六本木ヒルズの裏にさくら坂公園という小さな遊び場がある。土日に前を通るたびに可笑しくて吹出してしまうのだが、当事者(子ども)に対し両親二人が一挙手一投足を隣りで見守っているので、公園内はすし詰めとなり、子どもが自由に走り回れるようなスペースを誰よりも大人たちが奪っている光景。
連休で妻の実家に帰った際、札幌で暮らす中学生になる甥のリトルリーグチームが、実家から車で1時間程度の距離にある滝川まで遠征に来るとかで、試合観戦のスケジュールが組み込まれていた。そのチームや甥そのもののレベルも特段高いわけでもないのだが、子ども一人に対し母親、時には両親が、自身の子どもの身の回りの世話や、チームの雑用に奔走していた。翌日の試合会場は函館で、義兄夫婦やその他の家族は、それぞれ自家用車で5-6時間かけて移動をし、その日の晩は函館のアパに泊まるのだという。
わたしの時代とは子どもに対する親のスタンスは明らかに変わってしまった。子供がいないわたしに、正しい、正しくないを言う資格はないが、唯一断言できるのは、いまの時代に「子どもはいらない」は正解、ということであった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?