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【クローズドβ】動画勢が見たストリートファイター6ベータテストの感想

10月7日から4日間行われた『ストリートファイター6』のクローズドベータの雑感を記します。

ストリートファイター6のCβが行われる

2022年10月7日の16時から10月10日の16時まで、ストリートファイター6(スト6)のクローズドベータ(Cβ)が行われました。
プラットフォームはPS5、Xbox、Steamのクロスプラットフォームです。

Cβのプレイ範囲はBATTLE HUB(バトルハブ)のみで、アバター作成、ランクマッチ・カジュアルマッチ、トレーニングモード(トレモ)などがメインです。

プレイアブルキャラはルーク/ジェイミー/リュウ/春麗/ガイル/キンバリー/ジュリ/ケンの8キャラです。
本田・ブランカ・ダルシムは参戦が決定しているもののCβではプレイ出来ません。

自分は動画勢なので色々なプロ選手や有名ストリーマーの試合を見ていましたが、各選手とも最初にアバターを作り、次いでバトルハブでランクマッチの試合をこなす、という選手が大半でした。

バトルハブに入り、ゲームセンターのような空間に設置されたアーケード筐体に座って、対戦相手が向かい側に座るとバトルハブマッチで対戦が開始されます。
待ち受け中はトレモになるので、フレームや技などを調べながら、対戦相手が座ったら試合が開始されます。
(カジュアルマッチなら筐体に座らなくても自動でマッチ検索から試合が可能なようです。)

バトルハブで両者が筐体に座るとバトルハブマッチが発生し対戦画面へ

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実況機能は既に実装されており、アール氏を始め実況は4人、デーモン閣下等を始め解説は2人から選べます。

スト6の仕様

以下にまとめているのでご参考までに。

初日はログイン祭り

見ていたのは、主にハイタニさん、ももちさん、マゴさん、かずのこさん等の配信を見ていました。
初日はハイタニさん、かずのこさん等が精力的にプレイしていました。

夜になるとバトルハブに接続障害が発生し、一気にログイン祭りに。
バトルハブにログイン出来ない、ログインしていても弾かれる人が続出。
公式で緊急メンテが告知される等の対応がありました。

見ていて面白そうだったか?

自分はスト6発表時はそれほど面白そうとは思いませんでしたが、実際試合を見るとかなり面白そうに思いました。

まず試合自体のテンポが速く、守りより攻めが非常に強いシステムのため、ストリートファイターVのようにタイムアップを見据えた守り重視でなく攻め重視になり、試合が終わるのがかなり速い。
タイムアップまで行く試合はほとんどなかったです。

ラウンド最初からゲージマックスのため、いきなり大技で攻め込む事も可能です。
またラウンドの開始や、再戦開始までの時間も凄く速いため、非常にテンポよく進行していきます。

このテンポだとストVで主流の2先や3先が直ぐに終わってしまうため、スト6だと5先や7先が主流になるかもしれません。
ハイタニさんの試合で一人と30戦くらい試合をやっていましたが、あっという間に終わっていた印象です。

攻めが強いというのは、ガードすると攻守に使えるドライブゲージが減る事、また端に近付くとドライブインパクトから「端やられ」になり大ダメージを取られる可能性が上がるため、自分は端に寄らず相手を端に追い込むプレイがかなり重要になっています。
ストVよりもフィールドの横の長さが広がっているため、端を巡る駆け引きはかなり熱いものになっています。

pingが多少大きくても海外勢との試合も成立していたため、海外勢と日本勢によるトーナメントも期待出来そうです。

自動実況が実装されていますが、試合展開がかなり速くあっという間に決着がつくため、スト6では実際の解説が追い付かないのでは、という懸念もありました。

攻略的には、当初ドライブインパクトが注目されていたものの、インパクトに反応してからのインパクト返しがあるため、こればかり「擦る」事は難しく、最終的にドライブラッシュからの中段と下段や投げ・コマ投げの択で崩す、というプレイスタイルが強いと感じました。

ハイタニさん等の話では、プロでも選択肢が多過ぎてコンボ判断が相当難しい「やり込みゲー」という評価です。

バトルハブ以外のメニューは分かりませんが、モデリング、UI、トレーニングモードの機能、BGM、攻めが重視されるゲーム性、試合のテンポの速さなど、総合的にかなり期待出来るゲームだと思います。

