映画やテレビドラマの脚本書きを生業としている兄は職業柄収入が安定しないにも関わらず、あそこが悪い、そこが痛いなどと病院通いを繰り返す。
そこに「主治医」とやらがいるらしいのだが、いくら通ったって「悪い」「痛い」が治らないのであれば、それはヤブか、詐欺師である、と僕は思う。
医者嫌いで、朝から酒を飲み、それでも健やかに生きる85歳の老人を父に持ち、気まぐれでかけてくる電話ではいつも「肉体の問題ではなく、お前のココロの問題だよ」と毎回言われているにも関わらず、改めようとしないのは、結局のところ、病院に行くことがどこか精神の安定に繋がっていて、その口実を作るために肉体を犠牲にしているのだ、と最近は思うようにしている。
お金が貯まらない人の特徴、みたいなネット記事を読むと大抵、カフェでテイクアウトのコーヒーをよく買うとか、コンビニで買い物をする人といった内容が書かれているが、この「病院好き」こそが老後の経済的安定を脅かす最大の要因の一つであるということに気づくべき人は兄ばかりでなく、世の中には多そうな気がしている。

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