見出し画像

令和版・背水の逆転劇!TOPANGAチャンピオンシップ FINAL昇格戦で竹内ジョンが薄氷の勝利

令和版・背水の逆転劇だった。

6月8日に行われた第4期TOPANGAチャンピオンシップ FINAL昇格戦のカワノ対竹内ジョン戦で、竹内ジョンが3-奇跡の逆転劇を演じた。

第4期 TOPANGAチャンピオンシップ FINAL昇格戦 カワノ vs 竹内ジョン
(試合は1:12:00頃~)

(出展:TOPANGA TV

第4期TOPANGAチャンピオンシップは激戦で、Aリーグ REDサイドで6勝2敗のカワノも直対の負け等が響いて4位になり昇格戦に回った。
カワノは前回第3期優勝者で、リーグ時代のウメハラ以来の連覇を狙う。

対する竹内ジョンはTOPANGA U-24優勝、Bリーグ全勝という破竹の勢いでAリーグに上がってきたが、Aリーグ BLUEサイドで5勝3敗と苦戦し、こちらも4位で昇格戦に回る。

カワノ対ジョンという図らずも若手頂上決戦と言える対決になった。

Aリーグの結果

使用キャラクターは予想通りコーリンとコーディー

キャラの使用はカワノはメインのコーリン。
事前にバルログやオロの使用を匂わせていた(?)が、カワノがサブキャラで大会を乗り切った事はほぼ皆無で、誰もがコーリンの使用で間違いないという見解だっただろう。

コーリンはアップデートでやや火力が下がっているが、VTⅡのアブソリュートゼロ中の火力や、大Kや大Pで差し返しからの反撃が強く、依然トップティアに近いキャラ。
これ程強力なVTⅡがラウンド中2回発動が視野に入る事も大きい。

ジョンは元々ラシード使いだが、数年前からコーディーを使い始めた。
直前のアップデートでコーディーが強化された事もあり、キャラの練度と同時にキャラパワーを手に入れた。
防御がやや弱いコーディーだが、火力は全キャラ中屈指といえる。
コーディー使いとしてはももち(シノビズム)もいるが、ももちとはややスタイルが異なる。
ラシードではパッド使いだったが、コーディーではアケコンを使用する。

直前予想では、プロ間でもややコーディーに分があるという意見が見られ、自分もジョンを優勝候補に推した事もあり、ジョン勝利と予想した。

序盤はカワノが抜け出し3-6とリーチをかけるが・・・

画像2

ルールは7試合先取でデュースの場合は先に2本取った側、または先に10勝した方が勝利というルール。

試合序盤はスコア3-3で拮抗するが、そこから徐々にカワノが持ってきた作戦が功を奏し始める。

カワノコーリンは相手を画面端に追いやってからのEXヘイルストームでの固めが強く、対してジョンコーディーはゾンクナックルで脱出するなど対策を見せる。

カワノは常に細かい位置調整をし続けながら、攻撃ボタンを押しており、相手に何か技を引っ掛けようとしている。
引っ掛けたらそこから仕込みのEXパラベラムでダメージ、更に起き攻めが付いてくる。

また、カワノは画面端で起き上がりでの投げ、打撃を当てて投げ、ダッシュ投げ、空ジャンプから投げ等、投げに持って行く行動が多く相手は分かっていても抜けられない。
投げを警戒していると投げ抜け誘いから打撃がくる。
画面端に相手を釘付けにしながらダメージが取れている。

カワノの強さを支えているのは、この投げを絡めた攻撃の多彩さだろう。
素人から見ると、何故相手が無抵抗に投げを食らい続けるのか不思議な部分もあるが、とにかくカワノの駆け引きが上手いという事だと思う。

来年発売が決定しているストⅥでは、SFLの配信で出されたようなスタッツ(どの技を何回出したか、対空が何%成功したか等の指標)を標準表示して欲しいが、ともかくカワノの投げの回数は他の選手と比べても非常に多い。