気になった点は、ゲージ色やドライブインパクトの色を始め全体的に色合いが強く極彩色が強すぎるため、目がチカチカする事。HPやゲージバーはもう少し落ち着いた色合いにして欲しかったです。
また、一部のキャラクターモーションがカクカクしているように見える事。
これは、純粋にモーションのグラフィックが不足しているためなのかは分かりませんが、挙動が不自然に感じられるシーンが幾つかありました。

ストVとスト6との違い

ストV

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スト6

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動画勢のため浅い見方になりますが、ストVはラウンド開始時はVゲージ・EXゲージがなく(EXゲージは1ラウンドは空だが2ラウンド以降は持ち越しが可能)、技を出すか攻撃を食らう等しないとゲージが増えない仕様上、試合時間がかかる(ゲージが溜まってから本格的に攻防が始まる)ため、どうしても試合展開が冗長になりがちでした。

スト6は上にも書いていますが、ガードするとドライブゲージが削られて不利になるため、ガードするのではなくパリィを推奨するシステムになっていたり、ステップ(ダッシュ)行動も弱くなっている反面、ドライブラッシュからの択が非常に強力になっており、「攻めが強いゲーム」+「テンポが良いゲーム」という、ストVとは逆の思想で作られていると感じました。
2D格ゲーというよりも、『鉄拳』等の3Dゲームに近い感覚です。

(※ストVも、ガードするとリカバリアブルダメージ、通称白ダメージやピヨリ値のスタンゲージを蓄積させられるなど、ガード時のデメリットもあったものの、やはり全体的にガード行動が強いシステムのゲームだった印象です。)

他にも、大半の通常技、特に小技の有利フレームが取れなくなっているなど、ストVとは設計思想が根本的に違うように思います。
(従来の格ゲーでは、小技(弱P/弱K)をペチペチと押して有利フレームを取ったり、ターゲットコンボに移行するのが普通でした。)

反面、ストVでのVトリガーによる大幅な逆転要素が、スト6ではなくなっています。
体力を削られ端が近くドライブゲージもない、という状態ではほぼ逆転要素がなく、その辺りは割り切って作られているようにも思います。

また、ストVでは、各キャラにVトリガー2種とVスキル2種があり、技の性能や対応方法等を覚える必要が多い知識ゲーになっていました。
相手のVトリガー・Vスキルの選択に対してこちらのVトリガーやVスキルを選択するという、超上級者やプロの試合での駆け引きの要素にもなっていましたが、スト6ではキャラ選択と操作方法(クラシックかモダン)を選ぶだけで、それ以外にプレイヤー側で選べる要素はありません。
ただ、試合展開が速くドライブゲージの使い方が多岐に渡るため、瞬時の行動選択が難しく、ストVとは別の駆け引きの要素がありそうに感じます。

特に、自分がいいと思ったのは、ストVではゲージ枯渇状況で技が出せない以外にデメリットはなかったですが、スト6では「バーンアウト」という明確に不利な状態が生まれました。

(バーンアウト……画面上部のドライブゲージが枯渇すると、ドライブゲージ技利用不可/相手のドライブインパクトをドライブインパクトで切り返せない/ガード硬直フレーム拡大/壁やられスタン等様々な不利な状況が発生する。ゲージは時間経過でMAXまで回復する。)

この事で、「バーンアウト覚悟でゲージ技を使ってくる」「ゲージを温存して持久戦に持ち込む」という読み合いが発生しています。
非常に良く出来たシステムだと思います。

スト6の最強キャラは?(ハイタニさんの評価から)

人気格ゲーストリーマーのハイタニさんは、常時3,000人以上の視聴者が見守る中、配信しながらプレイ。初日から最終日まで、精力的に試合を重ねていました。

勝ち負けよりも、それほど強いとは言えないであろうCβのケンを「伸ばす(開発する)」という意識でプレイしていたようです。

ハイタニさんが最終日に語った内容では、強さの評価では以下の評価との事です。

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【ハイタニさんによる各キャラの評価】
ジュリ
リーチがかなり長い。弾(歳破衝)で相手を動かせる。
コンボが強い。投げに対してダメージが取れる。
勝てる武器が揃っている。対空のリーチが長い。
バランスがいい。上からいける(攻められる)。
色々な動きが出来てどれも性能がいい。
通常技のリーチが長くて使いやすい。
ストVのような動きで(余り攻めなくても)戦える。
(人気面から)意図的に強くされている可能性もある。

