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ICOから考える「2人でいる」ということ

はい。こんにちは。ちゃんこです。
ゲーム実況チャンネル、ゲーミングちゃんこにて実況しました「ICO」というゲームに関しての感想をつらつらかいていきます。

まず、「ICO」というゲームは

【概要】
『ICO』(イコ)は、ソニー・コンピュータエンタテインメントにより開発・発売された日本のアクションアドベンチャーゲーム。
キャッチコピーは「この人の手を離さない。僕の魂ごと離してしまう気がするから」。
この「手を繋ぐ」という動作は本作を特徴づけるゲームシステムとして組み込まれ、本作の基幹となるビジュアルイメージにもなっている。プレイヤーは必要に応じて「手を繋いでヒロインと共に先へ進む」状況と、「手を放して主人公を自由に行動させる」状況を切り替えながらゲームを進めていく。
ゲームの根本的な部分はパズル的な要素を含んだ仕掛けを解きながら道を切り開き先へ進んでいくという、従来のアクションアドベンチャーゲームの形式を踏襲するものであるが、本作の開発は「単なるビデオゲームではないものを作る」という発想から出発しており、従来のビデオゲームにおける約束事として定着していた諸要素、例えば勝ち負けを競う要素や、キャラクターの強さやヒットポイントなどを示す画面上のパラメーターやアイコン類の表示、その他数々のゲーム的な演出といったものが排除されている。
その一方で本作では、長大なムービーを用いて映画に似せるのではなく、かと言って膨大な作り込みによって大作感を出すのでもなく、あくまでプレイヤー自身がヒーローとなり、美しく作り込まれた世界の内側にいることを実感できるような方向での娯楽性が模索されており、ビデオゲームの双方向性を生かしつつの、目的に沿って絞り込んだ規模での世界の構築が行われている。
ムービーに頼った演出ではなく、プレイヤーが操作可能な要素内でキャラクターの挙動やカメラアングルが徹底的に作り込まれていることは、従来の他作品ではあまり見られなかった本作独自の特徴である。
【あらすじ】
角が生えたために生贄として謎の古城に閉じ込められた少年イコが、そこで出会った言葉の通じない少女ヨルダの手を取り、彼女を守りつつ共に古城から脱出する

ICO (ゲーム) - Wikipedia より引用

本編はヒロインであるヨルダを中心に
「ヨルダを城の外へ連れ出してあげたい」イコ
「ヨルダを自分の魂の器として大事に扱う」女王

という2人の考えのもと物語は進みますが、肝心のヨルダが発する言葉は一週目ではわかりません。(二週目でわかります)
こういう風に書き出すと女王もイコも自分自身の考えに基づくものがあり、どちらも「優しさ」というのが存在すると考えます。
もちろんその二人の「優しさ」は全く違います。
何が違うのか。
そこに「自分」が先頭に来ているかいないか、というところにあるのです。
女王は「自分のために」ヨルダを大切にしている
イコは「ヨルダのために」ヨルダを大切にしている

どちらも末尾に「ヨルダを大切にしている」というのがありますが、それが自分のためなのかヨルダのためなのか、でこんなにも違うんですよね。
とても単純で誰にだってわかる違い。
単純ですが、この二人の考えを思い返してみて、
「エゴと優しさって紙一重なんじゃ…?」
と思いました。
もしかしたら私も気が付かないだけで、自分の行動は「エゴ」が孕んでいるのではないだろうか、と省みるストーリーでした。
それはたぶん、このICOというゲームのギミック、演出、謎解き…それぞれに込められた「没入感」にあるのかな、と思います。

このゲームの最大の特徴は「ヒロインであるヨルダの手を取ってマップを進める」というところにあります。
このシステムは後にも先にも斬新で、ゲーム史に残るものだと思います。
もちろん手を放してしまったらヨルダはそのままほったらかしになりますし、物語を進めることができないので否が応でも彼女の手を取って進まなければいけません。
これはかなり難しいシステムで、プレイをしていてとても大変でした。
しかし、そんなに大変なシステムなのに、なぜ彼女と「手をつないで進めたくなるのか」
ということについて考えたところ、

  • 白い肌、華奢な体つき

  • プレイヤーが思っている方向にいかないAI

というところにあるのではないか、と思います。
まず、白い肌、華奢な体つき

【ICO】出会って二秒で石化する小さな王子様【第1話】より

これは守りたいという女の子の条件といっても過言ではないのでしょうか。病弱でもなんでもないのですが、細く、今にも折れてしまいそうな体つき、真っ白な肌の色。
多くの人は彼女を見て
「この子を守ってあげたい」
「何か彼女のためにしてあげたい」
という気持ちになると思います。
実際ちゃんこもそう思いました。
この彼女の風貌は、このゲームの最大の特徴である「手をつないでストーリーを進める」というシステムを生かすのに大事な要素だと思いました。

さらに手を放してしまうと、勝手な行動をとってしまう、というヨルダの性質。

これは、このゲームの「手をつながなければいけない」という心理をプレイヤーに植え付けるための制作者側が仕掛けたヨルダの動きだったのかもしれませんね。
こうした「放っておけない」という要素というのは子供にありがちなところでして、ヨルダと共に行動していると、教員時代や、大学生の頃の小学校のボランティア活動を思い出しました。
だからこそ、私自身、ヨルダのことを常にそばに置きたいと思いましたし、彼女に寄り添って行動したいと思えました。

こうした二つの要素があるからこそ「ICO」というゲームへの没入感、ヨルダとイコの行動に協力したいという気持ちにつながるんでしょうね。
こういったゲームはなかなか無いと思います。

さて、最初に戻ります。
「ヨルダを城の外へ連れ出してあげたい」イコ
「ヨルダを自分の魂の器として大事に扱う」女王
この二人の違いは「エゴと優しさ」の違いだけではないと考えます。
それは「個人」か「2人」か、というところです。
「自分のためだけに動いた」女王
「互いのために動いた」イコとヨルダ
2人だから運命に抗えたイコに対し、自分自身の為だけに動いたゆえにイコに負けてしまった女王。

【ICO】この手を離さない【END】より

誰しも自分自身だけのエゴの気持ちで動くだけでは何も変えることはできないと思います。
なぜなら自分自身しか見ていないから。
相手の為を思って、誰かの為を思って動いて初めて自分自身を「客観的に」見ることができて、初めて強くなれるのだと思います。
イコの優しさ、ヨルダの優しさ、それぞれの思いやる気持ちがあったからこそ、難解な謎も解けたし、城を抜け出すことができたのだと思います。

こちらのゲーム、昔のゲームで難しい要素が多い作品ですが、PS2時代の作品とは思えないくらい綺麗なムービー、ヨルダというAIの機能の高さと自由度、感動させられる作品です。HDリマスターで遊ぶとさらに綺麗な画質で遊べます!
PlayStationプラスのクラシックゲームカタログの中にあるので、良かったら遊んでみてください!

実況もご覧いただけたら嬉しいです!

最後まで読んでいただきありがとうございました。
ちゃんこに関する細かいリンクはこちらです。
是非遊びに来てください!

※こちらの記事ははてなブログ「ちゃんこの部屋」にて書かれた記事のリライトです。
元記事はこちら↓


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