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ゲームの思い出:バーチャロンシリーズ その1 電脳戦機バーチャロン

 大体の男の子はロボットを操縦してみたい欲と言うものがある。

 そんな夢を叶えるゲームがゲームセンターに、綺羅星の如く現れた。

電脳戦機バーチャロン。

SEGAが送り出した傑作ロボット対戦アクションゲームだ。

 このゲームと出会ったのはとあるゲームコーナーである。

 当時の僕はポケットモンスターに夢中で、ゲームの情報を本屋の立ち読みなどで手に入れてはいたものの、基本的にポケットモンスターしかゲームをプレイしていなかった。

その日は、珍しく父親が食事に行こうといったので外食をしに行った。

帰りによったショッピングモールのゲームコーナー。そこで僕は初めてバーチャロンと出会った。


 見慣れない筐体を見かけ、画面を見るとキュイーンと小気味の良い音を立ててロボットがフィールドを軽快に駆けている。

衝撃的だったのはやはり筐体から出た二本の操縦桿。

丁度誰かのプレイが終わり、その後誰もやる素振りは無かったので席につき、恐る恐る操縦桿を握る。

手に馴染むスティック。それには一つのボタンとトリガーがついていた。

ガチャガチャとスティックを動かし、トリガーを引いてみる。

――このゲーム、やりたい!


 僕は急いで席をたつと、母親に小遣いをせびりに行った。

正直貰えるとは思っていなかったのだが、母親は珍しく五百円玉を一枚くれたのだ。

急いでバーチャロンまで戻る。

1プレイ100円。

僕は両替を済ませるとコインを投入、ゲームをスタートした。

機体を選択する画面が出て、機体を選ぶ。

僕は両肩からミサイルを発射して戦う機体、ベルグドルを選んだ。

ゲームが始まる。

GETREADYと、試合を開始するボイスが流れ、僕はベルグドルを“操縦”し始めた。

 バーチャロンは右、左、両方のトリガーで発射される3種類の武装がその時のロボットの状態によって変化する。

例えば立っている状態だと一発づつしか弾を撃てないが、すぐに攻撃をキャンセルできる、走っている状態だと敵をロックオンして複数の弾を発射できるが、攻撃終了後に大きな隙を晒してしまう。みたいな感じに。

 ベルグドルはナパームとグレネード、両肩のミサイルで戦う機体だ。

敵に向かって爆風を上げながら飛んでいくナパームがお気に入りの武器だった。

 ステージ1は楽勝、ステージ2で辛勝ながらもクリアした僕はステージ3に進む。

ウォーターフロントで戦う相手、ドルカス。

両肩のファランクスの爆風が派手でかっこよく、誘導して飛んでくるハンマー、右手から撃ち出されるファイヤーボールが僕のベルグドルを完全に破壊した。

 コンティニューをせずに機体を変えて初めから。次に選ぶのは勿論ドルカスだ。

すごく使いやすい機体で、僕はさっき負けたドルカスをなんとか倒す事ができた。

ステージ4、対するは先程僕が使っていたベルグドルだ。

自分で使ってもちっとも当たらなかったミサイルだったが敵に回した途端、バカスカ当たる。

僕の機体の装甲はあっという間に尽きて破壊されてしまった。

 3回目。僕はさっきドルカスを選んだときに気になっていた機体を選ぶ。

HBV-05-E、ライデン。

両肩にレーザー兵器を搭載し、バズーカとグランドナパームで戦う重量級の機体である。

少し使って直ぐに思った。

これが、僕の相棒だ!

ライデンは常に一発逆転を狙える機体だった。両肩のレーザーはゲーム中最強クラスの破壊力を誇り、当てることができれば相手に致命的なダメージを与える事ができる。

先程は負けてしまったベルグドル戦を突破し、次戦のバルバスバウをもあっという間に撃破する。

続くアファームドとフェイイェンもアッサリと撃破し、対するは同型のライデン。

敵のライデンのレーザーに当たってしまい、一度負けてしまったが、なんとか勝ち越すことができた。


 そして、僕はついにラストボスまで辿り着いた。

自分でも信じられなかった。僕はゲームが下手だと自覚している。

それが3コイン目でラストボスに辿り着けるとは行思ってもいなかったのだ。

ラストボス、ジグラット。

 戦闘が始まると僕は攻撃を加えていった。他の敵相手に何回も当たった開幕直後のレーザー。そしてバズーカ。しかし、殆どダメージを与えられない。
ジグラットは、先程戦ったバルバスバウの誘導して飛んでくる爆弾に似た攻撃と無数のリングレーザー、連射型のレーザーで攻撃してきた。

これを避けるのが困難で、どんどんこちらの装甲が無くなってゆく。

こちらの装甲がほとんど無くなってしまったその時だった。

ジグラットの銀色の装甲が金色に変色していき、ジグラットは大きな砲台の形に変形した。

極太のレーザーがこちらを襲う。

あっという間に僕は負けてしまった。

 苦し紛れに撃った攻撃が当たったとき、敵の装甲が大きく削れたので、あの金色の時に攻撃をしていくのだな、と理解した。

ギミックさえ理解できれば!とコンティニューして再び戦うがアッサリと負けてしまう。

ここで、単純に敵の攻撃を避けられていない為、負けてしまうのだと理解。


 少し悩んだがコンティニューはせずに、最初からやり直すことにした。

少しでも長くこのゲームを遊んでいたかった。

しかし、ここで新たな敵が出現する。

バルバスバウを撃破し、さあ次はアファームドだと思っていると謎の機体が出現した。

ヤガランデ。最初からバルバスバウを倒すまでの時間がかかり過ぎていると乱入してくる機体だ。

これが鬼のように強かった。

あっという間にライデンが破壊されてしまった。

なんだあの機体は……と、思っていると母親がそろそろ帰るからと呼びに来た。

リベンジを誓い、僕は帰宅する。

しかし、結局当時アーケードでプレイしたのはこれきりだった。

アーケードで対戦も一度もしたことが無い。


 その大分後になり、アーケード最終作バーチャロンフォースですらもうあまり見かけなくなった頃、とあるゲームセンターでこのゲームを見つけた。

クリアするのに1000円程かかったがなんとかクリアすることができた。

この頃は既にセガサターン版を持っていて、結構プレイもしていたのだが、アーケードとはやはり勝手が違ったようだった。

僕はこの初めてバーチャロンをプレイしていたことをしばらく忘れていた。

これから直ぐ両親が離婚し、高校に上がるも色々あって逃げ出した僕は関東に住むことになる。

そこで電脳戦機バーチャロン オラトリオタングラムに出会った事でこの時の初代電脳戦機バーチャロン、通称OMGをプレイした記憶を思い出したのだった。

続く

電脳戦機バーチャロン

ハード:アーケード

稼働日:1995年12月15日

発売:SEGA

見出し絵はセガサターン版です。

※見出し絵は公式のものを使わせていただいております。問題があればご連絡下さい。すぐに消去いたします。

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