リュウ
システムの恩恵がある。立ち回りもよく大ゴス(鳩尾砕き)が有利(フレーム)を取れる。
リーチがストVより伸びている。リュウは波動溜めが凄くいい。
中遠距離からの波動拳をパリィされるが、パリィの硬直中に強化波動の溜めが確定する。それが凄く強い。
強化したら次の波動拳はインパクトされないし中足波動拳を撃てるようになる。中遠距離は弾抜けされない(キンバリーのみスライディングで弾抜け可能)ので強い。
リュウ対キンバリーは、キャラの強さ的にかなりいい組み合わせになる。
タイプの違う者同士の頂上決戦。いい感じに押し付け合える。
(※キンバリーはβで最強と目されたキャラ。)

ケン
明らかに強いという感じではなかった。
(※自身はβ中ではほぼケンのみを使用。)

ルーク
全然強い。ストVでルークが上手い人がスト6でも上手いと思う。
火力があり対応の幅が広い。

ガイル
正直分からない。それほど強いとは思わなかった。
試合で戦った相手で一番上手いと思ったのは香港のガイル。スト6に対応した新しい動きをしていた。

ジェイミー
影が薄かった。藤村選手のジェイミーと試合していないから分からない。
ポテンシャルは感じるが、実際ジェイミーがどのくらい強いのかは分からなかった。

クローズドベータ中の主なプロ選手やストリーマーの使用キャラ

・ケン……ハイタニ、ナウマン
・リュウ……ももち、ときど、ストーム久保、もると
・ジェイミー……マゴ、sako、板z、藤村、かずのこ、竹内ジョン、ジョニィ
・キンバリー……ネモ、カワノ、もけ、かずのこ、ナリ君、うずら
・ジュリ……ぷげら
・ルーク……大谷
・春麗……ふ~ど、うりょ、GO1、ゲマビ
・ガイル……ひぐち

※ネモ氏はβ以降ではキンバリーを使う気はないとの事。

自分が見ていて試合で使用されるキャラの人口比は、以下の印象でした。
・ジュリ・キンバリー・リュウ……使用人口多い
・ジェイミー……そこそこ使用者いる
・ケン・ルーク……使用者少なめ
・ガイル・春麗……ほとんど使用者いない

プロやストリーマーの試合

ここでは挙げ切れないほど多く試合動画がアップされているため、Youtubeで探して見てください。
検索ワードは「street fighter 6 match」「ストリートファイター6」等がお奨めです。

試合:ハイタニ(ケン)vs かずのこ(キンバリー)

試合:ハイタニ(ケン)vs 海外プレイヤー(ルーク)

試合:ハイタニ(ケン)vs 板z(ジェイミー)

試合:ハイタニ(ケン)vs GO1(春麗)

試合:ときど(リュウ)vs Xiaohai(ケン)※中国の格ゲープロ選手 ※動画2:10頃~

試合:ハイタニ(ケン)vs Rainpro(ガイル)※香港の格ゲープロ選手

試合:ももち(リュウ)vs GO1(春麗)

ベータテスト2回目(2022/12/16-19)

ベータテスト2回目が行われました。
期間は12月16日から19日までの4日間。

追加キャラや大きな変更は無く、遊べるモードもベータテスト1回目と同じだったため、内容は割愛します。

キャラの調整も無く、キャラで強いのは相変わらずキンバリー、ジュリ、リュウ、ガイルだったと思います。
特に、かずのこさんの使うキンバリーは完全に仕上がっており、今世界トーナメントが開かれたら間違いなく優勝するのではないでしょうか。

37連勝するかずのこキンバリー

モダンリュウの可能性

他のトピックとしては、ハイタニさんの「モダン(操作)リュウ」が話題になっており、1ボタンで波動や対空昇竜が出るモダンリュウはかなり強いのでは、という意見もありました。
なお、一見強そうな「モダンガイル」は、クラシック操作同様溜めが必要で、ジャスト入力ソニックが(モダン操作では)出ないので、それほど強くないという事です。

カワノ選手のスト6はどうなる?

ベータの2回目はカワノ選手の配信を中心に見ていました。
カワノ選手は超反応系の差し替えしを主力に、EVO2022やトパンガチャンピオンシップで優勝した今ストVで最も強い選手で、若手の筆頭格ですが、カワノ選手もスト6のシステムに苦戦していました。
(カワノ選手は1回目のベータテストは不参加、2回目がほぼ初参加。)

自分はカワノ選手はかずのこ選手のような天才系の選手だと思っていたので、泥臭く苦戦する様子は意外ですが新鮮でした。
しかし、最終的には連勝企画で19連勝を春麗で、12連勝をルークで、とシステムを徐々に自分のものにしていくのはさすがだと思いました。

12連勝するカワノルーク

各メディア記事

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(出展:CapcomChannel

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