一方、ジョンは開幕からのラッシュで一気にコーリンの体力を奪う事が狙いの一つ。
コーリンはEXゲージがない1ラウンド目はEX技が使えず火力が出ないが、コーディーはその状況でも圧倒的に攻める事が出来る。
膠着したら、どっしり構えてカワノのミスからカウンターを狙う。
ジョンも序盤は投げを食らい続けたが、カワノの攻撃に投げが多いことに意識を割いて投げ抜けを多用していた。

ジョンが圧巻の5連勝で勝負を決める

中盤、スコア3-3から、カワノはジョンのミスに付けこんで3連勝し、6-3とリードしリーチ。
ジョンはここから勝つには3連勝しかない。
誰もがカワノの勝ち抜けを確信したが、そこからジョンがカワノの動きに対応を見せ始める。

ジョンは3-6で追い詰められた状況から、これまで地上戦で余り使わなかった大Kやダブルキックの頻度を高めて使い始める。
普段ジョンはVSⅡのクライムスウェーを連採している印象だが、対コーリン戦に関しては防御の弱さをダブルキックで補う戦略だったのだろう。
VSⅠのダブルキックは無敵が3Fから付く防御手段で、切り返しに有効な技。

3-6で1本取ったジョンは4-6とする。ここが分水嶺だったのか、ここからジョンは怒涛の連勝を開始。
4-6から更に際どい試合をラウンド連取し5-6。
カワノはミスが多くなり始め、ナーバスを感じさせる。
ジョンの大Kが面白いようにヒットする。
ジョンは空対空も何度か決め、カワノは地上でも空中からも手が出なくなっていく。
遂に6-6になり、デュース。

ジョンの優勢は明らかだが、カワノは開幕当身技のフロストタッチを出すなど動きを変えてくる。しかしジョンもダブルキックで反撃。
互いの持ってきた対策が一周し読み合いが回るが、ジョンが2連勝し8-6で勝利。
特に3-6で追い詰められてからの5連勝は圧巻だった。

ゲージがないと攻撃にEXパラベラムが仕込めずダメージが効果的に出ないコーリンは、どうしても投げに頼るシーンが多くなってしまうが、コーディーはゲージがない状態でも火力が出せ、ゲージがあるとVTⅠのサイドアームやEXゾンクナックルで相手を押し返しつつ、爆発的な火力が出せる。

コーディーの火力を遺憾なく発揮しキャラ性能を引き出したジョンの勝利だった。

星取表

画像1

決勝リーグ進出者

決勝リーグ進出者は以下の7名となった。

ぷげら・ウメハラ・ふ~ど(Aリーグ REDサイド勝ち抜け)

ときど・ガチくん・ももち(Aリーグ BLUEサイド勝ち抜け)

竹内ジョン(昇格決定戦勝ち抜け)

自分の優勝予想は竹内ジョンで変わらないが、誰が優勝しても驚かない面子だ。
特にガチくんは、持ち味を出した非常にしぶとい勝ち上がりで、印象に残った。

キャラはバイソン(ぷげら・ときど)、ガイル(ウメハラ)、ポイズン・ミカ(ふ~ど)、ルーク・ユリアン(ときど)、ラシード(ガチくん)、コーディー(ももち・竹内ジョン)と、メインコーディー使いが二人と改めて今バージョンのコーディーの強さを思わせるが、それ以外はキャラもばらけた感じだ。

特に今シーズン最強と言われるルーク使いがときど一人しか残らなかったのは意外だ。
猛威を振るっていたキャミィは姿を消し、ユリアンもときどのサブ一人というアップデートによる弱体化の影響も顕著に感じさせる結果になった。

ウメハラの背水の逆転劇

背水の逆転劇の元ネタは、2004年のEVO 2004ストリートファイターIII 3rd大会で、ウメハラ対ジャスティン・ウォンの試合で起こった逆転劇。

体力が残り1ドットになり追い詰められたウメハラのケンが、ジャスティン春麗の放ったスーパーアーツ鳳翼扇に対して、全弾ブロッキング(ガード)し、そこから最大コンボを入れて勝利した伝説の試合だ。

余りにも有名なウメハラの背水の逆転劇


いつもお読みくださり有難うございます!サポートいただければ励みになります!