見出し画像

「人生忘れえぬ本」day3「さいごの番長」

「人生忘れえぬあの本」day3は、「さいごの番長」です。いつから読んでいたか、いつ本を購入したか、記憶が辿れません。「ナルニア国ものがたり」と同様、学校の図書館かもしれない。あるいは少年マガジンか何かに連載していたのを読んだのかも。いずれにしても、中学時代には、講談社から単行本になったものを持っていました。

さいごの番長

 貧困から希望も持たず、喧嘩三昧の生活だった香月が、腕のやけど(ひじの内側にロウソクを立てて火をつけ、ロウソクが燃えて短くなるのをどこまで我慢できるかを競うタイマンチキンレースの痕が化膿)で入院し、そこで出会った主治医から初めて人間として扱ってもらう。入院中に医学に興味を持つものの、他の医師から侮蔑的にあしらわれ、家族を悪く言われ、爆発してしまうところが一番心に響き、読むたびいつも、そこで泣いた。

 高校1年の夏から半年、自分が骨折で入院した時は、この本を家から持ってきてもらい、毎日のようにベッドの上で読んでは目を真っ赤に泣きはらしていた。ある日T大に通うテニス部のOBがお見舞いに来てくれて、「これは何?」と聞くので「私の愛読書です」と答えると、「ふっ」とハナで笑われたことは、今もはっきり覚えています。所詮は少年雑誌に連載するような部類のものを「愛読書」とは、みたいな? はい、愛読書でござんす!

1冊の本を書くためには長い時間が必要です。他の単発の仕事を入れずに頑張ることも考えなければなりません。よろしければ、サポートをお願いいたします。