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男性演者向け 甘いだけじゃ物足りない! ダークな大人のバレンタインシチュボ5選

チョコレートは甘いだけじゃない。苦いのもあれば、ときとして毒にもなる。そんなダークなシチュボを5作品書きました。男性演者さまを想定していますが、演じ方や多少のアレンジで性別問わずご利用いただけると思います。


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ダークな大人のバレンタインシチュボ5選

1.カカオ80%の偽装

ようこそ。バレンタインの館へ。
わたくしは、この館の主で、鈴木と申します。

さて、ここに集められた5名の皆様。自分がなぜ、こんなところにいるのか、不思議に思っていますよね?

みなさま、お気づきですか? あなた方には、共通点があります。ここまで言っても分からないのなら、教えて差し上げましょう。

あなた方5名は、全員殺人犯です。

否定するおつもりですか? 
たしかに、みなさんは法の裁きは受けていませんが、1人の女性を殺しているんです。

まずは、佐藤社長。あなたは自社の食品偽装の隠蔽を田中部長に命じました。そして、田中部長は山田係長に全ての罪を被せる形で解決しようと画策。しかしその作戦は林課長にバレてしまいます。

しかし、山田係長と林課長は、全ての責任を現場に押し付けるというアイディアを提案。これを採用した田中部長は、川島店長に全責任があるとして、川島店長をクビにすることで、全てを終わりにしようとしました。

ここまでは間違いないですよね? 
全く、有名ショコラトリーの実態がこれなんですから、腐っているにも程がある。

ただ、その腐食したチョコレートの中に私の妹を混ぜたことは許せません。

ねぇ、川島店長……? 
あなたは自分に着せられた濡れ衣を、一従業員である鈴木愛に押し付けました。

愛は犯していない罪に悩まされ続け、職場では陰湿ないじめに遭い、耐えきれなくなり自殺しました。

それをあなたたちは、妹が犯行を認め、罪を償うために自殺したと発表したんです。

さて、説明はこの辺で終わりしましょう。

あなたたちには、ゲームをしてもらいます。

ここに5つのチョコレートがあります。
ショコラティエだった妹が開発したレシピを、同じくショコラティエである私が再現したものです。

このうち4つは美味しいチョコレートです。ただし、1つだけ、毒入りチョコレートが入っています。

さぁ、みなさん、お好きなチョコレートを手に取って、お召し上がりください。

死ぬ確率はたった20%です。食べないなら、飢え死にするまで、この館に居ていただくことになりますが、よろしいですか?

いやなら、とっとと食え!! 死が目の前にある恐怖を思う存分味わえ!! 愛はその何倍も何十倍も辛くて苦しい思いをしたんだよ!!! ほら、食えよ!!食わないなら、口にねじ込むぞ!!!!

…… 全員食ったか?

死ななくて安心してるところ申し訳ないが、俺も君たちと同じ人間だから嘘を付くんだ。実は、毒は全てのチョコレートに入っている。
効くまでに30分はかかるらしいから、死ぬ間際の時間を楽しむんだな。

それじゃ、俺もこの最後の1個を食べて、愛のところに行くよ。

……うん、なかなか美味いな。
できれば、愛が作ってくれたものを食べたかったよ。
ホワイトデーは、あっちで作ってくれるかな?

2.VIPなショコラ

本日はショコラトリー・HEAVEN(へぶん)のバレンタイン新作試食会にご来場くださり、誠にありがとうございます。

和洋中の垣根を越えて、世界に愛されるチョコレートを目指した今回の新作は、甘いものから苦めのもの、刺激が強いものなど、様々なテイストをご用意しております。

もし、これだけで満足できない方は……招待状に書いた暗号を解いていただいた上で、地下にあるVIPルームにおいでください。

当店の名前の通り、生きながらにして「天国」を味わえる、最高級チョコレートをご用意しております。

そこで出されるチョコレートを食べれば、あなたが溜め込んでいる疲れは一瞬で吹き飛び、まるで羽根でも生えたかのように心も身体も軽くなります。全ての悩みやストレスからも、解放されるでしょう。そして、これまでに経験したことのないような、素晴らしい快楽があなたを優しく包み込んでくれます。

もちろん、この体験はVIPルームだけの秘め事でございます。ここにいらっしゃるお客様に限って、この神秘体験を外部に漏らすなどということはあり得ないと信じておりますが……もし、誰かに口を滑らしてしまったら……そのときはどうなるか、お分かりですよね?

チョコレートは甘いだけではなく、時として毒にもなるということを、お忘れなきよう……。

3.Mother(マザー)

うわぁ。手作りチョコとかまじキモイ。
しかも名前も書いてないじゃん。こんなん食えるわけないだろ。
こんなゴミ以下のもの、俺に渡すんじゃねーよ。
捨てるのすら手間だっつーの。

……ん? ママ? なんで泣いてるの? 
え?! あれ、ママが作ってくれたチョコだったの?!
いや、名前書いてなかったから、どっかのキモイ女が贈ってきたんだと思って!! 
ごめん!! ママが作ってくれたなら、すぐ食べるよ。
だってママの作るお菓子は最高に美味しいからさ。

ママ、大好きだよ!! 愛してる!!! 
僕のためにチョコレート作ってくれてありがとう!

4.聖職者

(※ ○○には女性の名前を入れてください)

なぁ、知ってるか?
バレンタインっていうのは、元々は愛の聖人と呼ばれているウァレンティヌスが処刑された日なんだよ。

現在のチョコレートを贈るような甘ったるい日になったのは、誰かの金儲けのためだろうな。まぁ、そんなことはどうでもいいか。

ただ俺は、行事は正しく行うべきだと思ってるんだよ。だから、今日ここでお前を処刑する。何の罪かって? 俺の愛する○○と勝手に結婚した罪だよ。

今ごろ、お前の家では○○がチョコレート作って待ってるんだろうなぁ。残念だったな、食えなくて。でも安心しろよ。お前を処刑したあと、あいつも処刑するから。

俺の愛を無視したお前らには、当然の報いだろう? 
まぁせいぜい、あの世で仲良くやれよ?

5.ラストチャンス

なんだ? このチョコレートは。
あぁ、バレンタインか。いいのか? 俺にこんなもの渡して。

俺がこれを食べたら、もう戻れなくなるぞ?  引き返すなら、今だ。
まだ、あいつは何も気付いていない。
今なら、全てをなかったことにして、君も俺も、日常に戻れる。
今日が、最後のチャンスだ。

それでもどうしても……というなら、覚悟は出来ているかい?

……俺か? 俺はもう決めているよ。
君となら、どこまでも堕ちるし、全てを捨てる。
だが、それは俺の一方的な感情だ。
君は守るべきものがあるだろう? だから、無理強いはしたくない。

……そうか。君も、覚悟してくれているんだな。

チョコレートみたいな甘い関係にはなれないが…いいか?  
……そうか。なら貰うよ。

思ったとおり、このチョコレートは苦いな。
でも、美味しい。虜になって、抜け出せなくなりそうだ。


がみのろま 自己紹介

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