「トイレのトラブル8000円」なんてことはなかった

If there's something weird

恥ずかしながら、トイレが詰まりました。

普段DJだのゲームだのの話しか書いていないところに、突然トイレの話とはなんだと自分でも思いますが、知見として残しておくべきではないかという体験をしたので書いておきます。

台風が近づきつつあった夏も終わりのある日の昼下がり、突然トイレが流れなくなりました。
とは言え、いつも通りの使い方をしていただけで、何か異物を落としたとか流したということはなく、心当たりもありません。

以前にも詰まらせてしまったことはあるのですが、そのときはラバーカップ(いわゆるスッポン)で解決できていたので、今回もそれで、と思ったのですが、どれだけ格闘しても一向に水が流れる気配がありません。

とりあえず、マンション指定の水道業者に軽く話だけしてみると、「通常修理に3万、もし便器外さないといけない事態であれば8万、深夜料金は別」とふっかけられたので、一晩冷静に考えようと思ったのですが(その間共用トイレを利用し)、その間もひたすらラバーカップと格闘し、腕も疲れ果ててしまったので、翌朝すぐに業者を呼ぶことを決めました。

Who you gonna call?

水道業者というと、Googleで調べれば、サジェストで「ぼったくり」「悪徳業者」という単語が並ぶくらいには怪しい商売です。情報リテラシーをアイデンティティとするIT従事者のプライドを賭けて、ここでぼったくられるわけにはいきません。

Googleで検索結果のトップに表示される広告には安易には飛びつかず、Googleマップで、近隣の水道業者を調べてみました。
一覧がずらりと表示されますが、わかりやすいくらい、「★4点台」と「★1点台」の業者にバッキリと分かれます。
星を金で買うことはできても、低評価をブロックすることはGoogleの仕組みでは難しかろうということで、ここは素直に評価の高い業者をピックアップし、電話をかけてみました。

対応は丁寧で、出張費も基本料金も取りませんとのこと。工賃については聞き忘れてしまいましたが、あまりに高いようだったらさすがに作業に入る前に止めよう、とだけ心に決めて、すぐに来てもらうことにしました。

(Ghost)Busters

事前の電話の通り、1時間以内で2人の担当者が到着しました。察するにリーダーとサポートという感じですので、便宜上そう呼びます。かくかくしかじか状況を説明すると、まずはリーダーが挨拶がてらラバーカップで軽く様子見。これの結果を見て、次の対策を考えるというわけです。

リーダーいわく、軽めの詰まりであれば、この段階で、ペーパーの破片が水面に戻ってくるそうですが、そういった様子はなし。この時点で、もっとも安い工賃の薬剤による対処の線は消えるとのこと。

工賃について聞いてみると、ネットに書かれている最安の「2500円~」の2500円というのは、この薬剤散布で解決する場合だそうです。では次にどうするのかを訪ねてみると、ローポンプとやらを使うとのこと。ローポンプとは注射器をバカでかくしたような、ピストンのついた圧力ポンプのこと。こいつになると、急に工賃が跳ね上がり、25000円との見積もりになりました(そこから30%割引と消費税が入って実際は19250円)。なるほど、二人分の人件費、移動費、駐車場代もろもろがそこに含まれると。

ここで値切り交渉や、「相見積もりを取るので帰ってくれ」と言えるほどの心の余裕や時間的猶予は残っておらず、とにかく早く終わって楽になりたかったので、最初の業者の3万円よりはマシだと思い、この値段で即決しました。

And it don't look too good

ここから、業者の本格的な調査が始まります。

「お代はサービスにします」と言って、長くて曲がる胃カメラのような巨大なワイヤーをトイレに入れて、異物の詰まりがないかをチェック。リーダーいわく、トイレの構造的に、トイレから配管につながる一番根っこの部分がネックになっており(異物が配管に流れないように)、そこにライターなどの異物が引っかかることがあるそうですが、そんな異物は落としてはおらず、ワイヤーも素通りした(という感触)ので、その線は消えました。となると、トイレの先の配管の中で詰まっているだろうと。

我が家は集合住宅なので、もし配管が詰まれば、隣や上下にも影響があるのでは…と思いましたが、前日に管理人に軽く聞いてもそういう話は来ていないとのことでした。

とりあえずローポンプで圧力をかけてみると、ほどなくしてようやく水が流れ始めました。とは言え、いつもなら流した後に水が戻ってくるのですが、その水流がとても弱く、不安が残ります。

試しに何度かペーパーを流してみると、またすぐに流れが詰まってしまいました。とりあえずローポンプとワイヤーで念入りにやってもらい、流れるようにはなったものの、これがずっと続くかどうかは怪しい。かと言って、大金を払って便器を外して中身を見ても、配管側が詰まっているようなので、解決策は見つからないのでは、というのがリーダーの見解でした。

実は、昨年日本を襲った、あの超大型台風が来たときにも大変なことがあったのですが、どうも建物の構造上、そういった低気圧が来ると、空気が配管を吹き上げ、流れが悪くなるのでは…というのを怪しんではいました。その場合は本当に我々では打つ手がありません。

リーダーのアドバイスとしては、「またしばらくしたら詰まるかもしれないので、ローポンプを購入して様子を見てみては」とのことでした。聞けば、民生品でオススメのローポンプは2000円程度でも購入できるとのこと。オススメのものを紹介してもらい、Amazonで探し、プライムパワーで翌日配達を指定して即座に購入しました。実は、業者が使っていたローポンプもネットで探してみたのですが、こちらも2万円前後で見つかりました。工賃と変わらんやんけ。

かくして、二人組は去っていき、とりあえずその日はおそるおそるトイレを使いながらやり過ごしました。

I ain't afraid of no ghost

翌日。注文したローポンプが届きました。

と、その矢先に、またトイレが流れなくなったのです。もちろんいつもどおり普通に使っただけです。

やはりまだ何か配管の奥に潜んでいるのでは…と思いましたが、とりあえずまずは新兵器のローポンプの出番です。使ってみると、あれだけラバーカップでは効果がなかった詰まりが、数分で流れ出しました。値段ほとんど変わらないのにこの違い、もはや完全な上位互換、ラバーカップ2.0の到来です。ラバーカップ1.0の時代は20世紀で終わりました。

しかし、実のところ、トイレが詰まったのはこれが最後でした。それから普通に使っていますが、一度も詰まりは起きていません。

結局原因は不明ですが、やはり台風が過ぎた後で詰まりが解消されたので、気圧か何かが起因していたのでは、とは思っています。

最初からローポンプのことを知っていれば、2万円という工賃は高いなという気はしてしまいますが、今回はもろもろの勉強料と、即日対応の料金ということで納得はしています。

皆様も、もしトイレのトラブルがありましたら、まずは「ローポンプ」で検索です。ホームセンターが近場にある方はすぐに買いに走りましょう。それでどうにもならなければ業者に連絡、相場は2万円くらいを目安にしましょう。それより安く済む程度のトラブルなら、専門知識がなくても自分だけでどうにかなります。

最後に、他にも教えてもらった知識をいくつか。

カップ麺の残りなどをトイレに流すと、水温で固まった油が付着しやすく、詰まりの原因になりやすいそうです。やめましょう。
トイレ掃除に使う流せるシートなども、一応流せはするものの、やはりトイレットペーパーと比べると詰まりの原因にはなりやすいそうです。できればやめましょう。
猫などのペットトイレの砂で、パルプ原料の流せるタイプというものがありますが、これが固まってくっついてしまうケースがかなりあるそうです。ちゃんとニオイをカットできる袋に入れて捨てましょう。

皆様、よきトイレライフを。

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