいました。

本作は閉館後のピューロランドを使って生配信を行うのですが描いているお話も"生"というかピューロランドの閉館後をお届けしています。
予告編の動画を見ていただけるとわかりやすいのですが実際にバレンタインに実施をするオンライン配信のショーをピューロのみんなが汗水垂らしながら頑張って制作していて本番ギリギリになってスポンサーであるバイアス製菓に無理難題を押し付けられることになってしまいます(働いる方だとシチュエーションこそ違えど経験あると思いますが胃が痛くなるやつです)

今作はギミック的な側面では生配信であるがための効果的な演出は少ないのですが、物語として当日ピューロランドで本当に行われていることに意味がある作品だと思っており、本番当日を迎えるまでの過程もリアルタイムに沿って公開していき当日のオンライン配信が生であることへの意味を最大化しました。

閉館後のピューロランド全体を使って行う演劇コンテンツということもあり、ノーミーツとして初のかなりアナログなスタイルでの作品つくりともなりました。
個人的にはとても懐かしい感覚でもありフィジカルなコンテンツつくりを好きで得意としていたこともあり半年間があっという間でした。

パーク内を移動しながらの演劇ということもありイマーシブコンテンツ作りやステージでない場所でショーコンテンツを作っていた経験も生きて良かったなと、
あと個人的にはコロナでほぼ解体状態にあったOut Of Theaterのスタッフをアサインできたのも嬉しかったですね。

閉館後のピューロランドから生配信でリアルタイムで起きていることを届けるということでワンカットで生配信をするということが今作の1番難易度が高いポイントだったのですが、毎日のように閉館後のピューロランドで稽古やシミュレーションを行い、テクニカルスタッフのメンバーもノーミーツの藤原を中心に未知のチャレンジを日々試行錯誤しながら作り上げていきました。本当に関わって頂いたみなさまに感謝です。
チャレンジな作品なので超えるハードルが無数にあるにも関わらず最後まで僕らと並走して頂いたサンリオエンターテインメントの皆さんにも感謝しきれません。
そしてお客様に届ける絵を最後までこだわり抜いてがむしゃらに全うしてくれたカメラマンのたなけんの勇姿もこのnoteを読んで頂いてるみなさまに見ていただけると嬉しいです。(GANTZの100てんめにゅ〜〜じゃないと手に入らないタイプの武器を身にまとってるのがカメラマンのたなけんです)

撮影の裏側冒頭11分を公開しています。今見てもすごいカメラだ、この巨大な装置を担ぎながら50分ひと時も集中力切らさず撮りきってくれたのです。

そしてパパになりました

この1年で自分の中で一番大きかった出来事はこどもが生まれたことでした。
ちょうど1作目『門外不出モラトリアム』と2作目『むこうのくに』の間の出来事でした。

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生後1ヶ月の樂。この頃はなにも出来なかったのに、今やミルクよりりんごジュースの方が好きだし、少しでも目を離すといたずらしてるからこどもの成長って本当に早いなあ

生まれてきてくれたこどもには、自分がワクワクすることに向かって素直に生きて欲しい、自分と関わる人が楽しいという気持ちになれるような生き方をして欲しいという気持ちを込めて「楽しい」の旧字体で樂と名付けました。(初期のヤムチャの背中の文字と一緒です)

親バカってあるじゃないですか、もうね正に自分も一般的なそれでしかなくて毎日カワイイ!カワイイ!って妻とこどもがいる生活を楽しんでいます。

早いもので既にこの記事を書いている時点で9ヶ月でお座りして離乳食は食べれるし、オンラインMTG中でかまってあげれない時は歩行器に乗ってぐんぐんデスクに近づいてきて有線LANのプラグを引っこ抜かれます(多分このコードを引っこ抜けば構ってもらえるのを理解してます 笑)

今後ノーミーツは時代に合わせて作るアウトプットも進化して変化していくと思うし、自分としてはオフラインとの掛け合わせや日常との接点を持った企画も仕掛けていきたいと思いつつ、樂が物心ついた時に楽しいと思ってもらえるコトをつくれるよう企画人として生きていきたいと思います。

終わりに

僕は関わってもらえる仲間に本当に恵まれている人間で、
自分が今現在大好きなエンタメに関われているのは身の回りのこと(特にこの1年は子育て)を全面的に協力してもらっている妻のおかげでいくら感謝してもしきれないです。
ノーミーツのみんなも気持ちの良い人ばかりで、自分のこの環境をすごく理解してくれていてかつプロジェクトはがっつり任せてくれて、とても良いコミュニティなんです。

きっと色々今後形は変わっていくと思うしメンバーも増えたり変わったりするかもしれないけど今のマインドを保ってみんなと創作活動が続けていけることを願っています。

僕自身のためにも、生まれてきてくれた樂のためにも、これからも心がワクワクすることに生きていこうと思ったところで僕のnoteは書き終えたいと思います。

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