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『「他人に振り回される私」が一瞬で変わる本』を読んだ

スマホで撮ったら縦長すぎてタイトル画像に使えなかった

最近はちょこちょこ本を読んでいるので、アウトプットの練習がてら、読んだ本について思うまま書いてみることにする。

ちなみに、この記事を書くにあたって感想文と書評の違いについて気になったので調べたが、すぐに面倒になってしまった。とりあえず、書くにあたってもっとも気楽(≒無責任)なのが感想文ということらしいので、今回はそういうものとして書く。読む側も気楽に読んでほしい(2000文字くらいあるけど)。


本に書いてあること

「気質」と「人格」

この本を開くとまず始まるのが、人間はそれぞれ異なる「気質」と「人格」をもつ、という話である。

「気質」は、先天的かつ生涯変化することのない、その人の核であり、親と子供で違うこともある。一方、「人格」は後天的な要素であり、育った環境や経験などによって作られ、時間が経つと変わることがある。

この本によれば、「気質」と「人格」を合わせたものがその人の性格で、これを把握することで円滑ないし良好なコミュニケーションが図れる、としている。特に「気質」は、不変かつ「人格」よりも要素として強い(「人格」によって「気質」が抑え込まれると不幸になる)ので重要である。


人の「気質」は3タイプ

そんな重要な「気質」は、たったの3つしかない。

  • 理論(I)型: 論理的な説明や、思考を重視

  • 感覚(E)型: 感情の動きや、共感を重視

  • 行動(P)型: 具体的な行動や、結論を重視

誰でも3タイプの要素を多少持っているが、その中で最も強いものがその人の「気質」である。見ればわかる通り、それぞれものごとのとらえ方において重視する点が異なる。するとコミュニケーションにおいても無意識にそれが現れるため、異なる「気質」を持つ人同士は、そのままだと摩擦を起こしやすい。

この本では、「気質」の説明に続いてそれぞれの「気質」を持つ人の間でどういったコミュニケーションが行われるか、どう行うべきかという話が状況別(上司と部下とか、親と子供とか)に書かれており、ここまでで大体8割を占める。

ちなみに本書には「気質」を調べるための質問リストも載っていて、自分はやや感覚型寄りの理論型だった。論理と感情の両面で納得しないとなかなか行動に移さない、めんどくさいタイプの人である。伝えたいことを長々と説明した挙句、相手から「で、結局何が言いたいの」と言われたこともある(この場合、相手は行動型である可能性が高い)。


「人格」は変えられる

前述したとおり、「気質」は変えようにも変えられない、無意識に働くものであるが、一方の「人格」は後天的なもの、環境によって変わるものである。

この本では、今の「人格」を調べるためのツールとしてエゴグラムが紹介されている。エゴグラムについてはネットで調べるといろいろ出てくるうえに簡単に試せるので、興味があれば各自で調べてみてほしい。ちなみに今の自分はAC優位型で、一言で言うと自分を犠牲にして他人を優先するタイプだ。

「人格」について重要なポイントは2つある。

  • 「気質」と「人格」にズレがあると、自分を抑圧してしまい、不幸になる

  • 「人格」は意識して変えることが(ある程度)可能である

親と子供の「気質」が違ったために親が無意識に子供を抑圧してしまい、時間が経って親から離れた後も、形成された「人格」によって子供が自らを抑圧し、苦しみ続けるパターンは多いそうである。身に覚えのある人もいるだろう。

もし今、自分が不幸だと感じているなら、自分の「気質」と「人格」を調べてみて、自分は本当は何がしたかったのか、ということに目を向けてほしいと本書は説く。締めくくりには、自分がどうありたいかをよく見定めることで、他者や過去に振り回されることは次第に減っていく、としている。


本に書いてないこと

彼を知り己を知れば百戦殆からず

本書のテーマは「対人コミュニケーションにおけるメタ認知と自己理解」である。

「メタ認知」は心理学の用語で、目の前の事象を一歩引いた(「メタ的」な)視点から認識することである。例えば誰かと話していて、あなたが

  • こいつは多分感覚型だな。理論型の自分としては順序立てて説明したいところだが、ここはひとまず共感しておくか

という風に考えたのであれば、あなたはメタ認知を行っている(実際にこんな文章の形で考えながら話す人は漫画の登場人物くらいだと思うが)。


本書のタイトルにある「他人に振り回される私」はメタ認知ができていないのだろうということは、ここまで読んだならなんとなく想像がつくと思う。一方で、メタ認知ができているならあまり他者に振り回されることが無さそうである。

他人に振り回されれば自分のことが疎かになる。自分のことが疎かになると不幸である。そうならないためには、自分と相手のことをよくよく理解しておく必要がある。これが本書のテーマなのだろう。


ところで

本書では「気質」の違いは本のタイトルにも表れるので、ターゲットの「気質」に合わせたタイトル選びが重要だ、と書かれているのだが、個人的にはあまりしっくりこなかった。自分が本を買うときに重視するのは評価や感想であって、タイトルではないからである(ある意味、かなり理論型らしい気がする)。

とはいえ、くだけた文体の長いタイトルは無意識に避けるので、やっぱり重要かもしれない。

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