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ミニオンになりたい


ミニオンという生物を知っているか。

どんな生物かというと、ユニコーンのぬいぐるみを買ってきてと言われスーパーに行き、振ったコーラを口に含んで空を舞ったりなんやかんやして、最終的にトイレのブラシに目玉を付けた謎の物品を持って帰ってくるような生物のことだ。

同僚がバナナを食べようとしていたら美味しそうなので奪い取る生物だ。

まずいジャムを口に含んで1匹が「アァァァァァァァァ!!!」と叫んだら全員で「アァアァァァァァァア!!!」と叫びながら右往左往する生物だ。

悪のボスに付き従い、あらゆる悪事に協力する生物だ。




それになりたい……;;




私は疲れていた。何にという部分は重要ではない、重要なのは、人間以外の生物になりたくなるほど、人間として生きるのはしんどいということだ。


ふと左手の薬指を見るといつ出来たのか分からない真新しい擦り傷がチクチクと痛んでいた。そんな小さな傷までもが、私の心をすり減らす状態だった。



そこで私は考えた。どうにかしてミニオンの気分だけでも味わえないか。私でも出来そうなミニオンの行動……。


そうだ、壁にクレヨンで落書きをしよう。
そう思い立ったのは自然なことだった。


しかし家は賃貸なので、落書きを壁にはっつけることにした。妥協だ。



……まあそうと決まればとにかくクレヨンを買えば良い。100円均一に赴き、クレヨンのみを購入した。

ダイソー最高!信頼と実績!信頼と実績!

とりあえずボブくんを描いてみようとクレヨンを手に取る。(※ミニオンには個体ごとに名前が付いている)


カキカキ……


カキカキ……


カキカキ……

描けた

………………。




なんか……楽しい……!




絵を描くタイプの人間として、やはり上手く描かなきゃ……という呪縛があるのだが、そもそもクレヨンで上手く描こうなんて気が起こらない!


まさに童心に帰ったと言うべきか。下手でもなんでもいいお絵描きって……衝動をそのまま描き殴っているのが、紙に油の塊を塗りつける行為から感じられる。


貼ってみた

成人済み女性の部屋に突如小学生のお絵描きのような紙が出現した。


ええやん……。
幼児退行(誰にも迷惑をかけない)って感じだ。




もう1枚くらい描いてみよう!!!!



強く握りすぎてクレヨンが折れた。
ノスタルジーを感じた。



カキカキ……



カキカキ……


まずいジャムの瓶を床に叩きつけ割った場面。
私が一番好きな所である。


描けた!!!!!!

今回はルーズリーフを2枚くっつけてみた。
ちなみにルーズリーフなのはそれぐらいしか紙が無かったからである。私の見立てでは、もう使わないクソデカ方眼紙が余っていた筈だったのだが、無かった。


これも貼ってみた

……うん!なんか良いジャン!


絵を描いたことで、ひいてはそれを記事にすることで、何かを「成した」ような気分になり、だいぶ己の機嫌が良くなった。素晴らしいセラピーである、少なくとも私には。

みんな(?)も久しぶりにクレヨンでお絵描きすると楽しいかもしれません。


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