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【挫折学】講義⑦「自信がある場合ほど、挫折した時のショックも大きい」

挫折によるショックの大きさについては、成功確率や自分に対する自信、これまで築いてきた価値観なども関係してくるかもしれません。その目標や夢が自分にとって遥か遠くにある人と、達成可能な現実として捉えている人とでは、挫折に対するアプローチも変わってくるでしょう。

  • 「優勝確実」

  • 「プロ入り間違いなし」

  • 「合格判定 A ランク」

そんな期待を自他ともに背負っていた方が、もしそれを実現できなかったとしたら、そのショックたるや想像に難くありません。

それまで明確に描いていた将来像が音を立てて崩れ落ちていくようなイメージでしょうか。

持っていた自信やプライドも大きく揺らいでしまうでしょうし、周囲も大きな期待をかけていることが多いため、そういった人たちを裏切ってしまったという申し訳なさや後ろめたさも付きまとってくるかもしれません。

自分のこれまで重ねてきた努力は何だったのか。あれだけさまざまなものを犠牲にしてきたのに……という否定的な気持ちに苛まれることになるでしょう。

自分の人生の大半をそこに賭けていた場合は、それこそ人生が全否定されたような気持ちになるかもしれません。

プロの世界などは、それこそ人生の大半をそこに賭けなければ手の届かない舞台かと思いますが、それだけ賭けても、ほとんどの方がたどり着けない舞台でもあるのです。

一方で、たとえ勝負に負けたり、何かにチャレンジして失敗したりしたとしても「挫折」とはならないケースもあります。それは、そもそも勝ったり成功したりするイメージがなかったケースです。自分自身、客観的に、「難しいだろう」「さすがにこの相手には勝てないだろう」「これは記念受験だから、駄目でもともと……」と思っていたのであれば、その事実が自分を幾分慰めてくれることもあるでしょう。「やっぱり自分には手の届かない夢だったか」と。こうした意識で臨んだ試合や試験でたとえ駄目だったとしても、それは自分にとって想定内の結果なわけですから、忘れることも早くできるでしょう。こうした逃げ道を持っていた人は、その良し悪しはともかく、比較的切り替えもしやすいかもしれません。

しかし、結果を出すことに自信があり、かなり強く成功イメージを抱いていた場合はそうはなりません。

そのイメージを鮮明に抱いていればいるほど、それが叶わなかったときのショックも強烈なはずです。

さらには、そのイメージ通りに活躍している他者を見ては、自分とのギャップに愕然とするかもしれません。

そして、時を経ても、その成功イメージと現実とのギャップに苦しむかもしれません。

であるなら、そんな自分を苦しめるイメージなんて最初から持たなければいいじゃないか、と考えてしまいそうですが、もしそのイメージを持っていなかったとしたら、そもそもその対象に対して、そこまで努力できていなかったでしょう。

  • 「絶対こうなる!」

  • 「あの場に立つんだ!」

  • 「あの人のようになりたい!」

そう強く思う力が、日々の原動力になることは間違いないからです。その原動力が、達成されないことが分かった途端に、自分を苦しめる。なんとも皮肉なことです。

(【挫折学】講義⑧につづく)


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